タイトル

似て非なるもの(逆の作用)1


関節リウマチ(RA)治療薬であるMTX(メトトレキサート)は、葉酸(フォリアミン)の構造を2カ所変えただけの物質ですが、葉酸の核酸合成能を阻害するため葉酸代謝拮抗薬と呼ばれています。
 1947 年、アメリカン・サイアナミッド社レダリー研究所で合成されたアミノプテリンの誘導体からMTXが作られました。
 RAに対する有効性は、1988 年に米国で、1999年に日本で承認されました。その後2011年の公知申請承認を経て、日本では週8咾泙任箸気譴討た用量が2倍の16咾泙濃箸┐襪茲Δ砲覆蠅泙靴拭F瓜に葉酸(フォリアミン)を副作用回避のために、24〜48時間後に併用することがガイドラインに明記され、保険適用となりました。逆の作用で働く葉酸を正しく使えば、MTXで起こる肝障害、腎障害、口内炎など、副作用のうち軽度なものを抑制できます。
 葉酸とは水溶性ビタミンの1種です。ビタミンB群として今では8種類(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチン)が知られています。 かつて、ビタミンB群の発見を巡る競争があり、たくさんのビタミンBが提唱されましたが、今では前述の8種類に収まっていますが、葉酸もそうした競争の中で見いだされ、別名「ビタミンM」とか「ビタミンB9」とも呼ばれていました。メチル基(−CH3)やメチレン基(>CH2)ホルミル基(−CHO)など、炭素1原子を含む残基を生体内でやり取りするのが葉酸の機能の本質で、葉酸の働きにより炭素原子が移動し、核酸が合成され細胞分裂が起こるため、葉酸は生物の発生と成長のために不可欠な物質なのです。


 1930年代に、英国の医師、ルーシー・ウィルスらが、インドで酵母エキスに貧血を予防する物質が含まれていることを発見しました。1941年にホウレンソウからも同じ物質が分離されFolate(またはFolic Acid)と命名されました。この物質に「葉酸」という和名を付け、国内の臨床栄養の分野に広めたのは、先ごろ105歳で亡くなられた医師の日野原重明先生です。葉酸は、妊娠初期の胎児の脳や脊椎の先天性欠損のリスクを減らすための栄養素としても重要で、酵母やレバーのほか、濃緑色野菜、豆類、ナッツ類に多く含まれている物質です。
 次回はMTXなどについてお話します。
2018年01月31日(水) No.826 (原口先生(薬剤師)のコラム)

医薬分業のメリットについて


 今回は医薬分業のメリットついてお話します。
 まず、最初に院外処方のメリットとしてはどこの薬局で薬をもらってもいいというのが患者さんにとって便利なようです。
 病院で発行された院外処方箋は有効期..
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2017年12月27日(水) No.822 (原口先生(薬剤師)のコラム)

医薬分業のデメリットについて


 前回話したように、今回は紙面の都合上医薬分業のメリット、デメリットのデメリットとその理由についてお話します。まず、主なものを挙げるとこの3点になるかと思います。
〔局へ行くのが面倒。
 これは..
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2017年11月29日(水) No.818 (原口先生(薬剤師)のコラム)

海外と日本の医薬分業について


 ドイツの医薬分業の歴史は長く、医師には調剤権はなく薬剤師にのみ調剤権があります。医師は薬局を所有できず、共同経営者にもなれません。病院の薬剤部は院内処方のみに対応し外来患者の処方箋は全て院外に発行さ..
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2017年11月01日(水) No.814 (原口先生(薬剤師)のコラム)

医薬分業の始まりと 海外の現状について


 西暦1200年頃の西洋において国王などの権力者が、陰謀に加担する医師によって毒殺されることを恐れていました。これを防ぐために神聖ローマ帝国のフリードリヒ2世が、病気を診察するあるいは死亡診断書を書く者(医師)と、薬を厳しく管理する者(薬剤師)を分けたことに由来します。
 1240年には5ヵ条の法律(薬剤師大憲章)を定め、医師が薬局をもつことを禁じました。これが医薬分業と薬剤師制度のルーツとされています。それ以来現在に続くまでずっと、医師と薬剤師の役割を分け薬局と病院の経営を分けることで、不適切薬を排除、不正の防止、過剰投薬等を抑制、二重チェック等の実施で薬物治療が社会と個人にとってより有益になるように行ってきたのがこの医薬分業の仕組みだったのです。
 医薬分業制度により、欧州の薬剤師は医薬品の独占的な販売権や調剤権を国家から認められることと引き換えに、
●いつでも、どこでも必要な薬を安定的に国民に供給する責任。
●薬の副作用、相互作用、過剰投与などの危険から国民を保護。
●薬についての完全な把握。
●薬の厳格な管理。
●よりよい薬の研究、開発、製造。
●ニセ薬の排除。
●規格書(薬局方)の作成と開示。
●価格の不当な高騰の抑制。
などの役割を果たしてきました。
 現在もヨーロッパ、アメリカなどの先進諸国では一般的な制度として浸透しており、医師と薬剤師の業務は厳格に分けられていますが、時代とともに薬局の薬剤師に求められる仕事も移り変わりつつあります。


 薬物療法を通して人々の生活の質を上げることを使命とし歴史上の役割のほかに、
●地域の中の保健担当者として健康と生活を守る。
●健康に関する相談に乗り適切な医薬品提案によりセルフメディケーションに寄与する。
●一般用医薬品の選択を適切に支援する。
●薬物療法に関して薬剤師の立場で評価し監査を行う。
●薬物療法が適切に行われるよう情報を患者に伝える。
●薬物療法の管理を行う。
●在宅で療養する患者の薬学的ケアを担う。
などの役割を担っています。
 次回は欧米と日本の医薬分業の違いやなぜ厚労省が医薬分業を進めるのかを話す予定です。
2017年10月01日(日) No.810 (原口先生(薬剤師)のコラム)

秋の体調不良


 気温も下がって爽やかな行楽の季節である秋。「夏場よりも過ごしやすいはずなのになぜか体調を崩しやすい」と感じている方はおられませんか?お盆も過ぎると 朝晩の気温が下がり涼しさを感じるようになります。夏..
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2017年09月01日(金) No.806 (原口先生(薬剤師)のコラム)

帯状疱疹について


 今年は前回お話しした様に、寒い日が続いたかと思うと急な気温の上昇など気候の変化も激しく、そのせいか抵抗力や免疫の低下などで帯状疱疹になる方が多い気がします。
 帯状疱疹の話を患者さんしてみると、ほ..
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2017年08月02日(水) No.802 (原口先生(薬剤師)のコラム)

春の体調不良の解消法


 春の体調不良は天候や気温の変化、生活の変化によるストレスで起こりやすくなります。今年は特に気温の変化が激しく風邪はもちろんですが、免疫低下などでめまいや帯状疱疹などを含む体調不良を起こし病院を受診する人が多いように感じます。
 それではそれを予防するためにはどうしたら良いのでしょうか?
 規則正しい生活とバランスの良い食事、自律神経の興奮を抑えしっかり睡眠をとり、体を冷やさないようにすることが大切です。


食事は栄養のバランスのとれた3食を出来るだけ決まった時間にとることや基本的に昼間活動する動物である人間は朝起きてすぐカーテンを開けて日光にあたったり、軽いストレッチをすることで、体内時計が朝型に変わり自律神経が整いやすくなりストレス解消に効果があります。
 気温差の激しいこの季節は、炭酸水入浴などを週5回以上10〜20分程度することも効果的で、それにより副交感神経が活発化しリラックスすることでストレスの解消につながり自律神経が次第に整うとも言われています。また、生姜など体を温める食材を摂取したり、上着を一枚はおるだけでも体を温め血流も良くなって、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや、やる気ホルモンと呼ばれるドーパミンの分泌が活発化し、冷え症はもちろん風邪や免疫の低下、血圧の上昇など成人病の予防にもつながります。ゆっくりお腹で深く息をすること(腹式呼吸)でも副交感神経が優位になってストレス解消につながる他、これらによって寝付きも良くなり春バテの防止になります。しかし、せっかく入浴や食事法、呼吸法を行っても、その後パソコンを操作したり、布団に入ってからスマホをいじったり、メールをしたりしていると、それらの画面から出るブルーライトで交感神経が刺激され良質な睡眠の妨げになるので寝る前などのリラックスタイムには使用しないで下さい!
 また疲れたと感じる前からこれらを実践していた方が効果的です。
2017年07月05日(水) No.798 (原口先生(薬剤師)のコラム)

春バテ!?


 春は温かくなるとは言え、まだまだ寒い日もあり昼間と夜の気温差も激しく、身体がついていかなくなった経験はありませんか?
 春バテとはそんな春に起こる体の不調の事を指します。
 不調になる原因は色々ありますが、以下のようなことが考えられます。
○新入学や進級、就職や転勤など今までの生活が変化することの多い季節であること。
○春先は大陸からやってくる移動性高気圧の動きが複雑なため気圧の変動が激しくなるため。
○春は天気の移り変わりのサイクルが早く、昼間と夜の寒暖差が大きくなることが多いため。
○寒暖差で起こる身体の冷えや生活の変化に伴うストレスでホルモンバランスが崩れるため。


 天候や生活の変化に体が対応するのが精一杯という状態になり、体に不調が出てくる様です。症状としては、以下のようなことが挙げられます。「イライラする」「気分が落ち込む」「憂鬱な気持ちになる」という症状は、新しい生活に対する緊張や精神的ストレスで、自律神経が乱れてしまいます。また、「肩こり」や「めまい」「手足が冷える」「身体がだるく感じることが多い」という症状は、天候不順や激しい気圧の変化などから起こる身体の冷えや目まぐるしく変わる天気や気温の変化に自律神経が上手く対応できなくなり、身体がバテてしまうのが原因の一つとも考えられます。
 そしてこのような自律神経の乱れや冷えが長期間続くと最終的には「夜あまり寝られない」「寝つきが悪くなる」などの症状を引き起こし、そのせいで寝覚めが悪かったり昼間に眠くなったりして、睡眠のサイクルが狂ってしまいます。
 悪循環になり進行していくと、五月病やうつ病へと発展していってしまうので、そうなる前に対処したいですね。
 次回は春バテの解消法や対策などについてお話していく予定です。
2017年05月31日(水) No.794 (原口先生(薬剤師)のコラム)

薬の基本6


 今回はあらためてジェネリック(後発)医薬品や薬局のメリットについてお話します。
 皆さんもご存じだと思いますが、ジェネリック医薬品とは、先発医薬品の特許が切れた後に、別のメーカーから販売される先発..
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2017年04月26日(水) No.790 (原口先生(薬剤師)のコラム)

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