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病児保育 その


 秋山こどもクリニックは、4月から医療併設型の病児保育を始める予定です。私達がこれから行おうとしている病児保育について2回にわたって紹介します。 まず、病児保育室がどのようなところか、不安に思われるお..
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2019年01月30日(水) No.881 (秋山先生(小児科)のコラム)

小児とピロリ菌 その  ピロリ菌検診


 近年、北海道、長野県などを中心に中学生を対象にしたピロリ菌検診を実施する市町村が増えてきています。すでに道内30か所以上の市町村で行われています。北見市の近郊では、美幌町がH26年から、網走市でもH28年から実施されています。その結果を紹介しましょう。美幌町のH26年度の検診は1次、2次検診で尿中抗体検査、尿素呼気試験を行っていますが、H28年は1次検診で尿中抗体検査のみ、2次検診で便中抗原検査、尿素呼気試験を実施しています。全国的には1次で尿、2次で尿と呼気試験という組み合わせが多いようです。結果を表に示します。


美幌町、網走市とも中学生のピロリ菌感染率は3〜5%台で全国の結果と差はありませんでした。検診はすべて無料ですが、除菌は美幌町は無料、網走市は自費となっています。美幌町、網走市とともに今後も引き続き毎年中学2年生を対象にピロリ菌検診を行ってゆく予定です。ピロリ菌検診は、胃がんのリスクを減らす画期的な試みと評価されており、今後さらに多くの自治体で行われてゆくものと思われます。
2018年12月26日(水) No.875 (秋山先生(小児科)のコラム)

小児とピロリ菌(その 


 胃がんの原因となるピロリ菌を取り除く「除菌」の保険適応が2015年、慢性胃炎にも拡大され、検査や除菌を受ける人が増えています。
 「ピロリ菌が陽性で除菌のため薬を飲みました。子どもに感染していない..
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2018年11月28日(水) No.869 (秋山先生(小児科)のコラム)

乳児用液体ミルク(その◆


●液体ミルクの利点
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濃度が正確
1年間常温で保存
て嘴と哺乳瓶を洗浄、消毒する必要がない
「粉をお湯で溶かして冷やす」必要がない液体ミルクは、次のような様々な場面で役立ちそうです。


【1】育児負担を軽減(母親の体調不良時、夜中の授乳など)
【2】旅行、外出時に便利
【3】預けるときに安心
【4】災害時のために…災害時、液体ミルクは赤ちゃんの命を救います。
【5】海外からの旅行者のためにも
●心配なこと
【1】保存期間が短い
粉ミルクの保存期間は、缶を開封した場合1か月、それに比べて液体ミルクは開封後は冷蔵保存して48時間と短くなります。未開封であれば常温で1年間大丈夫ですが。
【2】価格
粉ミルクと比較して割高です。海外では1本100〜150円で売られていますが、粉ミルクの大体4倍くらいになります。海外製品が日本で販売された場合どれくらいの値段になるのか未定です。さて国内品の価格は?
【3】色が褐色っぽくなることがありますが、成分に問題はなく、味も変わりません。
●海外製品の市販に半年、国内品の流通に2年
液体ミルクは、すぐにそのまま使用できるのでとくに外出時、災害時などの利用に適しています。日本でも粉ミルク、液体ミルクどちらも使用する側の希望に応じて選択できるよう1日も早く利用できるようになることが望まれます。
 今回の法律の改正によって、国内メーカーの製造が可能になりました。しかし、日本乳業協会によると、製造ラインの整備、品質検査などのため、市販には今後2年くらいの時間がかかりそうです。また海外で既に売られている液体ミルクが、国内のドラッグストアーやスーパーの店頭に並ぶようになるのに、半年くらいかかるものと予測しています。
2018年10月31日(水) No.864 (秋山先生(小児科)のコラム)

乳児用液体ミルク(その 


 今、話題の「乳児用液体ミルク」を知っていますか?
 液体ミルクとは、ボトルや紙パックに液体状でミルクが入っているものです。無菌状態で常温で保存されているので粉ミルクのように湯で溶かし冷やす必要がなく、そのまま飲ますことができます。欧米では粉ミルクと同様に市販されていますが、これまで日本では販売されていませんでした(個人輸入は可)。
 最近とくに注目されるようになったきっかけは、2011年の東日本大震災です。
 当時、被災地で緊急避難してきた母親と子どもを収容する避難所では、乳児の栄養を確保する上で大きな課題が生じました。母乳による哺乳を続けることが困難な乳児、あるいはミルクで哺育中の乳児には、乳児用ミルクを緊急に確保することが最大の使命となったのです。しかし粉ミルクから乳児に投与可能なミルクを調整するには、湯を沸かす熱源、水、乳嘴(乳首)と哺乳瓶が最低限必要です。そのため、多くの避難所ではミルクを用意することができず、避難所の棚には多数の粉ミルクの缶が使用できないまま並べてある状況でした。とくに熱源の確保が最大の問題だったようです。一方、液体ミルクは容器自体が哺乳瓶の役割を果たし、乳嘴も付いています。このように乳児にそのまま使用可能な液体ミルクは、大規模災害時における乳児栄養の緊急確保に備え、常時備蓄しておくべき物品の一つとして脚光を浴びました。
●なぜ今まで日本で液体ミルクが普及していないのか?


 その理由は、厚労省の省令で、母乳代替食品は粉ミルク(調整粉乳)しか認めていないからです。省令では、粉ミルクの成分規格として「水分5%以下」と規定されています。したがって日本の乳業メーカーが液体ミルクを製造して販売することは不可能でした。
●液体ミルクの国内製造可能に
 さらに2016年の熊本地震を経て、大規模災害時の乳児栄養として液体ミルクを緊急に使用できるよう、あらかじめ体制を整備しておく必要性が強調されることになりました。事実、これまでに小児科学会をはじめとした関連学術団体や、母親を中心とした消費者団体が、緊急時に備えた液体ミルクの備蓄と利用について複数回にわたり、政府に要望をしてきました。これらの動きに答える形で、厚労省は2018年8月8日、乳児用液体ミルクの国内での製造、販売を可能にする規格基準を定めた改正省令を交付しました。これにより、今後は国内メーカーが商品化できるようになり、すでに国内粉ミルクメーカーなどが製造に乗り出す見通しとなっています。
2018年09月26日(水) No.858 (秋山先生(小児科)のコラム)

新生児聴覚スクリーニング検査


 生まれて間もない時期に、耳の聞こえの程度を推測することができる装置が開発され、分娩施設でスクリーニングが行われるようになりました。これは「ささやき声」程度の音を左右の耳にきかせて反応をみるもので、赤ちゃんが寝ている間に行われ10分程度で終了し、痛みは一切ありません。
 この装置を使った新生児聴覚スクリーニングで難聴が疑われ、精密聴力検査施設を受診する赤ちゃんは、1年間に約4、000人います。このうち約1、000人(国内出生数の約0.1%)に両耳難聴が発見されます。またほぼ同数の赤ちゃんが片耳難聴と診断されます。両耳難聴のお子さんでは、早く発見して補聴器を装用し、早く聞く力や話す力をつける練習(早期療育、教育)ができると、それだけお話しする力やコミュニケーション能力を高くすることができます。難聴という言葉に敏感な方もいます。新生児聴覚スクリーニング検査は、「きこえの検査」「お耳の検査」と言い換えても良いでしょう。先天性難聴の頻度は1、000人に1〜2人と決して少なくはありません。子どもの将来の健やかな言葉の発達のための第一歩として心配のない安全な「お耳の検査」を受けることをお勧めします。


 スクリーニングから精密検査までの全体の流れを下図に示します。
■実施率と公費負担
 日本産婦人科医会の調査(2016年の実施状況)で、全国の新生児聴覚スクリーニング検査は、94.3%の分娩施設で検査可能であり、全出生児の87.6%に実施されていました(道内では各81%、73%)。ちなみに北見市(H29年の出生数760人)では、母子手帳の記載からですが711人の中、683人(88.3%)がスクリーニング検査を受けていました。結果は両耳難聴1人、片耳難聴1人となっています。
 同検査は、任意で保険適応されておらず、分娩施設によって費用が異なるのが現状です。(平均5千円くらい)。費用負担により、検査を受けない場合も少なからずあります。厚労省は「全ての新生児を対象として検査を実施することが重要」とし、道も市町村に公費負担に積極的に取り組むよう求めています。昨年9月には道内の8市町村だったものが今年4月からは30市町村が新たに公費負担を始めました始めました。北見市においても早期に公費による検査が実施できるよう望まれます。
2018年08月29日(水) No.853 (秋山先生(小児科)のコラム)

おたふくかぜワクチンによるムンプス難聴の予防


 おたふくかぜ(ムンプス)に対するワクチンは、1989年にMMR(はしか、風疹、おたふくかぜ)ワクチンとして定期接種化されましたが、1993年にはワクチンの副反応である無菌性髄膜炎の発生率が高いとされ、実施が中止されました。以降、おたふくかぜ単独ワクチンで使用されていますが、任意接種であるため現在の接種率は30〜40%と推測されています。この低い接種率では、今後もムンプスウイルスは常在し、時に大規模に流行することが容易に予測されます。
 ムンプス難聴の発生頻度は、
1、000人に1人程度とされていますので、およそ1年に50〜200万人の人がムンプスにかかり、毎年1、000人近いムンプス難聴が出ていることになります。おたふくかぜに対する根本的な治療はありません。合併症であるムンプス難聴を避ける唯一の手段は、ワクチンだけです。ワクチンを1回だけでも接種しておけば、もし仮におたふくかぜにかかったとしても軽症で経過し、怖い合併症を起こすことはありません。おたふくかぜワクチンの効果について表に示します。
 現在、日本は先進国で唯一ムンプスワクチンが定期接種化されていない国であるため、予防接種率が30〜40%と低迷しており、これがおたふくかぜ流行の原因になっています。自然罹患による高いムンプス難聴率の事実と、ムンプス難聴がワクチンにより予防できる後遺症であることがあまり知られていないことも予防接種率が低迷している原因の一つでしょう。


 海外で採用されているムンプスワクチン(Jery-Lynn株)は効果の持続性などが最近問題となっており、またMMRワクチンとして発熱率が高いことも知られています。このワクチンを日本で採用するのではなく、現在、日本独自のMMRワクチンの開発が進められています。近い将来、このワクチンでの定期接種化が実現するものと思われますが、それを待つのではなく、まだおたふくかぜにかかっていない人は大人を含めワクチンの接種をすることをお勧めします。
2018年08月04日(土) No.846 (秋山先生(小児科)のコラム)

おたふくかぜ(ムンプス)による難聴


 ムンプスは、無菌性髄膜炎などの多様な合併症を呈する疾患ですが、中でも難聴は最も怖い合併症です。ムンプス難聴はムンプスウイルスにより、内耳の有毛細胞などの音を感知する器官が破壊されてしまうことで起こる感音性難聴です。急速に進行して回復できない病変を残します。今のところ根本的な治療はありません。難聴の程度は高度で、聾(ろう)と呼ばれる全く音を感知できないほどの重症の場合がほとんどです。片側のことが多く診断が遅れたりするため、正確な頻度を調べることが難しく、比較的まれなものと考えられていました。しかし最近の報告では、ムンプス罹患者1000人に1人くらいの割合でムンプス難聴が発症しているとされています。


 この度、日本耳鼻咽喉科学会による初のムンプス難聴に関する全国調査(全国の耳鼻咽喉科施設5565中、回答があった3536施設)が行われました。2015〜2016年の2年間で、少なくとも348人がムンプスによる難聴と診断されました。発症年齢と人数を図1に示します。学童期に最も多く、次いで子育て世代に多く見られました。このうち最終的に一側難聴と診断された287人の聴力を検討すると、ほとんど音を感知する事ができない重度難聴が236人、高度難聴が25人に上り、約9割が重度ないし高度難聴でした(図2)。また両側難聴と診断された16人中13人も重度または高度難聴であり、7人は人工内耳植え込み術を受け、6人は補聴器を装着していました。
 今回の調査は、小児科を含まず耳鼻咽喉科のみを対象としているため、実際のムンプスによる難聴者はさらに多いことも推測されています。ムンプス難聴の怖さを認識していただき、ワクチンによる予防の重要性、さらにワクチンの早期の定期接種化が望まれます。
2018年06月28日(木) No.849 (秋山先生(小児科)のコラム)

5歳児健診 (年中さん健康相談)


 5歳児健診は、最近実施する自治体が増えてきていますが、札幌市や北見市では平成26年度から実施しています。
 その背景には、これまで3歳児健診を受けてから就学時健診まで子どもによっては3年以上健診を受..
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2018年06月04日(月) No.842 (秋山先生(小児科)のコラム)

3歳児健診


 3歳児健診は、母子保健法により満3歳〜4歳未満に行うように決められています。北見市は3歳で実施していますが、視聴覚検査の精度や、小学校入学前の就学時健診までの間隔が空くことから、全国的には3歳6か月..
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2018年04月25日(水) No.839 (秋山先生(小児科)のコラム)

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