タイトル

第22話/風邪と間違えられる腎盂腎炎


膀胱炎は、女性にとってはありふれた病気の一つですが、時々膀胱炎にかかった人が腎盂腎炎を合併して高熱を出して、入院することがあります。この女性がよくかかる腎盂腎炎という病気は、膀胱炎に比べるとあまり知られていないため、風邪や肺炎とよく間違えられて治療され、悪化することがありますので要注意。
腎盂腎炎は、細菌が膀胱から尿管をへて腎臓に到達し、そこで炎症が拡がったものです。従って、最初に膀胱炎を起こし、数日してから腎盂腎炎になるわけです。しかし、なかには膀胱炎を伴わない場合もあります。症状は、発熱、腰痛と腹痛および全身倦怠感が典型的です。ほとんどの患者さんは39度以上の高熱になります。なかには40度以上の体温になることもあります。左右どちらかの脇腹が痛くなり、拳で叩くと激しい痛みを感じます。
治療は基本的に入院して行います。安静と補液点滴、抗生物質の使用が基本です。一般には、これらの処置をして、2〜3日は熱が上がったり、下がったりしますが、急性期に正しい治療をすれば比較的簡単に治ります。

しかし、腎盂腎炎が危険なのは、尿管結石や尿道狭窄、前立腺肥大症などの病気を伴っている場合です。というのは、これらの病気を治療しないと、いくら細菌に効く抗生物質を使用しても腎盂腎炎は治らないからです。しかも、病気が悪化して、細菌が体中に廻り、致命的な肺血症に進行してしまうことがあります。ですから、それらの病気に対しては泌尿器科的な専門治療を最初に行うことが必要となります。
さて、繰り返し起こす腎盂腎炎を原因の一つで有名なのは「膀胱尿管逆流症」という病気です。これは膀胱の尿が排尿のたびに腎臓の方に逆流する病気で、成人女性ばかりでなく子供にも発見されます。治療は開腹して逆流防止の手術をします。最近は、内視鏡手術で比較的簡単に治る場合もあります。
2005年06月10日(金) No.139 (古屋先生(泌尿器科)のコラム〜ドクトル・フルヤの知って得する泌尿器科講座〜)

ソフトサイン〜赤ちゃんの授乳(飲みすぎ、飲まない)


母乳を飲ませているお母さんも、ミルクを飲ませているお母さんも、これでちょうどよいのか、飲みすぎているのか、足りないのか、いろいろな不安をもちます。
ミルクを飲ませるほうが、月齢により大まかなミルク量が決まっていることもあり、不安は少ないかもしれません。混合栄養の場合でも、母乳をやった後に一定量のミルクを用意し、赤ちゃんがイヤイヤするまであげることで、これまた一安心です。しかしそれが母乳となると、これで十分なのかはっきりしないことが多く不安にもなります。

赤ちゃんみんながゴクゴクいっぱいおっぱいを飲んでくれるとも限らず、反対に眠ってばかりで無理に起こしてもなかなか飲んでくれずに、体重増加に不安を強くもつお母さんもいます。この中には、実際は母乳が不足していないにもかかわらず、人工栄養となってしまうケースがあります。その原因の多くは、産科入院中の安易なミルクの追加の習慣と、母乳不足の心配からお母さんが勝手にミルクを足してしまうことにあるようです。特に生後1ヶ月までの赤ちゃんは哺乳後すぐ泣くことがあり、これを母乳が不足しているのではと考え、ミルクを与えてしまい、このようなことを繰り返しているうちに人工栄養に移行してしまうことがあるようです。
母乳が足りているかどうかの判断は、実際は難しいことが多く、赤ちゃんの飲み方や、お母さんのおっぱいの出方、張り方などから判断することはまちがいのもとになります。唯一、赤ちゃんの体重がきちんと増えているかどうかが決め手になるといってよいでしょう。時々体重を測ってあげて増えていれば、一安心。今の授乳方法がベストであり、飲む量の多い少ないは考えなくて良いでしょう。
体重増加は、3ヶ月検診で出生体重の倍(3ヶ月までは1日30〜50g?の増加)、6ヶ月、9ヶ月検診でそれぞれ前の検診時より1ぐらい増えていれば良く、一応の目安にしてください。
2005年06月10日(金) No.138 (秋山先生(小児科)のコラム)

ごめんなさい


今回の主役は、皮膚科医JK。キリッとした顔立ちで、今人気の韓流スターに負けない位イケメンのドクター(だと自分では思っている)。
彼は、あるタウン紙に毎月原稿を依頼されて、身近な出来事や人物に絡めて、皮膚病についてのコラムを執筆していた。
彼は常日頃から、とにかく忙しかった。

毎日、皮膚病に悩む患者さん達の為に、せっせと外来診療をこなし、週末も学会や勉強会に出席する為、札幌、東京、福岡…と日本中を飛び回り、時には海外の学会へも赴いていた。
そんな多忙な日々の中にあっても、JKはコラム原稿を締め切りの二日ほど前から考え始め、締め切りの二日後には(!)なんとか編集部にFAXしていたのだった。
今回、原稿の締め切りはゴールデンウィーク明けだった。
いつものリズムが破綻をきたしてしまった。
ゴールデンウィークは、身内の法事と東京での勉強会でアッという間に終わってしまい、明けてからは患者さんの診療に追われ、気がつけば締め切りから二日が過ぎていたのである。
いくら焦って考えても、コラムの原稿は思い浮かばなかった…。
今月のお話はノンフィクションです。
言い訳をしましたが、悪いのは私です。
いつも楽しみに読んで下さっている読者の皆様、そして編集部の方々、本当にごめんなさい。
来月から真面目に書きますので今回はお許し下さい。
国分 純
2005年06月10日(金) No.137 (国分先生(皮膚科)のコラム)

女性と漢方9〜カゼと漢方薬(その4)〜


前回、カゼの症状は「表」(体表)から「裏」(内臓)へと次第に進み、そのステージに合った漢方薬があるお話をしました。「表」から「裏」へ変化する前段階の「半表半裏」には「往来寒熱」(前回参照)の他に「胸脇..
続きを読む
2005年06月10日(金) No.136 (山内先生(産婦人科)のコラム)

コーヒーブレイク最後の1杯


最後の1杯は、胆石と糖尿病の予防効果についてお話します。
数年前に米ハーバード大学の研究グループが男性4万6千人の調査をして、コーヒーを一日2〜3杯飲んでいる人は胆石になる確率が四十%、4杯以上飲む人は四十五%少なくなるとアメリカの医学雑誌に発表しました。
胆石には「コレステロール胆石」と「ビリルビン胆石」の2種類があり、現代人に多いのはコレステロール胆石の方です。日本でも愛媛工業大学でマウスを使って実験を行い、コレステロール胆石になる餌の中にコーヒーを3%加えるとほぼ百%のマウスに胆石が出来なかったとのことで、コーヒーのクロロゲン酸が作用しカフェインがそれを助ける働きをして、腸管内のコレステロールの吸収を妨げ、血中コレステロールが下がり、胆石の形成が抑えられるのではないかとことでした。
愛媛工業大学の辻教授は「胆石の予防には、脂肪を摂りすぎない事とコーヒーを飲む習慣がいいのではないでしょうか」と話されたそうです。

さて、糖尿病とコーヒーの関係ですが、2型糖尿病の予防についてですが、一日コーヒーを6〜7杯以上飲む人は、ハーバード大学やオランダの研究で、糖尿病の発症率を五十%近く下げたとかなどの発表があり、東京大学・朝日生命糖尿研究所・国立ガンセンターの研究者がコーヒーを週一回以上飲む人は空腹時血糖値がおおむね低いなど、これらの研究は医学雑誌でも権威のあるランセットなどで発表されました。
ただし、糖尿病をすでに発症している人はコーヒーに含まれるカフェインが炭水化物(ブドウ糖)の利用効率を悪くし高血糖になる可能性があります。
また食後に飲むコーヒーが血中インシュリン濃度にも影響がある為、コーヒー好きで血糖値の高い人は影響のない空腹時に飲むなどの工夫が必要なようです。
先に話した予防に関しても効果はあるみたいですが『過ぎたるは及ばざるがごとし』のことわざにもある様に、飲み過ぎにはくれぐれも注意して下さい。
2005年06月10日(金) No.135 (原口先生(薬剤師)のコラム)