タイトル

ピルについて


前回はピルの良い点についてでした。今回はマイナス面にふれます。ピルの服用によってかかる可能性がアップする病気は以下のとおり。静脈血栓症(これは日本人には少ない)、子宮頸がん、乳がん、心筋梗塞、脳卒中、高血圧など。後の三つの病気については、35歳以上だったり、ヘビースモーカーだとさらにリスクが上がります。これらのデータは多くがアメリカ人での調査で出たものなので、そのまま日本人に当てはめて良いかどうか、疑問の余地はあります。また、子宮頸がん、乳がんについては、毎年がん検診を受けることで対応できるでしょう。一般的には、健康な女性がピルを服用することによってこうむる害は少ないと考えて良いでしょう。
現在、世界で6千万人以上(一説には1億人)が使っているこのピル。日本では70〜80万人と推定されています。人口比でいくとかなり少ない数字で、低用量ピル解禁後も期待したほどは伸びていないとのこと。勢い込んで売り出した製薬会社はかなりがっかりしたことでしょう。もともと日本は世界に冠たるコンドーム大国で、ピル使用者は少数派です。

調査によると、使わない理由として、お金がかかる、毎日飲むのがめんどう、そもそも避妊に薬なんて、というあたりが上位を占めるようです。自立自存の欧米女性と、男性まかせの日本女性のちがいもありそう(一般論です)?
費用ですが、28日分が約3千円で、年に数回は肝臓などの血液検査代がかかります。
最後に、今一部で話題になっている緊急避妊(モーニングアフターピルともいう)についてお話しましょう。避妊をしないで性交した、コンドームが破れて漏れちゃったみたいなど、性交の後に避妊しようというものです。性交後72時間以内に女性ホルモン剤(低用量ピルより薬の量が多い)を飲み始め、計2回飲みますが、早いうちに始めたほうが良いようです。薬を飲まなければ妊娠したはずの人が、飲むことによって妊娠を回避できる確率は75%です。定期的にピルを飲んでいる場合にくらべて、落ちるのはまちがいありません。費用は医療施設によってまちまちですが、数千円くらいでしょう。
2003年10月10日(金) No.23 (浅井先生(産婦人科)のコラム)

水虫について


◆水虫はカビが原因
水虫は、白癬菌というカビの仲間がヒトの皮膚にくっつき、角質層に侵入すると起こる感染症です。白癬菌は、皮膚の角質層や爪、毛に多く含まれているケラチンというタンパク質を栄養源にして増殖します。
◆水虫の感染経路
水虫患者さんの鱗屑(皮膚の角質)や爪には白癬菌が存在し、それが他の人の皮膚に付着し角質層に侵入すると水虫になります。その時、皮膚に傷があると白癬菌は侵入しやすくなります。また、共同浴場のマットや共有されている履物などが感染源になることが多いようです。
◆水虫の4つのタイプ
水虫は部位や症状によって4タイプにわかれます。
?趾間型
最もよく見られるタイプ。足の趾間(指の間)、特に4番目と5番目の指の間が白くふやけて、皮がむけます。症状がひどくなるとむずがゆいことが多いです。
?小水疱型
5月初旬頃から梅雨時にかけて急に増えるタイプ。土踏まずや足の縁側に軽い赤みを伴う小さな水ぶくれが多発します。赤みが強くなるとかゆみを生じ、一週間程度で乾燥してボロボロと皮がむけてきます。
?角化型
まれにみられるタイプです。足の裏、特にかかとの部分の角質が厚くなり、表面がザラザラになって皮がむけてきます。冬にあかぎれやひび割れを作ることもあります。自覚症状はほとんどありません。
?爪水虫
水虫を治さず放置すると爪の中に白癬菌が入って、爪が白く濁ったり、厚くなったり、もろくぼろぼろと欠けたりもします。
見た目の悪さだけでなく、白癬菌の温床となり、水虫を繰り返す原因になります。
◆治療
足水虫はまず塗り薬で治療します。塗り薬にはクリーム剤、液剤、軟膏剤などがあります。剤型によって特徴が異なりますので、症状にあった剤型選びをしないと、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。
次の水虫の治療では飲み薬を使用します。
?爪水虫や硬くなったかかとのように塗り薬を塗っても薬が届きにくい場合。
?細菌感染を起こしたり、塗り薬にかぶれてしまって症状が悪化しそうな場合。
◆水虫が治るまでにかかる期間
水虫は一度かかると完治することなく繰り返す病気だとあきらめていませんか。確かに数日で完治させることはできませんし、再発しやすい病気です。しかし、医師の指示通り根気よく服用すれば水虫を治すことはできます。症状がなくなったからといって、自分の判断で薬をやめてしまうと水虫が完治せずに、再発することがあります。個人差がありますので一概には言えませんが、水虫が治るまでにかかる期間の目安は以下の通りです。

2003年10月10日(金) No.22 (国分先生(皮膚科)のコラム)

下痢は脱水に注意!


下痢は非常にありふれた症状で経験のない人はまずいないでしょう。
正常排便の時は飲食物、唾液、胃液、胆汁、膵液、腸液等が腸管内になんと約10リットル位流入し、大部分は小腸と大腸で吸収され、糞便には0.1リットル位しか水分は残りません。ですから、下痢は主に小腸、大腸が病気になった為吸収能力の低下で起こると考えられます。
下痢は急性下痢と2週間以上続く慢性下痢に分けられます。急性下痢はウイルスや細菌による感染性のもの、一部食中毒にみられる食物中の毒が原因のもの、アレルギー性のもの、暴飲暴食や冷えによるもの、神経性のもの、それに薬剤によっても起こります。それに対し慢性下痢では、感染や消化不良、ホルモン異常等で起こすほか、潰瘍性大腸炎やクローン病、まれには大腸ガン等の重大な病気が原因の事もあります。もちろん、薬剤でも起こします。

受診の目安ですが、急性下痢では、発熱を伴うか、血液が混ざっているか、強い腹痛があるか、嘔吐はしたか、一日に10回くらい下痢をするか等がポイントになります。二週間以上続く慢性下痢では体調があまり悪くなくても一度受診すべきでしょう。
下痢で最も重大な問題は脱水です。消耗状態、無気力な感じがしたり、全身汗ばんでぐったりしていたり、強い口渇があったり、水を飲んでも吐いたりしている状態は危険です。すぐに受診しましょう。
水を飲むと症状がひどくなると思っている人は案外多いものですが、これは間違いで脱水を防ぐ為に水分(なるべく温かいもの)を充分に取らなければなりません。そして、一日くらい絶食すると軽い下痢なら治る事が多いと思います。
空腹に耐えられなかったら、飴玉をなめるとよいでしょう。
2003年10月10日(金) No.21 (高橋先生(内科)のコラム)

第2話/尿は身体の異常を知らせる手紙


人類は大昔から、身体の異常が尿にあらわれることを知っていました。例えば有史以前の古代バビロニア人は、「密のように甘い尿」には蟻が集まってくる、このような尿をする人はカルブンケル(皮膚の化膿症)をもっていると記載しています。
これは現代では、糖尿病患者の尿であると考えられます。
ギリシャの医聖ヒポクラテス(紀元前377〜460)も、尿の観察や検査が疾病の診断や予後の判定に役立つと述べています。
「血尿の時は膀胱に潰瘍がある、尿に砂が混じっていると膀胱結石がある」「熱性疾患の場合黒色の尿が出ると予後が悪い」等々。

このヒポクラテスが述べた尿の診断は、現代医学からみても間違ってはいません。
中世期のヨーロッパでは、この尿が病気の重要な診断法として広く用いられていました。
医師はすべて「Matula」と呼ばれる透明のガラス容器に尿を採取し、これを明るい光にかざして尿の色・混濁・浮遊物・匂いなどを観察し、病気を診断したのです。今でも美術館や寺院には、この時代の医師の姿を描いた絵画や彫刻が数多く残されています。まさに現代の聴診器に相当する医師のシンボルがこの検尿瓶だったのです。
現代でも、尿は病気を診断する重要な手がかりには変わりありません。尿は、色・混濁・浮遊物・匂いなどの他に、その成分が科学的に分析されて、より正確な診断が行われています。例えば、尿の蛋白や糖などは皆さんもよく知っていると思います。これらは簡単に測れて、腎の病気や糖尿病の診断に大変役にたつものなのです。
有名な話しですが、フェニールケトン症の発見には、二人の精薄児の母親がこれらの子供の尿に特異な匂いがあることに気付いたのがきっかけとなったのです。
このように、尿は身体の異常を知らせる重要な信号なのです。まさに、尿は健康のバロメーターと言えましょう。
2003年10月10日(金) No.20 (古屋先生(泌尿器科)のコラム〜ドクトル・フルヤの知って得する泌尿器科講座〜)