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ソフトサイン/こどもの微熱


「微熱があるため保育園で預かってもらえません」「他の症状はありませんが、37.2〜3℃の熱がしばらく続いています。大丈夫でしょうか」などの質問をよく受けます。大人で37℃をこえることはあまりありませんから、大人では37℃以上は一応微熱と判断してもよいでしょう。しかし子どもでは話が違います。乳児から学童にいたるすべての年齢層で37℃をこえる子どもが2割くらいの割合でみられます。体温の平均値も成人よりも高い方に偏っています。子どもの体温は、他に症状がなければ37.4℃くらいまでは平熱とみるのが一般的です。健康小児の腋窩温を表に示します。
37.5℃前後の熱が続く場合、無害なものか微熱かを見分けるために、体温の変動にも目を向ける必要があります。1日の中で体温が一番低い時(朝)と高い時(夕方)の差が1℃以上あれば微熱を疑いますが、1℃以内で全身がよければまず病的な状態ではなさそうです。また39℃以上の高熱が続いた後、しばらく37℃台の熱が続くことがあります。一時的に熱のセットポイントが上がってしまうことが原因のようです。この場合しばらく様子をみるだけで自然と下がってきます。熱を出した後、入浴を控えているとなかなか平熱まで熱が下がりづらいことがあります。このような時、入浴で肌を清潔にすると簡単に体温が正常に戻ります。熱が下がり、1日様子を見て大丈夫そうなら積極的に入浴させてください。


安静時に時々熱を測り、平熱を知っておくことが大切です。微熱が続いても、同じ体温計、同じ測定部位で測定し、平熱との差が1℃未満で、全身状態がよければ病的なものとは考えずに様子を見てよいでしょう。1日の温度差が1℃以上ある微熱が続いたり、何らかの症状を伴う場合などは、検査を受けることをお勧めします。
2008年09月04日(木) No.319 (秋山先生(小児科)のコラム)

水虫じゃないかも…。


平和の祭典、アスリート達の競演…北京五輪も終わり、やっと寝不足から解放されましたが、皮膚科の病気に(英語で)athlete's foot(アスリーツフット)と呼ばれる物があります。これは、水虫の事です。おそらく、運動選手の足が、ムレて水虫になりやすいところから名付けられたのでしょう。
さて、秋風の立ち始めた今夜もまた、皮膚科の嶋川先生が、イースト・バーの東君のもとを訪れました。



【東】先生いらっしゃいませ。
【嶋】いやぁ東君、また一段と髪の毛が増えたね〜!
【東】先生に出して頂いたお薬のお陰で、ふさふさですよ〜!先生もこの薬使えばいいのに。
【嶋】「…………」
【東】(慌てて)と…ところで先生、随分痩せたんじゃないですか?
【嶋】実は、血糖値が上がってね。糖尿病にならないように一日5〜6キロ歩いて、炭水化物を食べないようにしたら10
キロも痩せちゃってさ。アルマーニのスーツを新調しちゃったよ。(…と得意げ)
【東】すごいっすね先生!!お酒も控えたんですか?
【嶋】それがさ、お酒だけはやめられないんだよね。
【東】そうですよね〜(笑)先生からお酒を取ったら、何も残らないですもんね〜!
【嶋】「…………」
【東】(また慌てて)あっ、そういえば僕、水虫になっちゃったみたいなんですよ。

【嶋】ふ〜ん。仕方が無い。ちょっと観てみようか。東君の足は臭そうだから気が進まないなぁ〜。
【東】いいんですか、すいません。最近、足に小さな水ぶくれが出来て、かゆいんですよね…。
【嶋】東君、これ多分水虫じゃないよ。
【東】えっ!本当ですか?
【嶋】水虫に似た病気が色々あってね。東君のは異汗性湿疹だよ。原因はまだはっきり分かってないんだけど、金属アレルギーとか、汗によるムレが原因ではないかと言われているんだ。
【東】へー!嶋川先生って、本当に皮膚科の先生みたいですね!
【嶋】「…………」

さて、今年は爪水虫のCMの影響か、水虫を気にして来院される患者さんがとても多いです。しかし、水虫と思い込んで来院される患者さんの3割は、水虫以外の皮膚病です。市販の水虫治療薬で治らなかったり、悪化するようでしたら、皮膚科専門医を受診される事をお薦めします。
2008年09月04日(木) No.318 (国分先生(皮膚科)のコラム)

女性と漢方(48)〜寝起きの腹痛と登校拒否?〜


『小学校4年生Jちゃん。2年生の頃からしょっちゅう頭痛がおこり、朝起きるとおなかが痛くなり、学校へ行く前にはいつも泣きべそをかいている。学校に行ってしまうと学校内では全く問題はない様子との事。お母さんが登校拒否ではないか?と相談のために来院。』
おなかの調子が悪く、よく下痢をするお子さんということでまずは『小建中湯(ショウケンチュウトウ)』を処方しましたが、こちらはうまくいきませんでした。夏バテもあってかフラフラするという訴えをキーワードに『真武湯(シンブトウ)』に変更してみました。効果はすぐに現れて、朝泣かずに起きるようになったようです。下痢も軟便程度になり、気にならなくなったとの事。しかし、気温が下がる日があると(北見のように暑い日と寒い日に極端なギャップがある街は大変ですが)咳がてきめんに出現し、再び下痢にもなってしまうようでした。


以前より症状は確実に良くはなっているのですが、Jちゃんも私も何となくしっくりきません。そこで、Jちゃんのおなかを触って見ることにしました(腹診です)。みぞおちのあたりが少し硬くなっていたので、『六君子湯(リックンシトウ)』に変えてみたところ、今度は確かな手ごたえがありました。「頭痛も腹痛もなくなり、朝の起き方がしっかりしてきました。最近は全然泣きべそではなくなりました。」とお母さんがおっしゃっていました。
いまや子供もストレス社会です。子供にも泣くにはそれなりの泣く理由があるのでしょう。『六君子湯』は単なる胃薬ではないことは以前にも紹介しました。「気剤」(気の巡りを正す生薬)がしっかり配合されています。
漢方薬は、まずくて?子供にはどうも飲ませにくいし、私自身もあまり無理矢理飲ませることはしないのですが、Jちゃんはちゃんと飲んでくれています。小学生でも自分にとって必要な薬と認めると不思議に飲めるもので、効く薬は飲むのを嫌がらない傾向は確かにあるようですね。野生動物がふだん食べないような苦い植物を自ら積極的に食して体内の解毒をするという話もまさしく同じでしょうね。
2008年09月04日(木) No.317 (山内先生(産婦人科)のコラム)

旬を食べる(秋1)


今回はまた旬の食べ物の話に戻り、秋の食べ物の第1回目です。
北見の特産品であるタマネギは中央アジア原産ユリ科の多年草で鱗茎を食べます。
タマネギはどこの家庭にもある食材で、カレーライス・野菜炒め・ハンバーグなどに甘味と独特の味を与えてくれる大切な野菜です。
タマネギのあの刺激と辛み成分には血液サラサラ効果(血が固まるのを防ぐ)があります。タマネギを切るとその細胞が壊れ、酸素に触れることにより、タマネギに含まれる酵素で辛み成分ができ、その成分に血液サラサラ作用があります。
辛み成分は水に溶けやすいので、その効果を期待して生食する時は軽く水洗いする程度で、長くさらさない方がいいでしょう。
さらに効果を高めるには、切ってから15分くらいおいて炒めると酵素がしっかり働き効果的です。また、ビタミンB
1の吸収を促進する働きもあるので、B1の多い豚肉を使った炒め物などは効果的な料理です。
度重なる世界に飢饉を救ってくれた大事な食材であるジャガイモは南アメリカ原産のナス科の根菜です。


寒暖差の大きい北海道のジャガイモは甘味がありおいしく、生産量は全国トップです。
主成分はデンプンですが、ビタミンCも多く、とりわけジャガイモのビタミンCは熱に強いという特徴があります。これはデンプンがビタミンCを包み込んで熱から守ってくれるからです。
一部の風邪薬(市販薬)にも含まれるビタミンCは、体の粘膜を丈夫にしたり、抵抗力を高める抗酸化物質でもあります。またカリウムも豊富で、体内の過剰なナトリウムを排出する働きがあるので高血圧の人にはおすすめです。
ホクホクさが身上の男爵イモはジャガバターや粉ふきイモに、煮崩れしづらいメークインはポトフや肉じゃがなどの煮込みに適しています。

2008年09月04日(木) No.316 (原口先生(薬剤師)のコラム)