タイトル

長引く症状


 今年の冬はインフルエンザが少し流行っていて、その症状の患者さんや簡易検査で陽性反応を示している方も多くなっている様です。
 今は、インフルエンザの場合ウイルスの増殖を抑えるいい薬があるので、飲み始めて数時間後には諸症状が良くなる薬もありますし、中には感染後1回のみ使用するだけでいい薬も出てきていて、昔ほど数日も高熱に耐えて床に伏せている人は少なくなりました。
 ただし、抗インフルエンザウイルス薬と呼ばれるこれらの薬は、原因を抑えこれ以上悪化させないためのものと考えてもらった方がいいと思います。なぜならこの薬には熱を下げたり、のどの痛み、頭痛、関節痛などを抑えたり、咳や鼻水を止めたりする作用はありません。
 インフルエンザだけには限らず風邪などの場合もそうですが、病気がある程度良くなっても、なんらかの症状が残る方がいらっしゃいます。


 通常、インフルエンザや風邪の場合、治療を始めてから4日〜10日程度で症状が改善して治っていく方がほとんどですが、中には1週間たっても鼻水が止まらないとか、2週間たっても咳が止まらないと言う方も稀にいらっしゃいます。
 そんな時は単純に「インフルエンザを台風として考えた時、台風が通り過ぎた後もその爪痕は残ります。鼻に爪痕が残った人は鼻水が、のどや気管支に爪痕が残った人は咳が残る事があり、細胞が正常に修復するまで少し時間がかかる事があると思って下さい。」と患者さんに説明します。(勝手な持論で申し訳ありませんが)
 そしてその症状が良くなり悪化させないためにも、かかりつけのお医者さんに行ってもう少しだけ、その症状の薬を出してもらった方がいいですよとお話します。
 人それぞれ体質に個人差がある様に、人によって薬の効き目も様々なので、処方された薬を3日から4日間位は飲んでみて、治りが悪い様であればそれもお医者さんに相談してみて下さい。
 咳などの症状を放っておいて、軽いぜんそく様症状になって治るまで、半年から1年以上かかったケースもあるので自己判断はしないのが賢明です。
2013年02月07日(木) No.583 (原口先生(薬剤師)のコラム)

前号のお詫びと訂正


 前号で予防接種と小児の死亡について毎日新聞からの報道についてお話しましたが、解釈違いによる間違いがございましたので、今回はそのお詫び申し上げ訂正を行いたいと思います。
 それは「広汎(こうはん)性..
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2012年12月28日(金) No.577 (原口先生(薬剤師)のコラム)

安全に予防接種を受けるには


 最近、日本脳炎の予防接種での小児の死亡について騒がれていました。実際には予防接種と死亡には因果関係がないとの結果が出ていましたが、その中の一例で予防接種薬との併用が禁じられている薬が処方され、接種の前日まで服用していた事が厚生労働省への取材でわかったと毎日新聞から報道されていました。
 それは広汎(こうはん)性発達障害による興奮を抑えるための2種類の薬が処方されていて、予防接種薬と一緒に使用すると不整脈により死亡する危険性があるとされているものでした。
 また、今回の場合その2種類の薬の他にも9月から夜尿症の薬も出ていて、これも前の薬との飲み合わせが悪く、併用する事によって脈が乱れて意識を失う事があり、死亡する危険性もあるとされている組み合わせだったそうです。


 お医者さんは、どうしても治療を優先する必要がある場合、飲み合わせが良くない薬を併用することが稀にありますが、その場合はお医者さんも慎重に患者さんの経過などを観察しながら処方されていますし、調剤薬局に飲み合わせの良くない薬の処方せんを持って来られたときには、薬剤師も間違いがないか再度お医者さんに確認のうえ投薬し、服用後の経過観察もしていきます。
 今回の場合は薬を処方しているかかりつけのお医者さんと予防接種した小児科医院が別々のところで、もしかすると飲んでいる薬の確認がすべて出来ていなかった可能性もあります。
 たまに「注射だから飲み薬とは一緒に使っても関係ないだろう。」とか「目薬だから飲み薬とは…。」と薬の情報を教えてくださらない患者さんもいるのですが、今回のケースを見てわかるとおり、因果関係はないとされても副作用の可能性と危険性は残っているのです。
 こんな事故を少しでも無くすためにも、1人1人がお薬手帳を(1冊のみにまとめて)作っておき、お医者さんにかかるときや薬局やドラッグストアーで薬をもらうときや買うときに、必ず提示して飲み合わせなどの安全を確認してもらってください。
2012年11月30日(金) No.572 (原口先生(薬剤師)のコラム)

薬以外の依存症!?


 今回は薬の話からは少しズレますが、同じ依存症として共通の部分もあるので紹介します。依存症と言えばニコチン依存症、ギャンブル依存症、パチンコ依存症、インターネット依存症、借金依存症、携帯電話依存症、恋愛依存症などの言葉も有名でよく聞きますね。
 依存症患者は、病的な心理的防衛機制である「否認」を多用するため、しばしば依存症は「否認の病」とも呼ばれているそうです。
 第一の否認としては、自分は大丈夫と思うところから始まります。「少し多めに買い物しても返せないほどの借金があるわけではない」「たばこを吸っても自分は今までガンになっていない」「マリファナは害が少ないからやっても大丈夫」など、依存による有害性を過小評価・否曲して自らの問題性を否認したり、「最近はパチンコに行く回数が減ったから大丈夫だね」などと、周囲の人が第一の否認をすることもあります。


 第二の否認は、やめさえすれば大丈夫から始まります。
 これは依存によって波及してしまった依存対象外の事を否認することで「酒さえやめれば、元通りいくらでも働ける」「クスリさえやめれば、俺も家族も問題ない」などの他、「パチンコさえしなければ、申し分なくいい人なのに」とこれも周囲の人が第二の否認をすることもあります。こちらの特徴としては周囲の人間関係やコミュニケーション、経済問題やその人の内面などに問題がある事を否認します。
 否認は依存を続ける言い訳としてなされる場合が多く、「世の中は面白くない事ばかりだ。(そのせいで依存し続ける)」「私はかわいそうな人なの(だから依存し続けても仕方ない)」「人間は誰だって死ぬんだ(だから依存し続けても同じだ)」「使っていれば落ち着くんだ(依存し続けるメリットがある)」「法律に違反している訳ではない(だから依存し続けてもよい)」などが続くうちは、改善は見込めないのかもしれません。
2012年11月01日(木) No.567 (原口先生(薬剤師)のコラム)

麻薬、ドラッグの甘い罠


 今回は麻薬、覚醒剤、ドラックの依存性などについてお話します。
 そもそも依存とは辞書で調べると「他に頼って存在、または生活すること」とあります。アルコール依存症などの言葉も良くご存じかと思います。
 一口に依存と言っても薬物依存の場合は「精神的依存」と「身体的依存」の大きく2つに分けられます。
 精神的依存とは最初の快感が忘れられず、欲求が強烈に突き上げて来て自制心が無くなり、薬物を繰り返し摂取する依存で、身体的依存とは薬物を止めることで体に我慢しきれないつらい禁断症状が生じ、つい楽になりたい欲求に負けて、繰り返し薬物を摂取する依存のタイプです。
 つまり中枢神経系に、興奮作用をもたらすか抑制作用をもたらすかの違いですが、どちらにしても恐ろしい依存を形成するこれらの薬物は、作用や依存性、耐性や類似性の違いから、さらに8つの型に分類されます。


①大麻型(中枢抑制作用)
マリファナ他
②覚醒剤型(中枢興奮作用)
メタンフェタミン他
③幻覚剤型(興奮作用)
LSD、MDMA他
④有機溶剤型(抑制作用)
シンナー、トルエン他
⑤モルヒネ型(抑制作用)
アヘン、モルヒネ、ヘロイン他
⑥バルビツール酸系催眠剤およびアルコール型(抑制作用)
バルビツール酸系催眠剤、アルコール他
⑦コカイン型(興奮作用)
コカイン
⑧カート型(興奮作用)
カート葉

 すべての依存性薬物はこの8つの中に分類されます。
先日、旭川で脱法ドラックを買うために息子さんが父親を刃物で刺して亡くなるという事件が起こりました。
 この依存性というものがどんなに怖いものかを、身近で感じられたと思います。皆さんは決して手を出さないようにしてください。
 次回は難しい話はちょっと一息おいて、恋愛依存症、ギャンブル依存症、携帯依存症などについてお話しする予定です。
2012年10月04日(木) No.562 (原口先生(薬剤師)のコラム)

危険なドラッグ!


 太古の昔から「心を変える毒(麻薬)」が作られてきた時代はありましたが、現代の様に植物から抽出したものから人工的に合成した覚せい剤まで、ありとあらゆる毒が作られている時代はありません。
 常習者本人の体や精神が朽ち果てるだけならまだしも、その作用によって生まれる妄想で殺人まで犯してしまうとなると、他人事では済まず社会的な大問題ともなります。
 これは「毒=ドラッグ」によって人格が壊れ、人そのものが「社会毒」になってしまうという恐ろしい現象の表れだと思います。


 麻薬や覚せい剤の利用が犯罪であることは皆さんも充分承知の事とは思いますが、もともと世間の常識をかえりみない好奇心旺盛の若者の若さゆえの犯罪に対する意識の低下、興味本位から試してみようとする心のすきなどを狙って忍び寄り、ドラッグや麻薬を売って儲けようとする暴力団関係者、不法滞在外国人などがいるために利用する人がいるのが現状です。
 警察がドラッグ密売人をいくら取り締まろうとも、闇の部分に隠れて撲滅するのは難しいですが、それでも毎年3万人近くは検挙されており、その7割は吸引者、売人を含めて覚せい剤関連で、またその4割は暴力団関係者です。しかも検挙者の半分がまた再犯者になっているそうです。
 こうした麻薬は「あへん法」「大麻取締法」「覚せい剤取締法」「毒物及び劇物取締法」「麻薬及び向精神薬取締法」の5つの法律で取り締まわれており、常習性の薬物が出回るたびに改正されてきましたが、新しい薬物が次々出てくるのは日本だけの問題ではなく、現在でも国際協力で対策が講じれられ厳しい戦いが続いています。
 次回は麻薬の依存などについてお話したいと思います。

 昔の網走刑務所と言えば、寒さや労働も厳しく、殺人事件などの重罪を犯した人が収監されているというイメージでしたが、数年前に見学させていただいた時の刑務所の説明パネルでは、建物も新しくなり、その当時より少し罪の軽い収監者が多く、麻薬覚せい剤関連の罪を犯した人の割合が多かった様な記憶があり、いつも横を通る時に思い出します。
2012年09月05日(水) No.557 (原口先生(薬剤師)のコラム)

いまなお多い、薬の副作用死!


 5月28日に毎日新聞に掲載された記事を見ると、風邪薬…皮膚疾患悪化、副作用死なお深刻、2年半で131人、国が注意喚起とありました。
 薬の副作用で起きる皮膚障害のうち症状の重いスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症の死亡者報告が、今年1月までの2年半で131人に上がった事が、厚生労働省のまとめでわかり、2009年にも約4年間で239人の死亡例があって、それよりは少なくなっていますが、いまだ注意が必要とのことでした。
 これらは唇や目の結膜など、また皮膚の広範囲に発疹などができ、重症化すると多臓器障害に進行し死にいたる事があります。


 この病気は発症の仕組みが不明で、原因とみられる薬の種類も解熱鎮痛剤、抗生物質、てんかんの薬、風邪薬などと200例を超えて幅広く、薬局やドラックストアーで処方せんなしでも買える一般医薬品の総合感冒薬でも54例あったとのことです。
 発生頻度が年間で100万人当たりの数人と極めて少ないので、皮膚科の先生でも診断が難しく、治療が遅れると重症化しやすいとのことでした。
 今回の製薬企業からの報告では、発症者が1505人で、このうちの約57%は回復、軽快しており、そのためには初期症状のうちに早めの治療が必要となりますので、厚労省安全対策課からも「疑ったらすぐ医療機関に受診してほしい。」とのことでした。
 「SJS患者会」代表で歯科医の湯浅さんは、91年に風邪薬を服用後に全身に発疹が広がり、一時寝たきり生活になりました。今は左目を失明し歯科は休業していて「誰もが使う医薬品で起こりうる。生活も急変し、ショックを受けた。」と話されていたそうです。
 ですから、薬局で薬剤師の説明を聞くことや薬の能書を見るのは面倒くさいと思いがちですが、そこに注意しなければならない初期症状の説明などがあるので、自分を守る為にもいつ出るかわからない副作用について、重症化する前にそれらを知っておく必要があるのではないでしょうか。それでも薬の説明や薬剤師は必要ないのでしょうか…。
2012年08月02日(木) No.552 (原口先生(薬剤師)のコラム)

医療のコスト!?


 去年、さいたま市で税金の使われ方について知ってもらうために調査したところ、救急車の出動1回あたりのコストが4万2千425円かかっていたそうです。それを「おれも税金を払ってるし、タダだし」と軽症でもタクシー代わりに使っている方が身近にもいる様です。


 そういう方のために本当に必要な人に救急車が間に合わず、命を落されたり、寝たきりになったりする人も少なからずいるのではないかと心配します。
 これは日本全国の問題であり、今後も続く様ならいずれ海外と同じ様に患者さんに実費を請求したり、1回5千円や1万円なりの一部負担を払ってもらう時期が来るかも知れません。
 もし救急車を呼ぶ前に余裕があるなら、かかりつけのお医者さんや救急病院に電話をして、詳しい症状を説明した上で指示を仰ぎ、それから119番に連絡出来れば一番いいかと思います。
 薬の使用についても、ある会社が同じく去年9月に薬局の利用情報調査を、一般消費者の方にインターネットを通じてアンケートを行った結果、ジェネリック医薬品への切り替えや、薬の値段に関する相談、受診へのアドバイスなど、薬剤師に処方薬を相談する人の8割強が「薬の専門家だから」という理由で、薬剤師に高い期待を持って下さっていることが示されました。
おそらくどこの薬局の薬剤師もそうだと思いますが、薬の飲み合わせの危険性はもちろん、同じ薬などがほかの病院の処方と重複していないか、ジェネリックを使う事によって効果は変わらず、少しでも患者さんの医療費負担を下げることは出来ないだろうかなど考えていると思います。
 その為にもお薬手帳などの情報がとても大切で、それらを参考にしながら、みなさんの病気の治療をすすめる事や、必要のない薬による医療費の上昇を抑える事も薬剤師の仕事の一部なのです。
2012年07月05日(木) No.547 (原口先生(薬剤師)のコラム)

スイッチOTC薬!?


 題名を聞いてスイッチって何?とおっしゃる方が多いかと思われます。これは薬の分類の名前で、まずOTC薬というのはOver The Counter薬と言ってカウンター越しに買える薬、つまり市販薬を表します。
 では、スイッチOTC薬は?という事ですが、これは今までお医者さんの処方せんがなければ使用できなかった指定医薬品(処方せん医薬品)の中から、使用実績があり比較的副作用の心配が少ないなどの要件を満たしたものを、薬局などで処方せんなしで購入できるように許可されたものを言います。
 実際にそれらのほとんどの薬は今でも、病院でお医者さんの処方によって使われているものが多く、1985年に解禁された水虫の塗り薬から始まり、良く知られているものでは肝斑(しみ)に使われるトラネキサム酸、H2ブロッカー(胃薬)ガスター10やアシノンZ、アバロンZや抗ヒスタミン薬(アレルギー治療剤)アレジオン10、アレギサール鼻炎、口唇ヘルペス治療剤のアラセナS、ヘルペシア軟膏、消炎鎮痛剤のイブプロフェン、ボルタレンAC、ロキソニンS、禁煙補助剤のニコチネルパッチなど、他にもたくさんありますが、病院でもらった薬と同じ名前で聞いた事があるものも多いかと思われます。


 では、病院に行かないで薬局で買えばいいのでは?という声が聞こえてきそうですが、単純にそうもいきません。OTC薬は、基本安全重視の為、同じ薬でも成分の用量が少なかったり、錠剤などの数も少ししか入っていません。そして何よりも健康保険が使えませんので全額自費負担になります。
 病院に受診した際の診察や検査、調剤の時間がかからず、利便性が高いからという理由で使う人も多いようですが、医学的知識のない方による医薬品の自己使用や連用は病状の悪化や副作用をもたらすこともあるので、スイッチOTC製品の使用は必ず薬剤師などに相談しなければならず、それらのほとんどが2009年からの改正薬事法で第1類医薬品に指定されました。これらは販売購入の際に薬剤師が文書などを用いて情報提供などの説明と確認をする事が義務となり、面倒臭いからと話を聞かない患者さんや質問に答えていただけない患者さんには販売できない事になったのです。
2012年06月01日(金) No.542 (原口先生(薬剤師)のコラム)

胃潰瘍と夏目漱石と胃腸薬


 文豪や作家に多そうな病気は?と言えば、胃腸障害!と答える方も少なくはないのではないでしょうか。悩んで悩み続けてすばらしい作品を生み出す作家にとってのストレスは、いかほどの事かと思われます。かの文豪、..
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2012年04月27日(金) No.537 (原口先生(薬剤師)のコラム)

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