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第23話/風邪と間違えられる中年男性の前立腺炎


前回の講座では、女性に多い腎盂腎炎という病気が、風邪や肺炎とよく間違えられて治療され、悪化することがあることをお話しました。同様のことが、中年男性の泌尿器科の病気でも起こることがあります。その病気が急性前立腺炎といわれるものです。
前立腺というのは男性の膀胱と尿道の境目に存在する臓器です。尿道を取り巻いている構造になっているので、たとえて言うと、リンゴの果肉の部分が前立腺で、芯の部分が尿道というわけです。男なら子供でも大人でももっている臓器ですが、その働きは思春期を過ぎてから初めて発揮します。すなわち、前立腺から作られる液は精液の50%を占め、そしてその前立腺液のなかには精子の活動に必要な栄養物が豊富に含まれています。ですから、前立腺は子供を作るためにはなくてはならない臓器というわけです。

この前立腺に細菌が感染し、炎症が拡がったものが急性前立腺炎です。症状は、発熱、筋肉痛、関節痛および全身倦怠感が出現します。そのためしばしば風邪と間違えられることがあります。体温は39度以上、なかには40度以上の高熱になります。
多くは、排尿痛、頻尿や排尿困難などを合併しますので、この点が風邪と違うところです。
診断は、尿を検査して白血球や細菌の確認をします。前立腺を触るとブヨブヨした感じで、患者さんは激しい痛みを訴えます。超音波検査では、前立腺は腫れて大きくなり、血流が増えているのがわかります。治療は安静と補液点滴、抗生物質の使用が基本です。2〜3日は熱が上がったり、下がったりしますが、だいたい1週間以内に下熱治癒します。しかし、これらの治療で症状が改善しない場合は、内視鏡で前立腺の病巣を切除することもあります。
しかし、前立腺は抗生物質の浸透が弱い臓器なので、一時的に下熱して治癒したように見えても、細菌が死なないで隠れていて、再び暴れだすことがあります。それで、下熱しても2〜4週間は経口で抗生物質を服用してもらいます。
2005年07月10日(日) No.144 (古屋先生(泌尿器科)のコラム〜ドクトル・フルヤの知って得する泌尿器科講座〜)

ソフトサイン〜母乳が一番〜栄養素としての母乳〜


母乳は、赤ちゃんが健康に育つのに必要なすべての栄養素をバランスよく含んでいます。さらに、人工乳にはどうしてもまねができない、免疫システムを強化するためのたくさんの物質が含まれています。
生まれて最初の乳汁から数日間のおっぱいを初乳と呼びます。量は少なく黄色味がかっていますが、タンパク質の量が多く、赤ちゃんにとってとても消化しやすくなっています。この初乳中には、とくに免疫物質(IgA、貧食細胞、ラクトフェリンなど)が大量に含まれており、生まれたばかりで抵抗力のない赤ちゃんをさまざまな感染症から守ってくれています。この量は次第に減少してゆきますが、おっぱいをたくさん飲んでいる10ヶ月くらいまで含まれています。

初乳は徐々に成熟した乳汁に変わってゆき、赤ちゃんの発育とともに量が増えてゆきますが、それとともにタンパク質の濃度が減少し、乳糖と脂肪が増加します。母乳中には、脳細胞の発達に不可欠なアミノ酸であるタウリンやその他の多くの必須アミノ酸が、すべて目的にかなう量で分泌されています。カルシウムやリンも理想的な比率で十分量含まれており、さらに微量元素である亜鉛、銅、マンガンなども疾患予防に大きく役立っています。
未熟児を産んだお母さんの初乳には、特に高い濃度のタンパク質と特別な形の脂肪が含まれています。その後も未熟児が育ちやすいように高いタンパク濃度の母乳が出ています。同じ母乳でも赤ちゃんが育ちやすいように母乳の組成も変化しているんですね。
未熟児を産んだお母さんは、退院後も母乳を搾乳して病院に届けて、わが子に飲ませています。特に小さく生まれてしまった赤ちゃんには、生後しばらくの間は母乳だけで育てられます。これをみても、いかに母乳がお腹にやさしいかがわかります。
なお赤ちゃんが1歳を過ぎて与える母乳は、脂肪がやや少なくなるだけで栄養的にはなんら変わりません。薄くなってしまうのではという心配は無用です。いっぱい飲ませてあげてください。
2005年07月10日(日) No.143 (秋山先生(小児科)のコラム)

オイリースキンのスキンケア


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オイリースキンとは、頭や顔(特にTゾーン)、胸、背中の上部などの皮膚の脂腺機能亢進により、皮脂の排出が増大し、皮膚表..
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2005年07月10日(日) No.142 (国分先生(皮膚科)のコラム)

女性と漢方10〜病は「気」から?(その1)〜


「気」という言葉は日常生活でも、元気・電気・磁気・やる気…などよく使われますし、「病は気から」ということも聞いたことがありますね。初回に漢方医学では「気」という概念があることはお話しましたが、体にあっ..
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2005年07月10日(日) No.141 (山内先生(産婦人科)のコラム)

お茶のよもやま話 1杯目


前回まではコーヒーの話をしていましたが、「日本人なら、やっぱりお茶でしょ」という人もいて、今回からはお茶の話をしていきます。
お茶の木はもともと亜熱帯性の植物で、北海道では育たず、それ以外の都府県で栽培されています。
日本に自生していたと言う説もありますが、中国から薬として伝えられたようです。
平安時代に最澄、空海が唐より持ち帰り、比叡山の山麓に植えたとの記録もあり、鎌倉時代に栄西禅師(えいさいぜんじ)が書いた『喫茶養生記』の中で「茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり。」

つまり「お茶は万病に効き、長生きの秘訣」との記述がありました。
栄西禅師は源実朝(みなもとのさねとも)が二日酔いの時、抹茶を飲ませて直したという話もあり、お茶にはいろいろな効用があると言われています。
お茶に含まれる『ビタミンC』には抗酸化作用と言って、活性酸素を抑え、体のサビを防ぐ働きがあり、美容に良いのはもちろん、アルコールやタバコの害を少なくする働きがあります。
通常のビタミンCは熱に弱いのですが、お茶に含まれるビタミンCはお茶の成分でタンニンの一種である『カテキン』に守られていて、お湯を注いでも壊れづらくなっていますし、同じくお茶に含まれるカフェインもアルコールの分解を促します。
また、カフェインは中枢を興奮させ、眠気を覚まし、知的能力を向上させ、運動能力を高めたり、頭痛をやわらげたり、胃液の分泌を促進する働きや冠動脈拡張による強心作用、利尿作用があり、心身の疲れをとりストレスを解消すると言われています。
特にお茶の中のカフェインは、うま味成分(アミノ酸)のテアニンが興奮作用を抑制し、覚醒作用も穏やかにする様で、昔の修行僧は座禅中の精神的ストレスを防ぐために、お茶を欠かさなかったそうです。
2005年07月10日(日) No.140 (原口先生(薬剤師)のコラム)