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女性と漢方(142)〜漢方薬解説(2)五苓散(ゴレイサン)〜


 今回は、幾度か取り上げたことのある『五苓散(ゴレイサン)』についてお話します。『五苓散』は「沢瀉(タクシャ)・猪苓(チョレイ)・茯苓(ブクリョウ)・白朮(ビャクジュツ)・桂枝(ケイシ)」の5つの生薬..
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2016年06月30日(木) No.752 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(141)〜いわゆる虚弱児と漢方薬〜


 今回は女性に限ったお話ではありませんが、お子さんをもつ母親に関連した内容です。「虚弱児」とは、医学上の明確な定義はなく、多くは体調不良などの理由で学校を休みがちな児童・生徒に対して使われてきた言葉です。病気にかかりやすく治りにくい、発熱・頭痛・腹痛などの症状をしばしば訴える、疲れやすく回復が遅い、神経質、無気力、発育不良などがみられる児童を身体虚弱児としてきました。


 漢方医学では身体を養う働きを「気・血・水」に分けてとらえますが、このうちの「気」(目にはみえない生命エネルギーのようなもの)が何らかの理由で減少した状態(「気虚」といいます)になるとウイルス感染やストレスなどの攻撃を受けやすくなり、風邪をひきやすくなったり、疲れやすくなったりします。「気」の供給は、出生前に親から受け継いだ生命力としての「先天の気」と、出生後に食事や呼吸によって外から取り込む「後天の気」に大きく分けられます。
 出世後早期から成長障害がみられるなど、先天的に虚弱な状態が考えられる場合には『六味丸(ロクミガン)』などを使用しますが、胃腸虚弱による吸収障害などが考えられる場合には、胃腸の働きを補う『小建中湯(ショウケンチュウトウ)』は第一選択としてよく用いられます。一方、胃腸虚弱などはなく、咽頭炎・中耳炎などを繰り返したり、扁桃腺やリンパ節の腫脹を繰り返したりする子どもには、『柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)』をはじめとする「柴胡剤(柴胡という生薬が配合された漢方薬)」がよく用いられます。
小児は、成人と比べて体内水分量が比較的多いため、時に「水」のバランス異常による症状(「水毒」といいます)として、乗り物酔い・めまい・ふらつき(特に天候不良時に悪化しやすい)などが起こりやすいです。この場合には、「水毒」を改善する生薬が配合された『五苓散(ゴレイサン)』『苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)』『半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)』などの漢方薬を使用します。
 入園や入学してから少し経ちましたが、お子さんがこのような症状で該当してお悩みの場合は、漢方薬も一つの治療の選択肢として考慮されてもよろしいかと思います。
2016年06月02日(木) No.748 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(140)〜鼻炎に小青竜湯プラス〜


 『小青竜湯(ショウセイリュウトウ)』は花粉症などのアレルギー性鼻炎や鼻かぜに多用される漢方薬で有名ですが、鼻の症状でも鼻づまりよりは鼻汁がひどく、特に透明でサラサラとした鼻汁でくしゃみを伴う場合に有..
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2016年04月28日(木) No.744 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(139)〜『葛根湯(カッコントウ)』の使い勝手〜


 『葛根湯(カッコントウ)』はいまやドラッグストアにも配置されており、漢方薬をあまり知らない方でも「かぜの漢方薬」といった印象でご存じかもしれません。しかしながら、実際に『葛根湯』が「かぜ」に対して発..
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2016年03月31日(木) No.740 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(138)〜不眠と慢性の咳に悩まされる〜


『51歳女性Yさん。ご主人の転勤以後、同居の義母の介護のため精神的にも肉体的にも負担が多くなってきた。ここ一ヶ月前は寝つきが悪く、近医から睡眠導入薬を処方してもらっているが今一つの様子。また、喉に何かへばりついた感じがして咳が数か月前から断続的に続くため耳鼻咽喉科を受診するも器質的異常が指摘されず『半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)』を投与されるが無効。呼吸器内科を受診し、慢性気管支炎の診断で加療を受け、やや咳は改善するも特に夜間の咳と不眠が持続し、ほてりも自覚するために当科に来院。』


 Yさんには舌診で乾燥している所見がありましたので、咳も考慮してまず『麦門冬湯(バクモンドウトウ)』を処方いたしました。2週目で慢性の咳は7割ほど改善したが不眠は今一つでした。そこで、『六味地黄丸(ロクミジオウガン)』を併せて処方しましたところ、さらに2週目で咳は消失し、不眠は3日目位からかなり改善され「足のほてりが無くなって熟睡できる。」との事。1か月内服してかなり調子が良いようなので、不眠が出現したときに、漢方薬を数日服用してもらうように指導いたしました。
 今回併用した『六味地黄丸』は「補腎(ホジン)」作用を有し、Mさんのような夜間の足のほてりがある場合などは有効で、更年期障害で加齢に伴う症状に対していわゆるアンチエイジング的な効果をもたらします。以前ご夫婦で来院された方に一緒に内服してもらい、ご夫婦ともに調子が良くなった例も経験しています。女性だけでなく男性にも有効です。
 更年期周辺の年代の慢性の咳に対しては、内科的な切り口で対応可能なのか、婦人科的な見地から何らかの対応が求められる状態なのか判断に迷う例も多いですが、まずは呼吸器内科できちんと診ていただいてから、他科に相談するのがよろしいかと思います。
2016年03月03日(木) No.736 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(137)〜動悸や胸部不快感の漢方薬 


 動悸や胸部不快感を主訴に心臓内科や循環器科の外来を受診する女性は年齢を問わず少なくありません。心臓内科外来の3割から5割の患者が「動悸」を主訴としています。ただ、この場合胸苦しさや息切れも含めて「動..
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2016年02月04日(木) No.732 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(136)〜疲れやすいときの漢方薬〜


 年末・年始と休みが続くと、休んでいるはずなのにかえって疲労が蓄積?する感じがすることもありますね。「疲れ」とは漢方では「気の不足」と捉えます。元気、やる気、病は気から、などと言われますが、漢方でいう..
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2016年01月01日(金) No.728 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(135)〜透析の人に漢方薬〜


 今回は透析中の方の不快な症状に関してのお話です。知り合いの透析の方で「足がつってつらい」という相談を受けたことがあります。結構、透析中に「足がつる」方はいるようですが、お勧めは『芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)』を予防的に飲んでもらう方法です。あまり飲み続けると効きが悪くなるので、透析前に一日一回一包に限るのがよいでしょう。ただし、実際に症状が出現した場合は適宜頓服してもよろしいです。
 また、透析している方は皮膚がカサカサして痒みを訴えることがしばしばあります。皮膚が乾燥して分泌物が少ない場合には『当帰飲子(トウキインシ)』をお試し下さい。特に高齢者に有効なことが多いのですが、見た目よりも掻痒感の訴えが強いことがポイントです。さらに「のぼせ・不眠・不安・イライラ感」があり、皮膚に痒みと熱感を伴う場合には『温清飲(ウンセイイン)』を応用します。これは熱感の訴えがポイントになります。
 透析している方が足の裏に違和感を感じることがありますが、これは糖尿病などでも生じる末梢神経障害の一つと云われています。よく「砂や砂利の上を歩いている感じがする」などと表現されます。この場合は『牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)』がよく使われますが、効きが悪いときには『附子(ブシ)』を加えてみると有効なことがあります。
いきなり「透析」が必要なことを宣告されて、気が滅入ることも多いと思います。そのような場合には、『補中益気湯(ホチュウエッキトウ)』を服用してみて下さい。闘病しようという気力が湧いてくると思います。


気力のある人の方が、病気に対して頑張れるということは多くの医師が経験しています。最近の研究では、脳のポジティブな思考が実はいろいろな免疫系にも良好な影響を与えていることが分かってきました。ストレスの多い現代社会では「気力がない」人はたくさんいます。このような現代社会だからこそ、『補中益気湯』の利用価値は大きいものであると思います。
2015年11月26日(木) No.724 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(134)〜風邪と漢方薬 


 風邪は多くの方がかかりますし、何度も引きますので、今までの治り具合との比較が可能です。実は風邪は最も漢方のありがたさが体感できる症状の一つです。
 漢方薬はその人の体質や体格、風邪の時期によって処..
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2015年10月29日(木) No.720 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(133)〜副鼻腔炎と漢方薬〜


 副鼻腔炎(一般的にいう蓄膿症)の原因にはいろいろありますが、急性期は抗生剤を併用した方が無難でしょう。しかしながら、薬物アレルギーや副鼻腔炎による合併症がある場合は漢方治療を選択されるのも一つの手段..
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2015年10月02日(金) No.716 (山内先生(産婦人科)のコラム)

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