タイトル

第4話/赤い尿は、赤信号


「赤」という色彩は、危険・あざやか・興奮・注意等をあらわすそうです。ですから、交通信号の止まれは赤というわけです。
さて、尿の色は淡黄色、いわゆる麦わら色で透明ですが、この尿が赤くなることがあります。
そのほとんどは尿に血液が混じった「血尿」と呼ばれるものです。眼で見て赤いので、医学的には「肉眼的血尿」と言います。
出血の量によって、淡いピンク色から赤ブドウ酒色まで、赤みはさまざまです。
また、その出方も、最初の尿が透明で排尿の終わり頃に赤い尿が出るタイプ、最初の尿だけ赤いタイプ、最初から最後まで全部の尿が赤いタイプなどがあります。
また、排尿痛を伴う場合と伴わない場合があります。

原因となる病気には、腎臓・尿管・膀胱の腫瘍や結石、膀胱炎などの尿路感染症などがあります。
中でも、50歳以上で痛みが無い、すぐ止まる、くり返す血尿の場合は、膀胱や腎臓のガンであることが多いので要注意です。
ところが、眼で見て血尿ではないが、顕微鏡で見ると尿に血液が混じっている場合があります。
一般的には「潜血」と呼ばれています。40歳以上では、5〜10人に1人の割合で見つかります。
この潜血の原因の大部分は良性で、経過観察で十分です。
しかし約400人に1人の割合で膀胱ガンが発見されますので、一度は泌尿器科専門医の診断を受けると良いでしょう。
とにもかくにも血尿は、尿の通り路になんらかの病気があることを知らせる信号です。
赤い尿は、健康チェックをするように知らせる警告の赤信号なのです。
2003年12月10日(水) No.32 (古屋先生(泌尿器科)のコラム〜ドクトル・フルヤの知って得する泌尿器科講座〜)

肥満症のおはなし


4〜5年前から徐々に体重が増加し、腹囲(ウエスト)100弱。仕事中の息切れ・腰痛・膝痛が始まりました。私の事です。
昔はスタイルが良いと言われた事もありました。今は風呂上がりに鏡を見られません。
これではいかん!と減量を試みましたが、食欲のまえには連戦連敗です。白衣で腹を隠して、患者さんには「やせなさい」「太りすぎです」「食べ過ぎです」と言っている毎日です。
肥満とは体脂肪が多すぎる状態で標準体重(身長mの二乗×22)の20%増と定義されています。ちなみに10%増は太り気味と言います。
食べ過ぎが原因の原発生肥満と、ホルモン異常・脳腫瘍・遺伝などが原因の二次性肥満に分けられますが、大部分は原発性肥満です。

原発性肥満を内臓脂肪型と皮下脂肪型に分けます。内臓脂肪型は悪性肥満とも言われ内臓に脂肪が沈着し、いろいろな病気が合併しやすいとされています。
この判定は通常腹部 C Tで脂肪を測って行いますが、簡便法もあります。ウエストとヒップを計りその比が男なら1以上、女なら0.9以上(つまりウエストとヒップがほぼ同じということですね)なら上半身肥満と言い内臓肥満とだいたい同じと考えます。
整理しますと、悪性肥満=内臓脂肪型肥満=上半身肥満。
良性肥満=皮下脂肪型肥満=下半身肥満となります。
肥満(主に悪性肥満)によって健康に害があったり、起こりそうになる場合、『肥満症』と呼び病気として扱います。肥満症のやっかいな所は、通常いろいろな原因で起こる疾患が同時に起こってくると言うことです。
糖尿病、高脂血症、高尿酸血症などの代謝疾患。高血圧、狭心症、などの循環器疾患。脳梗塞などの脳疾患。脂肪肝などの肝臓病。腰痛、関節痛などの整形外科疾患。また最近話題の無呼吸症候群などです。治療は減量することです。運動し、食事を減らし、甘いものを控えて2でも3でもヤセなければいけません。幸いな事に内臓脂肪は少しの減量で著明に減少しますので、是非皆さん挑戦してください。
私も失敗しましたが、再度チャレンジしてみます。
2003年12月10日(水) No.31 (高橋先生(内科)のコラム)

口唇ヘルペス


ヘルペスとは、単純ヘルペスウィルスが原因で皮膚に小さな水ぶくれが集まってできる病気の事です。
口びるやその周囲に発症した場合を『口唇ヘルペス』といいます。単純ヘルペスウィルスは感染力が強く、直接の接触のほかにもタオルやコップ(食器)を介しても感染します。

通常、単純ヘルペスウィルスに感染しても、ウィルスは体内の神経節というところに潜伏し症状は出ませんが、風邪や過労などで免疫力が低下した時に暴れ出して、皮膚にみずぶくれを作ります。
感染予防としては、水ぶくれができている時に直接触れないようにするのはもちろんですが、バスタオルは日光によく当てて乾かし、コップ(食器)は洗剤でキチンと洗浄する様にします。
また、症状が出ていなくても、唾液や精液などにウィルスが混在することがありますので、セクシャルパートナーにヘルペスの既往がある場合には要注意です。
似た症状として、長イモやマンゴーなどの食品、口紅やリップクリームなどの化粧品によるカブレでも、口びるにみずぶくれが出ることがあり、よくヘルペスと間違えられます。
これらを接触性皮膚炎と言います。治療は、ウィルスの増殖を抑える『抗ウィルス剤』を使用します。
外用剤と内服薬があり、症状によって使い分けされます。
2003年12月10日(水) No.30 (国分先生(皮膚科)のコラム)

さまざまな性感染症


今回は性感染症のお話です。
えっ?性病のこと?とお思いの方も多いでしょう。まだこの名前は十分に浸透していませんが、この機会に覚えて下さい。
以前性病と言ったのは、梅毒、淋病、軟性下疳、鼠径リンパ肉芽腫の四つの疾患でした。しかし、性行為で伝染する疾患は30種類以上あることがわかってきて、それらを性感染症(STD)と呼ぶことに学会で正式に決まったという経緯があり、性病という名称は医学の世界では死語になってしまいました(もっとも、患者さんは「性病の検査して下さい」と言いますが)。
性感染症をおこす病原体は細菌、ウイルス、真菌(カビ)、原虫、寄生虫などさまざま。患者数でここ10年間ダントツの一位はクラミジアで、淋病がそれに続きます。
ここでは主な性感染症について、患者数の多い順に記すことにしましょう。


★クラミジア
戦後の日本でもトラコーマという目の病気があったが、その原因菌の仲間。近年増加の一途。10年ほど前に北見市の妊婦で調べたところ、約5パーセントの感染率だったが、現在はさらに多いと想像される。一般に、男女とも自覚症状がほとんどない。女性の場合、子宮の入り口に住みつくが、菌が子宮、卵管、腹腔内へと入り込むと強い下腹痛がおこる。薬で菌は殺せるが、癒着などのため妊娠がしにくくなることも。
★淋病
淋菌が病原。男性の場合、強い排尿痛で気づくが、女性では膿っぽいおりもの程度のことが多い。抗生剤で治療する。
★性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルスが病原。
外陰部のあちこちに潰瘍(月のクレーターのよう)ができて、かなりの痛みをともなう。抗ウイルス剤があって高い効果を期待できるが、体の奥のウイルスを完全に除去することはできず、再発することがある。
★尖形コンジローマ
ヒトパピローマウイルスが病原。外陰部、肛門の周囲などに細いいぼのような突起がいくつもできる。治療は、局所麻酔した上で切除、レーザーや電気メスで焼く、あるいは軟膏を塗るなどがある。比較的、再発しやすい。
その他、トリコモナス、毛ジラミ、カンジダなどがありますが、生命に危険を及ぼすエイズは、もっとも危険なものです。
性感染症は本人だけでなく、セックスパートナーも検査、治療の必要な場合が多いので、かかった医師の指示に従って下さい。
予防するには、セックスパートナーの数を多くしないこと、不特定多数とセックスをしている人間としないこと、コンドームを使うなどがあります。自分の体はまず自分で守りましょう。
2003年12月10日(水) No.29 (浅井先生(産婦人科)のコラム)

インフルエンザワクチンのすすめ


インフルエンザは、毎年冬に必ず流行しています。一度でもかかった経験のある方はおわかりでしょうが、背筋がゾクゾクするような寒気、節々の痛みから高い熱が出てくる、咳、鼻水、頭痛、腹痛、下痢や吐き気まで、およそ知られているカゼの症状がすべてみられる感染症です。
カゼは万病のもとと言われるゆえんは、このインフルエンザではないかと思われるほど様々な余病も引き起こします。
また毎年インフルエンザのために不幸な結果となったお子様やお年寄りの報告がマスコミを賑わします。

調査によるとこれらの方々のほとんどがワクチンを受けていなかった事が判明しています。
もしワクチンを受けていれば、その結果は避けられたかもしれません。
大変残念な事に1994年以降、インフルエンザワクチンは、親または本人の自主的判断で受けるものとして法律が改正され、その費用も本人負担となりました。
さらにインフルエンザワクチンを受けていたにもかかわらず、実際流行期にインフルエンザにかかる方もいて、その効果を疑問視する声もあります。
これらのことが結果としてインフルエンザワクチンの社会的認識を押し下げることになり、世界の先進国の中で接種率が最低レベルという結果になったのです。
しかしインフルエンザの流行による様々な経済的損失には計り知れないものがあり、重症化による不幸な結果を回避できるというメリットを考えると、やはりこの時期インフルエンザワクチンを勧めないわけにはいきません。
現在使用されているインフルエンザワクチンには次のインフルエンザシーズンに流行が予測されているA・B両タイプのものが含まれています。
またワクチン自体の安全性も年々改良され、副反応はほとんどありません。
特にインフルエンザシーズンは、毎年受験シーズンとも重なるため受験生の方や、インフルエンザが重症化する怖れのある基礎疾患をお持ちの方は、積極的に受けることをお勧め致します。備えあれば憂いなしです。
2003年12月10日(水) No.28 (上村先生(小児科)のコラム)