タイトル

ソフトサイン/子どもの低体温(1)


平熱がどのくらいの場合に『低体温』というのかはっきり決められているわけではありません。とりあえず一般に小児の平熱が36.5〜37度前後だとすると、36度未満を低体温といってさしつかえないでしょう。
子ども..
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2008年11月06日(木) No.328 (秋山先生(小児科)のコラム)

女性と漢方(50)〜アクビばかりでる〜


『48歳Kさん。やせ型のおとなしそうな奥様で、ご主人の後ろに付き添うようにして来院。顔に生彩がなく、「お疲れのようですね」とご本人に問いかけると、ご主人が話をさえぎるように「疲れているとは思うのですが、いつもよく寝てばかりいる割には、アクビばかりするんですよ」。もう一度、Kさん自身に症状を聞いてみると、「3ヶ月前より別に眠くもないのに生アクビがしょっちゅうでるようになり、その割には寝付けないです。身体は重だるいし、食後は胃が軽くもたれます。気持ちはイライラして落ち着きません」と申し訳なさそうに話してくれました。』
Kさんには『甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)』を処方してみました。3日目から生アクビの回数が減り、同時に重だるい症状が軽くなり、1ヶ月後には精神的な落ち着きが自身でも感じるとの事でした。『甘麦大棗湯』は、「甘草(カンゾウ)・小麦(ショウバク)・大棗(タイソウ)」の3つの生薬のみで作られた漢方薬で、すべての生薬が甘い味がするという特徴があります。甘い味の働きは、以前にもお話しましたが、「体の緊張をほぐしたり和らげる作用」と「潤して栄養をつける作用(滋養)」という二つの働きがあります。


イライラしたときにケーキを食べる女性(笑)や、疲れると甘いものが欲しくなるのは皆さんも経験があると思います。
さて、アクビを東洋医学的に考えると、「こころ」に潤いがなくなりかつ緊張しているひとつの証拠です。なんとか緊張をほぐそうとしている試みともいえます。『甘麦大棗湯』は、甘い味によって「こころ」に潤いをもたらし、緊張をほぐす作用がある漢方薬です。甘いものでストレスを緩和しようという人間の本能的な行動をうまく薬として取り入れた漢方薬といえましょう。
3ヶ月後、外来に来たKさんの位置が、いつの間にか、ご主人の前になっていたのは私の気のせいでしょうか?
2008年11月06日(木) No.327 (山内先生(産婦人科)のコラム)

食べ物と漢方(1)


漢方薬というとゲンノショウコやドクダミなど草根木皮を煎じたり、ミミズやマムシの粉を飲むことと思う人もいるようですが、これらは民間薬と言われ漢方薬ではありません。
漢方薬には数千年の歴史を経て決められた生薬の組合せ、分量、飲み方があります。
よく知られているものに葛根湯というのがあります。
初期の風邪や肩こりに大変よく効く漢方薬ですが、これには葛根、桂皮、甘草、大棗、生姜、芍薬、麻黄の7種類の生薬が配合されています。このうち葛根(くず湯に使うくずの根)、甘草(前にも書いていますが、マメ科の植物の根でしょうゆなどに甘味料として使われる)、桂皮、大棗、生姜は食べものとして使われているものです。
これらは個性的な味や香りを持っていて、それらを組み合わせることで優れた薬効を引き出します。
今回はこの桂皮、大棗、生姜についてお話します。
桂皮(ケイヒ)はクスノキ科のケイノキの樹皮、シナモンとかニッキ、カシアと言った方が皆さんにはなじみ深い呼び方だと思います。特有のピリッとした刺激と品のある香りは京都のお菓子「八つ橋」でもおなじみです。


ヨーロッパ諸国ではもっぱらスパイスとして、中国では漢方薬の主要な成分として利用されてきました。
漢方で桂皮は体を温め、体の表面の働きを調節するとして、風邪や神経痛などの多くの処方に配合されています。
○葛根湯(カッコントウ)
 解熱発汗作用を利用して生姜、麻黄などと合わせて風邪薬になります。
○桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)
 鎮痛作用を高めるため附子と合わせて神経痛、リウマチなどに使われます。
大棗、生姜については次回お話します。

2008年11月06日(木) No.326 (原口先生(薬剤師)のコラム)