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乳児3、4か月健診


 乳児健診は、赤ちゃんの発育状態を確認すると同時に、お母さんの育児に対する不安を解消する大切な役割があります。法律によって義務付けられている健診は、1歳半と3歳健診の2回です。その他多くの市町村で3か月健診(北見市は9か月)が行われ、公的な健診は3回となっています。これらの健診はほぼ100%に近い受診率となっています。


 各健診のキーポイントについて述べてゆきましょう。
【3、4か月健診】
人の顔や声に反応し始め、体重は出生時の約2倍になり、著しい成長を見せる時期です。
 満期産では、4か月では体重はおおむね6圓魃曚┐討い泙后1浜槓法は母乳のみが40%、混合栄養、人工栄養がそれぞれ30%程度です。
 1日の覚醒、睡眠のリズムは多くの児でできてきていますが、半数くらいの児ではまだ夜間、夜中の授乳があります。
 4か月では、約90%の児でほぼ首がすわり、腹ばいで頭部を挙上します。
 当院で行っている健診の流れは、まず身体計測(体重、身長、胸囲、頭囲、カウプ指数の計算)の後、股関節のレントゲン撮影があります。医師の診察(心音、呼吸音の聴診、追視の有無、大泉門の状態、股関節の開排制限の有無、首のすわりのチェックなど)、気になっている点について質問を受け、生後2か月から開始されている予防接種の状況、スケジュールなどについてお話ししてゆきます。
 最後に、そろそろ始まる離乳食などについて栄養士さんからアドバイスがあります。
【3、4か月健診のキーポイント】
■体重は、出生児の約2倍(少なくとも5坩幣紂法■影約20〜30g増加
■首がすわる
■目で動くものを追う(追視)
■あやすと笑う
■手を開く、つかむ(手にふれた物をつかまなかったり、持たせた物をすぐ放すことはしない)
■声のほうに振り向く
2017年11月29日(水) No.819 (秋山先生(小児科)のコラム)

小児の受動喫煙 その タバコと微小粒子物質(PM2.5)


●北見市でも測定
 2013年春に中国の大気汚染が深刻となり、大量のPM2.5がわが国にも飛来して問題になりました。PM2.5は直径が2.5㎛以下の小さな粒子です。肺の奥深くまで侵入しやすいため、呼吸器疾患の原因になるだけでなく、肺胞に炎症を起こして循環器疾患のリスクを増大させることも指摘されています。
 日本の環境基準では、大気1㎥中のPM2.5濃度は「1年間の平均値が15㎍以下で、かつ1日の平均値が35㎍以下」と定められていますが、この度の中国での大気汚染を受けて、急きょ70㎍/㎥を「外出自粛基準」としました。すなわち「PM2.5が70をこえたら不要な外出や屋外での活動を控えましょう」との注意喚起を行っています。
 大気汚染が深刻な北京では、時にPM2.5が400を超えて大きな問題になります。日本への影響が懸念され、全国でPM2.5濃度の測定が始まりました。北見市でも平成28年4月から常盤町にて測定が行われています。幸い、これまで基準値を超えたことはありません。
タバコとPM2.5
 わが国では中国から飛来するPM2.5よりも、屋内のPM2.5汚染の方が深刻であること、さらにその原因がタバコである、という事実はあまり知られていません。
 タバコの煙には大量のPM2.5が含まれているため、部屋の中でタバコを吸えばただちに数百㎍/㎥レベルに達し、自動車の中で吸えば軽く1000㎍/㎥を超えます。わが国では自宅の中だけでなく多くの飲食店なども禁煙になっていないため、非常に高濃度のPM2.5汚染が屋内の至る所で喫煙によってもたらされているのが現状です


 子どもがこのように高いPM2.5濃度の環境に置かれることはまれです。しかしとくに家庭内で常時タバコの煙にさらされている場合、多くの影響を受ける危険があります。
 家庭内では完全禁煙を、分煙もダメです。
2017年11月01日(水) No.815 (秋山先生(小児科)のコラム)

小児の受動喫煙 その◆ー動喫煙と子どもの病気


 子どもたちが受ける健康被害について、十分なエビデンスに基づいて受動喫煙との関連が証明されている疾患として、乳幼児突然死症候群、気管支喘息、呼吸器感染症、中耳炎があげられます。
●乳幼児突然死症候群(SIDS)
 SIDSは近年徐々に減ってきていますが、今でも年間150人前後の赤ちゃんが亡くなっており、妊娠中の母親の喫煙と出産後の乳児の受動喫煙が重大なリスクファクターとなっています。わが国の調査では、両親がともに喫煙していると、リスクが4.7倍に増大すると指摘しています。英国の報告によると、妊婦の受動喫煙で3.9倍、乳幼児の受動喫煙で3.5〜15.8倍にリスクが増悪すると
しています。


●気管支喘息
 受動喫煙によって、子どもの気管支粘膜の絨毛が傷つくことで炎症が起こりやすくなり、気道の過敏性も亢進します。それにより、気管支喘息、気管支炎、肺炎などの呼吸器疾患にかかりやすくなるだけでなく、重症化しやすくなることが知られています。気管支喘息の発症オッズ比は、父親のみが喫煙している場合は1.07、母親のみで1.33、両親とも喫煙している場合は1.42と報告されています。
●中耳炎
 子どもの中耳炎についても、受動喫煙によってリスクが1.5倍に増大することが明らかになっています。受動喫煙によって咽頭に入ったタバコの煙が耳管を通って中耳まで侵入し、耳管内部の繊毛が障害されることや、中耳内部の局所免疫が低下することが主な原因とされています。
 これら以外に、現在、受動喫煙との関連が強く疑われている疾患として、小児がん、動脈硬化、血清脂質異常、虫歯、精神発達障害などがあります。
●知能、精神発達障害
 子どもの受動喫煙は、知能の発達に悪影響を及ぼすとの報告もあります。米国で小中学生4、000人余りに読解力や計算能力テストを実施した調査によると、家庭での受動喫煙の程度が強い生徒ほど試験点数が低かったとしています。(図)さらに最近、受動喫煙が子どもの精神障害のリスクを高めるとの報告もあり、うつ病、不安障害、注意欠如多動性障害(ADHD)などとの関連が指摘されています。
2017年10月01日(日) No.811 (秋山先生(小児科)のコラム)

小児の受動喫煙 その


 タバコの煙には一酸化炭素、ニコチン、シアン化水素、多数のフリーラジカルなど、250種類もの有害物質が含まれており、そのうちの70種類に発がん性が認められています。そのため受動喫煙でも健康に大きな害があ..
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2017年09月01日(金) No.807 (秋山先生(小児科)のコラム)

小児の細菌性腸炎「血便」 その


▲ンピロバクター腸炎
 あまり聞いたことがないかもしれませんが、食中毒では、サルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌についで発生頻度が高く、近年増加傾向にあります。カンピロバクターは、ニワトリ、牛..
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2017年08月02日(水) No.803 (秋山先生(小児科)のコラム)

小児の細菌性腸炎(血便) その


 小児の胃腸炎の7〜8割は、ロタ、ノロ、アデノなどのウイルスによるとされています。その他、食べ過ぎ、冷えなどが原因となりますが、最近は細菌による胃腸炎は、非常に少なくなっています。しかし細菌性腸炎の中には急激な経過をとり、重症となるものもあり注意する必要があります。細菌性下痢は夏場に多く、血便を伴うこともよくあります。今回は、小児の細菌性腸炎で血便(粘血便)をきたす代表的な3つの疾患についてです。
…牡表亰貔大腸炎
 大腸菌の中に急性の胃腸炎を起こすものがあり、特にベロ毒素を産生する大腸菌(O157、O26など)は、出血性の腸炎を起こす毒素の強い細菌です。腸管出血性大腸菌は、もともと牛などの家畜や動物の腸管内に棲む菌です。家畜の解体作業時に腸管内の菌が食肉を汚染、家畜の糞便が野菜などを汚染、汚染された食肉が調理の際にほかの食材を汚染するなどして、経口的に感染します。また感染者の便中に排泄された菌が、手指を介して、あるいは食品や物品を介して経口的に周囲の人に感染します。
 潜伏期間は平均3〜5日(2〜14日)、感染者の半数が無症状あるいは軽度の下痢のみでおさまりますが、他は頻回の水様下痢、腹痛、血便を呈するいわゆる出血性大腸炎となります。
 さらにこの中の10〜30%が重症の合併症を起こします。とくに合併症として要注意なのが溶血性尿毒症症候群(HUS)です。HUSは、溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全がおもな微候で、発症後5〜7日ごろ発症します。元気がない、顔色が悪い、尿量が少ない、傾眠傾向などがHUSを疑わせる症状で、意識障害、痙攣、昏睡に陥ることもあります。HUSを発症した児の12%が死亡ないし末期腎不全におちいり、25%が持続性の腎障害をきたしたという報告があります。また脳症などの合併症もあります。これらの重篤な合併症は、発症後2週間を過ぎれば、危険はなくなったと考えてよいでしょう。
発生状況(表)


治療…HUSのサインに十分配慮し、疑わしい場合は入院加療となります。止痢剤は毒素の排泄を送らせるので使用しません。抗生剤の使用は医師の判断で。
2017年07月05日(水) No.799 (秋山先生(小児科)のコラム)

ワクチンギャップの解消と今後の展望


 本邦では近年、ヒブ、肺炎球菌、水痘、B型肝炎ワクチンと定期接種化が進み、残りはおたふくかぜとロタウイルスワクチンとなっています。この2つも定期接種への動きが加速しているようです。
,たふくかぜワ..
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2017年05月31日(水) No.795 (秋山先生(小児科)のコラム)

ワクチンギャップの解消


 以前から欧米と比較して、日本の小児におけるワクチン行政は20年の遅れがあると言われていました。しかしこの数年でいろいろなワクチンの定期接種化が進み、日本と欧米とのワクチンギャップはだいぶ解消されてきています。


 現在の公的ワクチン実施状況を表に示します。今後、日本でもおたふくかぜとロタウイルスワクチンの定期接種がいつ頃実現するのか、また他のワクチンについて、残された課題、今後の展望などについて、次回説明していきます。
2017年04月26日(水) No.791 (秋山先生(小児科)のコラム)

乳児期の貧血


 「正常に生まれ、その後体重も順調に増え、運動発達も問題ありません。しかし9ヶ月の検診で、顔色が悪いことを指摘され採血したところ、鉄欠乏性貧血と言われました。母乳栄養が原因なのでしょうか?」このような..
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2017年03月30日(木) No.787 (秋山先生(小児科)のコラム)

でべそ


 生れたときは気づかなかったのですが、泣いた時などにおへそがポコッと盛り上がっているのに気づき、心配されることがあります。これは「でべそ」、正式には臍ヘルニアといいます。でべそはそれほど珍しいものでは..
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2017年03月01日(水) No.783 (秋山先生(小児科)のコラム)

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