タイトル

“後発品は副作用が出るから嫌”という方の本音(前編)


 患者さんの中には、いまだに「ジェネリック(後発医薬品)は嫌だ」という方がわずかにいらっしゃいます。 今回は「ジェネリックが嫌」という言葉の裏にある心理について考えたいと思います。
 そもそもジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、新薬(先発医薬品)の再審査期間、物質(成分)特許期間満了後、新薬と効き目が同等であることを証明する様々な試験を実施し、 厚生労働省の認可を得て製造販売される、新薬と同じ有効成分を含む医薬品で、規定の試験により厚生労働省の認可を得て、その効果の同等性が認められているものを言います。
 ジェネリックの中の一部に「AG」という商品がありまして先発品と同一の原薬・添加物・製造方法によって作られているもので、中には同じメーカー同じ工場で印刷する文字だけ違う物もあります。これは先発から切り替えで副作用が生じる可能性はほぼあり得ません。
 先発品希望の方でもAGの説明を聞くと、「それならいいよ」と変更を承諾する人が多く「むしろそっちの方が値段も安いし、なおさらいいじゃん!」と言って下さる方が大変多くなってきました。


 逆に「(AGなので)まったく同じです」と言っても受け入れてもらえず、話をしようとした段階で会話をシャットアウト。取り付く島もない様子の患者さんの1人に理由を尋ねてみたところ「副作用が出たことがあるから」という答えが返ってきます。
 先発と同じ物なので「AGへの変更で副作用は出ません!」と言いたいのをぐっとこらえて詳細を伺いましたが、「ジェネリックのせい」の一点張りで、どんな副作用だったのか、変更した薬は何だったのか最後まで語られることはなく、憮然とした表情で会計を済ませて帰っていく方もわずかですがいらっしゃったという話を聞いたこともあります。
2019年05月29日(水) No.902 (原口先生(薬剤師)のコラム)

犬の薬について


 僕ら薬剤師は獣医さんの指示により動物の薬を調合することもあり、薬によっては動物専門のものがなく人間と同じ薬を使う事もあります。先日、患者さんから犬の点眼液について問い合わせがあり、今回はそのことにつ..
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2019年04月24日(水) No.897 (原口先生(薬剤師)のコラム)

牛乳アレルギーについて(後編)


 前回に引き続き牛乳アレルギーのお話をします。
 牛乳から精製される「乳糖」は二糖類で蛋白質は含んでいませんので基本的に心配する必要はありません。製造過程において乳清蛋白が混入する可能性はありますが、症状を誘発することはほとんどありません。実際、乳糖を含む内服薬はたくさんありますが、日本小児アレルギー学会の「食物アレルギー診療ガイドライン2016」では、経口薬については、投与を制限していません。また、食品に使用される量もわずかなため、ほとんどの牛乳アレルギー患児は除去する必要がないとされています。
 ただし、乳糖を含む注射薬や喘息治療用の吸入薬では、過去に乳糖による臨床アレルギーの誘発症状が確認された例が報告されていますので、心配な場合はお医者さんに相談して下さい。
 誤解されやすいのが、「乳酸菌」「乳酸カルシウム」などです。「乳酸菌」は菌の名称であり、「乳酸カルシウム」は化合物の名称で、いずれも加工食品などに含まれます。その名称から、乳製品との関連が疑われやすいのですが、牛乳とは関係ありません。
 一方、「全粉乳」「脱脂粉乳」「練乳」「乳酸菌飲料」「発酵乳」などの加工食品には牛乳が含まれるため、牛乳アレルギーの患者さんは食べられません。


 牛乳アレルギーの子どものカルシウム摂取量は、牛乳アレルギーではない子どもと比較して半分程度と報告されています。必要なカルシウムを乳製品以外で効率的に十分に取ることは難しい事です。 カルシウムの多い食品には、牛乳アレルギー用ミルク、小魚類や青菜類、海藻、大豆製品などがあります。手軽にカルシウムを取れるように、アレルギー用ミルクを牛乳の代わりに料理に使用する、煮干しをふりかけにするなど、毎日の食事を工夫して積極的に摂取する必要があり、ご家族の方は大変なご苦労をされているかと思います。
2019年03月27日(水) No.892 (原口先生(薬剤師)のコラム)

牛乳アレルギーについて(前編)


 乳幼児の食物アレルギーの原因として、鶏卵に続いて2番目に多いのが牛乳や乳製品で、ごく微量でもアナフィラキシーを誘発することもあり、学童期に入っても耐性を獲得しない子供も少なくありません。
 牛乳は特定原材料として加工食品のアレルギー表示が義務付けられていますが、名称上の「乳」という文字の有無だけでは、一概に食べられるかどうかを判断できません。牛乳アレルギーの原因物質を含んでいるかどうかを正しく見分ける必要があります。
 牛乳アレルギーの多くは、牛乳タンパク質の中の「カゼイン」が原因です。カゼインは耐熱性があり、沸騰させた程度の温度では構造がほとんど変化しないため、アレルギーの発症の可能性に変わりません。そのため、牛乳を使用して作られたお菓子やグラタンなどの料理も注意が必要です。
 また、牛乳を発酵させてもカゼインは分解されにくいため、ヨーグルトやチーズなどの加工食品でもアレルギーを誘発します。アスリート向けの食品の中には、「ホエイパウダー」や「カゼインナトリウム」など、カゼインを含んだものが売られています。こちらも「乳由来」などと表示されていて当然注意が必要です。


 加工食品などに利用される「乳化剤」は卵黄、大豆、牛脂などから作られていますが、最近では抗原性の強いカゼインナトリウムを含む乳化剤を使用した食品が発売される事もあるので、注意が必要です。
 一方、「全粉乳」「脱脂粉乳」「練乳」「乳酸菌飲料」「発酵乳」などの加工食品には牛乳が含まれるため、牛乳アレルギーの患者さんは食べられません。
 次回は乳がつくけど問題のないものなどを紹介します。
2019年02月27日(水) No.886 (原口先生(薬剤師)のコラム)

インフルエンザと異常行動 (後編)


 発熱に伴う異常言動や可逆性膨大部病変を伴う軽症脳炎・脳症(MERS)の家系例を対象に遺伝子解析を行った結果、MYRF遺伝子に同一の変異があることが突き止められインフルエンザなどの発熱に伴う異常言動に、遺伝子が関与している可能性が愛知医大の奥村彰久教授の研究グループにより少しずつ明らかになってきましたが、詳しくは分かっていません。 奥村教授いわく、異常行動は薬剤が原因と疑われ社会的に注目されていますが、薬剤を使っていない症例でも確認されており、他に原因があるだろうと指摘されてきました。発熱に伴う異常言動や可逆性膨大部病変を伴う軽症脳炎・脳症(MERS)を繰り返す家系に遭遇したことから、遺伝子的な背景があると考え研究しました。  きっかけは患児を診察し、家族歴を伺ったところ、母親や母親の同胞、さらには祖母と祖母の同胞にも、発熱に伴って異常言動を経験した症例が認められました。


 そこで、この家系に遺伝子解析を行ったところ、MYRF遺伝子で全ての症例に同一のミスセンス変異を認めたのです。このことから、発熱に伴う異常言動やMERSの原因遺伝子であるのではないかと考えたとの事でした。これまでのところMYRF遺伝子の機能は十分に解明されていません。おそらく通常の状態では、遺伝子変異があっても髄鞘は何とか維持されているが、発熱などの負荷がかかった時には耐えきれなくなって異常が出現するのではないかと推定されている様で、今回の研究は、米国神経学会誌にも掲載されました。
 しかし、解禁されたと言っても、異常行動が発現しなくなるという訳ではないので、これまで通り抗インフルエンザ薬の服用者だけでなく、服薬していない患者でも異常行動に注意していくことが重要です。
2019年01月30日(水) No.880 (原口先生(薬剤師)のコラム)

インフルエンザと異常行動 (前編)


 平成13年に発売されたタミフルは、インフルエンザによる発熱期間を短縮する効果が評価されて処方量が急増。それと時期を同じくして、タミフルを服用した子どもが自宅マンションから転落するなどの異常行動が相次いで、平成19年にはタミフルの添付文書の警告欄に「10歳以上の未成年の患者では、原則として使用を差し控えること」という注意書きが記載され、事実上10歳代患者にタミフルを処方できなくなっていました。


 しかし、ほどなくリレンザ(ザナミビル)などの他の抗インフルエンザ薬を使用した患者でも異常行動が出現することが判明し、「異常行動はタミフルの副作用ではなく、インフルエンザに罹患したこと自体で発現し得る症状なのではないか」という考えが主流になっていきました。実際、厚生労働科学特別研究事業「インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動に係る全国的な動向に関する研究」の調査報告書でも、平成21年以降の報告では、「抗インフルエンザウイルス薬の種類、使用の有無と異常行動については、特定の関係に限られるものではない」と記載され続けてきました。
 愛知医大の奥村彰久教授のグループによる研究などにより、平成30年5月に10歳代の患者への使用が原則禁止されていたタミフルが、約10年ぶりに処方可能になる方針が厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会で決定され、現在は処方できるようになりました。
 しかし、解禁されたと言っても、今後はタミフルを投与した10歳代の患者に異常行動が発現しなくなるという訳ではないので、これまで通り抗インフルエンザ薬の服用者だけでなく、服薬していない患者でも異常行動に注意していくことが必要です。特に小学生から中学生の男児に異常行動が発現しやすいので、注意が必要だと思います。
2018年12月26日(水) No.874 (原口先生(薬剤師)のコラム)

インスリンで殺害!?


 先日、甘酒にインスリンを混ぜて糖尿病を患う父親を殺害したというニュースがありました。実際は一部の記者さんが間違って書かれたものもあり、何も知らない方は誤解をされたかと思います。インスリンを混ぜた甘酒..
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2018年11月28日(水) No.862 (原口先生(薬剤師)のコラム)

パッチ・アダムス


 パッチ・アダムスとは1945年ワシントンDCで生まれた本名ハンター・キャンベル・アダムスと言うアメリカの医師で1998年にロビン・ウイリアムス(2014年63歳没)が主演で公開された映画パッチ・アダムス ..
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2018年10月31日(水) No.863 (原口先生(薬剤師)のコラム)

脱水、熱中症、熱射病の対処法


 この度は北海道胆振東部地震の被害に遭われ未だに不安や不便な生活が続き、まだまだ大変な日々をお過ごしの方もおられるかと思われます。心よりお見舞い申し上げます。
 もう、涼しくなって脱水の心配はそれほ..
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2018年09月26日(水) No.857 (原口先生(薬剤師)のコラム)

脱水、熱中症、熱射病


 まだまだ、暑い日が続いていると思いますが皆さんいかがお過ごしですか?今年は北海道でも例年になく異常な高温で熱中症などの患者さんも多かった事と思います。
 今回はそれに伴う脱水、熱中症、熱射病などに..
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2018年08月29日(水) No.852 (原口先生(薬剤師)のコラム)

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