タイトル

第5話/男は小便をどこまで飛ばせるか?


「小便小僧」は、健康のシンボル。というのは、小便小僧のように小便を勢いよく遠くへ飛ばす姿こそ、体が健康である証拠だからなのです。ところで、男なら誰でも、子供の頃友達同士でオシッコの「飛ばしっこ」をした思い出があるはずです。私の記憶によれば、子供の頃のオシッコは、勢いよく2m以上飛んだような気がします。
何人かの人に聞いてみましたが「絶対に2mは飛んだ!」という意見が大部分です。
しかし、中年にさしかかって来ると、小便の勢いがなくなり飛ばなくなるのは、男なら誰でも感じる現象です。

はたして男は、どれだけ遠くまで小便を飛ばすことができるのでしょうか?
まず、日本及び外国の医学文献を調べてみました。しかし、私が目を通した範囲では「排尿の飛距離」についての記載はどこにもありません。もしやと思い、ギネスブックを調べてみましたが、やはり載っていません。
そこで、10人の北見工業大学の学生諸君の協力を得て、実験してみることにしました。全員21歳。
この学生諸君に、排尿距離測定器なるモノを作ってもらいました。測定器といっても、ベニヤで作った半畳ほどのボックス、床に置いて距離をみるパネル、そして小便を受けるバケツを組み合わせた簡単なもの。ボックスに小さなすき間をあけ、そこからバケツに向かって排尿する訳です。制作費用はわずか2千円。
さて、この世界初(?)の実験の結果は、予想に反し意外に飛びませんでした。普通の排尿時で平均62cm、強く腹圧をかけた時でも平均84.4cmしか飛びません。1m以上飛んだのは、10人中3人のみ、バッケンレコードは1m20cmでした。そうすると、子供の頃の、2m以上遠くへ飛んだという、あの勇ましくも懐かしい記憶は、目の錯覚なのでしょうか…?
2004年01月10日(土) No.37 (古屋先生(泌尿器科)のコラム〜ドクトル・フルヤの知って得する泌尿器科講座〜)

間違いダイエットと拒食症


「低インシュリンダイエット」「体脂肪ダイエット」「骨盤ダイエット」「スタイルばつぐんダイエット」など計17冊のダイエット本が娘(小学6年生と中学2年生)の本箱にありました。
妻の本ならわかりますが、全然太っていない娘達のですから驚きです。
太っている人がダイエットをするのは良いのですが、標準体重やそれ以下の人が減量するのは感心しません。
特に成長過程の若い人(女性が多いです)が必要のない減量を行うと、種々の弊害を起こすことがあります。
食事は食欲中枢が主に関係します。脳の視床下部にあり、摂食中枢(食欲を出す)と満腹中枢(食欲を抑える)があります。胃と肝臓が体内の栄養量(主に血糖値)を察知して、少なければ摂食中枢が、多ければ満腹中枢が働いて食事をコントロールします。
またその上位に大脳からのコントロールがあるので、お腹がいっぱいでも好きな物を見れば欲しくなったり、血糖値が下がってお腹がすいてもダイエットの為なら我慢する事もあるでしょう。
大脳のコントロールばかりに従って、食欲中枢を2ヶ月くらい無視すると病気になります。
その代表が拒食症です。

この病気は、
1.極端にやせて体重30kg以下になる事が多い
2.人前では食べないが隠れて食べる事がある
3.時々大食いをする
4.肥満に対する恐怖があり、下剤や利尿剤を大量に服用したりする
5.30歳以上の発症はまずない等の特徴があります。
思春期の女性に多く、またアメリカ、イギリスに多く、中国、ロシア、アフリカに少ないなど、地域や文化にも影響される病気です。
思春期に分泌される女性ホルモンは脂肪がないとうまく働きませんし生理も始まりませんしこどもも産めません。
ですから、思春期の娘さんのいるお母さんは、食生活に注意して極端なダイエットはさせない様にして下さい。
2004年01月10日(土) No.36 (高橋先生(内科)のコラム)

アトピー性皮膚炎について/第1話


アトピー性皮膚炎には「診療の基準」と、厚生労働省が出した「治療の指針」というものがあります。

きちんとそれらを守ってアトピー性皮膚炎の治療を行っていくと、殆どの患者さんは日常生活に支障をきたさず生活できるのですが、まだまだ「にわかアトピー専門家」によって「いい加減な治療」が行われているのが現状です。とても頭を悩ませています。
そこで、今回から数回にわたり、アトピー性皮膚炎について書かせて頂く事に致します。
原因は?
まだはっきりした事は分かっていませんが、以前はダニやダストなどのアレルゲンに対するアレルギーが原因と言われていました。しかし、最近の研究では必ずしもそれだけではなく、皮膚のバリア機能の低下が大きく関係している事が分かってきました。
よく食べ物を心配されるお母様方が多いようですが、食べ物アレルギーが原因で悪くなる患者さんは、3・4歳以下の子どもの数%と、とても少ない数なのです。それも3・4歳を過ぎると殆どなくなります。
また、よく血液検査で「IgE値」というのを調べますが、この値が高くても症状の出ない人はたくさんいますし、「IgE値」だけでアトピーであるかないかの判断はできません。ストレスも症状悪化の原因になります。まだ証明はされていませんが、ストレスが脳と皮膚の伝達機能を乱し、皮膚が痒くなるのではと考えられています。まだまだ未解明ですが、アトピー性皮膚炎の原因は一つだけではなく、色々な原因が重なって出来るものだとご理解下さい。次回は治療について書かせて頂きます。また、少し難しい内容になりますが、一般的に使われている診断基準を付記しますので、参考にして頂ければと思います。
A:以下の基本項目を三つ以上有すること。
1…そう痒。
2…典型的な皮疹形態と分布成人では屈側の苔癬化・幼少児では顔面及び伸側の皮疹。
3…慢性あるいは慢性再発性皮膚炎。
4…アトピー(喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎)の既往または家族歴。
B:さらに以下の小項目を三つ以上有すること
1…乾皮症。
2…魚鱗癬、手掌の過度の皺襞、毛孔性角化。
3…即時型皮膚試験反応陽性。
4…血清高IgE血症。
5…年少時発症。
6…皮膚感染症の傾向、細胞性免疫低下。
7…非特異的手または足の湿疹の傾向。
8…乳頭部湿疹。
9…口唇炎。
10…再発性結膜炎。
11…Dennie-Morgan下眼瞼皺襞。
12…円錐角膜。
13…前嚢下白内障。
14…眼瞼黒化。
15…顔面蒼白、顔面紅斑。
16…白色粃糠疹。
17…前頸部皺襞。
18…発汗時そう痒。
19…羊毛および油脂溶媒に対する不耐性。
20…毛嚢周囲の顕著化。
21…食物に対する不耐性。
22…環境、感情因子により影響されやすい経過。
23…白色皮膚描記症、遅発蒼白反応。
2004年01月10日(土) No.35 (国分先生(皮膚科)のコラム)

タバコすってて大丈夫?


明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて、新年にあたって今度こそタバコをやめるぞと、心に誓っている読者のかたも多いことでしょう。もうそろそろタバコから離れた生活を考えてみませんか。
タバコが健康に良くない習慣であることは周知の事実であって、ヘビースモーカーでさえその多くはある程度知っていてすっているのです。
そして、スモーカーの70%がタバコをやめたいと思っているのです。ではどうしてやめにくいのでしょう。

[依存性]タバコには依存性があるからなのです。自分では、すいたいからすっていると思っているのでしょうが、タバコに手が伸びるという行動は、時間がたって血中のニコチン濃度が下がったのを元に戻そうという脳の働きによるものです。
つまりはニコチンに踊らされているというわけなのです。
世界保健機関(WHO)は喫煙を依存症(中毒)であると明言し、アルコールや麻薬の依存症と同様、各国はそれを減らすために努力すべきだとしています。
[どう健康に悪いのでしょう]タバコの煙には実に多くの種類の化学物質が含まれており、その中には発ガン性物質や胎児に奇形をおこす物質もあります。
細胞の遺伝子に傷をつけるのでガンになりやすくなるのです。
わが国ではガンが死亡原因のトップになって久しく、今や3人にひとりがガンで亡くなる時代です。以前は男女とも胃ガンがその中でも最多でしたが、1998年以降は肺ガンがトップにおどり出ました。スモーカーはノンスモーカーに比べ、男性で6.5倍、女性で4.2倍肺ガンになりやすいことがわかっています。
タバコをすわない人にも害を及ぼします。
いわゆる受動喫煙で、夫がすえば妻は1.9倍、職場でタバコの煙にさらされれば1.8倍肺ガンになりやすくなります。そのほか多くの種類のガンにおいて発生率を上昇させます。
ガンだけでなく、肺気腫、心筋梗塞をはじめとした命にかかわる病気の原因になります。
平均すればスモーカーは短命で、一本すうごとに7分寿命が短くなるというデータがあります。
女性や胎児、小児に対する害ではどうやったらタバコをやめられるのかなどは、次回に…。
2004年01月10日(土) No.34 (浅井先生(産婦人科)のコラム)

帰省アレルギー?


年末年始には、それぞれ故郷に帰省されていた方も多いと思いますが、この帰省中に喘息・アトピー性皮膚炎などのアレルギー患者さんの症状が一時的に悪化されたという方が多くみられます。帰省後にアトピーの湿疹が悪化していたり、中には喘息発作がでて除夜の鐘を病院のベッドで聞いたというような悲惨な話も聞きます。
これを称して私は帰省アレルギーと呼んでいますが、今回は、じゃどうして帰省時にアレルギー疾患が悪化することが多いかということや、その対策はどうしたらいいんだろうかと云うことについてお話したいと思います。

帰省アレルギーの原因の一番は何といっても環境の変化によるものです。
帰省客を迎えるほうも大変と思いますが、客間の掃除、客布団、家の造り、そこで飼われているペットなど、およそアレルギー疾患に影響している環境的変化が、一時的ではありますが症状を悪化させているのです。
そのほかにも年末年始では食生活の変化、移動に伴う疲労など体調を崩す要因は数多くみられます。
対策としては現在アレルギー疾患が落ち着いていて症状のない方も、掛かりつけの先生に相談して、発作時用の薬や予防薬を準備しておくことや、できれば一番小さなお子さんの体調にあわせる程度の無理のない帰省計画をたてることが肝心と思います。
2004年01月10日(土) No.33 (上村先生(小児科)のコラム)