タイトル

第38話/男の子の思春期 その1


江戸川柳に、「十三ぱっか、毛十六」という句があります。
これは江戸時代の女子の思春期発現を指したもので、13歳ころに初潮があり、16歳で性毛が生えるという意味です。この現象を、医学的には第二次性徴と呼びます。
一方、男子の第二次性徴は、女子と同じように、大体13歳頃から16歳にかけて自然に起こります。この時期、まず脳の中である特殊なホルモンが作られます。そして、このホルモンが精巣を刺激して、男性ホルモン(アンドロゲン)が産生されます。このアンドロゲンの働きによって、第二次性徴が起こるのです。


そうすると、声がわりやのど仏、そして性毛が発現し、筋肉や骨も発達して男らしい肉体が作られます。ペニスや精巣も発育し、夢精も出現するのです。
ところで、高校1年生150人のアンケート調査によると、「声がわり」は高校1年までにほとんどの男子が経験します。「性毛」の発現は、一番早い子は小学4年、一番遅い子は高校1年と、かなりの個人差が認められますが、小学校6年から中学2年までの間で94%の男子が認めています。
ですから、遅くとも高校3年生までに第二次性徴が認められない場合は、ホルモン異常などの病気が考えられるので、泌尿器科専門医に相談するのが良いでしょう。
さて、睡眠中に性的な夢を見て、甘美な快感とともに下着が精液に濡れる…読者諸兄にも、若かりし頃そんな経験があるはずです。これが「夢精」という現象です、溜まりすぎた精子や精液が睡眠中にあふれ出して、射精するものです。いわば思春期のシンボルです。
ところが、この夢精の経験者は、予想外に少なく、高校1年までの間でわずか約4割の男子しかいません。一方、マスターベーションはほとんどの高校男子(90%)が経験しています。ということは、夢精の出現前にマスターベーションを覚えるため適度に精液が射出され、精液が溜まりすぎないために、夢精の経験が少ないと推察されるのです。
2006年10月10日(火) No.215 (古屋先生(泌尿器科)のコラム〜ドクトル・フルヤの知って得する泌尿器科講座〜)

ソフトサイン〜あおむけ寝とうつぶせ寝〜


私たちは、何気なく布団の上に赤ちゃんを「あおむけ」にしておきます。いろいろな動物をみても、ヒトの赤ちゃんのあおむけはとてもユニークな姿勢のようです。ヒトは、あおむけになって手で足先をつかむ(5ヶ月)、..
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2006年10月10日(火) No.214 (秋山先生(小児科)のコラム)

羽生君


今回の主役は、羽生君 35歳。
以前は旅行代理店に勤務し、添乗員の「名人位」を目指していたが挫折し、今は医療事務をしながら「事務長職」を目指し(!?)バリバリ働いているつもりも、理事長からバリバリ怒鳴られる毎日である。
そんな羽生君が最近凝っているのが「釣り」。高校野球で鍛えた強肩を生かし、釣り糸を飛ばしまくっているのである。


先日は、網走の浜で釣ったサケに逃げられそうになり、慌てて追いかけ足を捻挫する始末…。その後、足首は腫れ、痛みもあった為、薬局のA先生に相談し、患部に湿布薬を貼ってしのぐ事に。
3〜4日すると足首の腫れや痛みも引いたので、湿布薬をはがし、次の週末も釣りに出かけた羽生君。
あまりにも天気が良かったので、ゴム長をぬぎ、ズボンのすそをたくしあげて日光浴を楽しみました。
さて、次の日になったら、湿布薬を貼っていた形に小さな水ぶくれが沢山出来ていたのです。
『これは、使用した湿布薬によって引き起こされた光アレルギー性接触皮膚炎です。筋肉痛や捻挫したときに使われる湿布薬やクリーム、ゲル剤には光線過敏を起こす可能性のある成分が含まれていることがあり、そのような薬を貼ったり塗ったりして日光に当たると、その部分に水ぶくれや赤い腫れを起こすことがあります。時には1ヶ月以上前に使用していた湿布薬でも同様の症状がでることがあります。症状が強いと、シミを残すこともありますので要注意です。』
仲の良い皮膚科のS先生に治療してもらい完治した羽生君。気の早いことに、もう、ワカサギ釣りの準備に取り掛かっています。
そうそう、私のクリニックのハニュウ君、去年は1匹も釣れなっかたサケを今年は3本も釣り上げたそうですね。おめでとう。
2006年10月10日(火) No.213 (国分先生(皮膚科)のコラム)

女性と漢方24〜腎虚って何?(その2)〜


前回は「腎虚(じんきょ)」のお話をして、『六味丸(ロクミガン)』という漢方薬を紹介しました(詳しくは前号を参照)。腎を補う薬には、この仲間として『八味地黄丸(ハチミジオウガン)』『牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)』などもあります。これらの薬は『六味丸』にさらに他の生薬を足してできています。
では、どう使い分けるのでしょうか?「腎虚」は決して「腎臓が悪い」のとは違うという話は前回しましたし、下半身あたりに症状が出ることが多いこともお話しました。
「おしっこが最近近くなった」「腰もなんとなく痛い」…などは典型例でしたね。


もし、こういう方で「冷え」があったとしましょうか。「足の裏が冷えると、つま先がほてる」なんていうのは漢方医学的には不思議な症状ではありません。その場合は、「冷え」を良くする生薬が含まれた漢方薬の方が良いにきまっています。つまり古人は『桂枝(ケイシ)』(シナモン)や『附子(ブシ)』(毒性のないトリカブト)の二種類の生薬を『六味丸』に足して『八味地黄丸』(6+2=8です)を造ったのです。また、「冷え」もあるけど「下半身のしびれ」もある方のために、それに対応した生薬をさらに加えて『牛車腎気丸』なる薬も造ってしまいました。
よく膝から下だけがむくんで、しびれて冷える方なんかいらっしゃいますが、こういう方は『牛車腎気丸』が効くタイプなのですね。「冷え」があるかないかを聴くのはとても大切で、「冷え」のない方に『八味地黄丸』や『牛車腎気丸』を処方したら、その方は熱くてたまらないでしょうね。「冷え」を診るには実際に触って診察するのが一番です。
「腎虚」は決して高齢の方だけの症状ではありません。若い方でも「腎の精」の不足は過労のように無茶をすると起こり得ます。ただし、高齢の方と違うのは、若い方は即効性があります。本当にびっくりする位に早く効いてしまいますね。一般的に「腎虚」を治すには時間がかかると云われていますが、個人的には「ちょっと顔色が赤らんでいる」タイプには、どうも『八味地黄丸』がよく効く方が多い印象をもっています。『桂枝(ケイシ)』(シナモン)は「のぼせ」に効く生薬ですから、ここにカギがあるのでしょうか?
2006年10月10日(火) No.212 (山内先生(産婦人科)のコラム)

数字だけで判断できない?


これもよくある話ですが、「私は今まで4mgの薬を飲んでいたけど、血圧が下がらなかったので、今回から80の薬に変わったんだわ。80mgも入っているからこの薬キツイんでしょ?」と言う質問です。
もし同じ成分の薬なら20倍強い薬と言うことになりますが、基本的に同じ成分で10倍も20倍も量が多ければ、副作用が強すぎて使うことが出来ないでしょう。
よく話を聞いてみると違う成分の薬に変わったと言うことでした。
ここで、わかりやすいように一つ例を挙げて説明します。


みなさんはサッカリンという人工甘味料をご存じでしょうか?
サッカリンとは甘みが砂糖の200〜700倍ある甘味料で、1960年代に行なわれた動物実験で雄ラットに膀胱ガンの発生が見られ(雄のみ)、弱い発ガン性があると考えられ一度使用禁止になり、その後他の動物での実験では発ガン性は見られず、雄ラットの代謝の特殊性によるものと考えられ、発ガン性物質から除外されました。それでも日本では安全のため使用制限などをもうけて使われています。(アメリカなどでは制限がありません。)現在は主に清涼飲料水や冷菓、漬け物、しょうゆなどに使われている様です。
話がずれたのでもとに戻しますが、同じ甘味料でも成分が違うので、たとえばサッカリンを1g使った場合と同じ甘さにするには、砂糖が約500g必要なのといっしょで、Aと言う薬が4mgで血圧を20mmg下げるとしたら、Bと言う薬は80mgで同じくらい血圧を下げると言うことなのです。つまり成分が違うと、同じ効果を求めても使う薬の量が違ってくると言うことなのです。
また、血圧関係の薬でも、神経に働いたり、尿を出して体の水分を減らして血圧を下げたり、受容体に結合して血圧を下げるなど、いろいろな作用の薬が数百種類もあり、同じ作用の薬でも成分が違う場合、個々の体質などによって効きが変わることもあります。
その中から、お医者さんはその人の状態に合わせた薬を処方していますので、その指示に従って間違いなく服用して下さい。
2006年10月10日(火) No.211 (原口先生(薬剤師)のコラム)