タイトル

女性と漢方19〜春先になると調子が悪い〜


春も少しずつ近づいてきましたが、今回の症状の人って結構いらっしゃるのでは?
『35歳、Gさん、女性。毎年のことだが春先になると身体の節々が痛くなり、手が腫れたりもする。心配でリウマチの検査をしたが異常..
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2006年04月10日(月) No.185 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方18〜ストレスによる体調不良〜


今回の患者さんは、「何となくあちこち調子悪い」という訴えの方です。
『42歳、Fさん、女性。胃痛、頭痛、肩こりがある。仕事に対する不満もあり、「やってられない」とこぼし、友人に漢方でもと勧められて来院。』
Fさんは、確かにお話を聞いても仕事のストレスが原因していることは分かりました。
内科や脳神経外科でも特に異常はないと云われたようです。こんな方は結構いらっしゃいますよね。ストレスが原因で症状が現れている場合、ストレスそのものを取れないにしても軽減してあげなければなりません。

さて、東洋医学的にはストレスで身体に変調をきたすのは、いわゆる「気の異常」です。「胃痛」をこの状態が原因と限れば、「気うつ」(詳細は以前の号を)によるものと推測されます。では、「頭痛」はどうでしょう?これも「気の異常」が原因とすれば、「気逆」ですね。以前にもお話したように「気逆」は気が下から上に上昇し、上に充満して熱などが発生することもあります。イライラして頭痛が起こるのは、この状態に近いでしょうね。Fさんの「肩こり」も「お血(オケツ)」(詳細は以前の号を)によるものではなく、「気逆」で説明がつきます。
つまり、「胃痛・頭痛・肩こり」の3つのキーワードから「気の異常」にしぼってとらえると「気うつ」「気逆」という診断に行き着いたことになります。もっというと、「気逆がメインでそこに気うつもある」ということになります。となれば、漢方薬はいわゆる「気逆」に対応する生薬の中でも「気うつ」にも対応していればより良いということは当たり前ですよね。いいですか。漢方薬って勘で選ぶものじゃないのです。選んだからには、「○○という状態」を分析していないといけないのです。そうでなければ、「頭痛」一つにしても、漢方薬は決められません。『頭痛に○○』というキャッチフレーズは漢方薬には通用しないのです。漢方医学は薬を決めるのが大切なのではなく、患者の状態を分析する過程がカギです。これが実行されれば、薬は自ずと決まるはずなのですから。
2006年03月10日(金) No.180 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方17〜冷えるとお腹が痛い〜


今回の患者さんは、「冷え」を主訴とする方です。
『28歳、Hさん、女性。とにかく手足が極端に冷たい。寒いときは体の芯から冷える。
風邪をひくと悪寒がひどく全身が冷えて仕方がない。漢方薬が希望にて来院。』
Hさんは、実際に触ると本当に冷たい手足でした。このような方は、温める生薬を使わざるを得ません。「冷え」には表(体の表面)と裏(体の内部)がある話は以前しましたが、「悪寒」は「表寒」(表の冷え)のサインですから表を温める生薬を使えばよいのですが、Hさんは「体の心からの冷え」もあるので「裏寒」(裏の冷え)にも対応しないと症状は良くならないと考えました。
ただし、このような方に大切な問診事項があります。それは『冷えるとお腹が痛くなりませんか?』の一言です。この問診で私は当帰四逆加呉茱萸生姜湯[トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ]という舌を噛みそうな名の薬を処方しましたが、その後体がポカポカする感じがわかるとのことで、しばらく薬を続けてもらうことにしました。
この薬は、単なる「冷え」の薬ではありません。確かに体を温める生薬が配合されていますが、薬の構成を調べると実は建中湯[ケンチュウトウ]つまり「お中を建て直す」が基本骨格なのです。
この薬は「冷房が強い部屋にいると、お腹が痛くなる」人にも、よく処方しますし、こういう方は夏場でも「冷え」がつらいタイプに多くみられますね。

さて、「冷え」は以前からお話しているようにいろいろなパターンがあり、その状態に合った漢方薬を選ばなければなりません。ですから「○○さんが効いた漢方薬がほしい」と言って受診される方がいますが、これは間違いなのですね。やはり、きちんと診察をしなければなりません。Hさんに『冷えるとお腹が痛くなりませんか?』の問いかけた理由はただ一つです。それは処方する薬を決めたいからです。
漢方医学の問診は余計なことみたいな事をたくさん聞きます。それは各々に漢方薬を決めるカギが隠されているからで、決して無駄な事を聞いているのではありません。漢方薬は生薬の寄せ集め(複合剤)ですから、様々な症状に対応できる反面、それだけ情報収集も必要ということです。
2006年02月10日(金) No.175 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方16〜気になるのぼせ〜


今回の患者さんは、「めまい・ふらつき・のぼせ」を主訴とする方です。
『31歳、Gさん、女性。元々健康。以前から入浴時にのぼせを自覚していた。最近、のぼせに加えてめまい・ふらつき感が出現。気になって耳鼻..
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2006年01月10日(火) No.170 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方15〜不快な汗〜


前回まで「気の異常」に関わる話をしてきましたが、今回より様々な症例を紹介しながら、漢方薬の妙について述べましょう。さて、今回の患者さんは、「汗」がキーワードです。
『58歳、Fさん、女性。やや肥満。体全体の熱感、じっとりとした汗が不快でたまらないとの事で来院。』
この方は、「むくみ」もありました。「むくみ」というと『水毒』(以前の号で確認を)が思い浮かびますね。『水毒』は基本的には「水」が余っているところと足りないところのアンバランスでしたね。それを見分けるには「口の渇き」ですが、Fさんはありませんでした。となると、「水の偏在」なくて「水が余っている」イメージなのです。しかも熱感もあります。水が余っている箇所には熱はこもりやすいのです。
私は越婢加朮湯[エッピカジュツトウ]を処方しました。飲み始めてすぐに尿の量が増え、全身のむくんだ感じがとれて、熱感も徐々に改善したとの事でした。
Fさんの肌をさわるとジトーッとした湿った感じなんですね。つまり、水が「表」(以前の号で確認を)に余っている状態ですから、この余った水を捨ててやればいいのです。
「たまったものは捨てる」という理屈は分かりやすいですよね。

そこで「表」の水を「裏」に引き込む生薬を選んだのです。麻黄[マオウ]と石膏[セッコウ](以前の号で確認を)の組み合わせです。これは強制的に排水してくれて、石膏には「冷やす」作用もあるのでFさんには一石二鳥でした。でも強力な薬なら、胃を荒らすのでは?と思う方へ。ご心配なく、ちゃんとこの薬には胃を守る生薬も含まれていますから。比較的長期間飲まれても胃の負担は少ないです。
あれ?麻黄は桂枝[ケイシ]との組み合わせで「発汗作用」あるのでは?と思った方?このシリーズを熟読してますねえ。そうなんです。麻黄は基本的に「水」を外へ捨てる生薬なのですが、「表」に汗として捨てるときは桂枝と、「裏」(体内)に捨てる(尿など)ときは石膏と組むというように生薬でも仕事によって相手を選ぶのです。人でもそうですね。いい仕事するときは、組む相手が大切です。
2005年12月10日(土) No.165 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方14〜病は「気」から?(その5)〜


今回も症例を紹介しながら解説します。
『41歳、Eさん、女性。以前より便秘がちであった。このところ仕事上のトラブルでストレスを感じていたが、腹部の膨満感が次第に強くなり、腹がはって胃のあたりまで苦しい..
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2005年11月10日(木) No.160 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方13〜病は「気」から?(その4)〜


今回も症例を紹介しながら解説します。
『48歳、Dさん、女性。元々健康だが最近カゼでもないのに咳が出る。家庭内でのストレスが増してから症状が出てきた気がする。むくみやすい体質で、朝夕は気になるほどむくむ。喉のあたりの不快感も気になり、耳鼻科受診したが特に異常なしとの事。』
漢方医学では「大逆上気(タイギャクジョウキ)」という言葉がありまして、以前に解説した「気の上衝(気逆)」のはげしい状態を意味します。「気」の循環に異常をきたして、下から上へ「気」がどんどん上がると、上半身に様々な症状(頭のみ暑い、吐き気、喉が詰まる感じなど)が出てきます。Dさんは、カッカした話し方で、青筋をたてて咳き込んでいました。喉の違和感も「気逆」の結果によるものと考えて、今回は麦門冬湯[バクモンドウトウ]を処方してみましたが、1週間で咳は軽くなり、さらに2週間処方し、咳はほぼ消えました。

この薬は咳止めで有名ですが、本来の適応は「大逆上気」なのです。この薬には潤す作用(湿り気を与える)を有する生薬が含まれているので、「舌が乾く、喉の奥がカラカラ」といった時に使うことが多いのですが、半夏[ハンゲ]という生薬が含まれているのがミソでして、これは逆に乾かす作用をもっています。
単に潤したいなら、こんなものは要らないはずですね。ここが漢方薬のおもしろい点なんです。
つまり、麦門冬湯[バクモンドウトウ]はただ乾いた症状のみでなく、「むくみ」の様にどこかに水のアンバランスがある場合に使うと良い薬なのです。以前お話した「水毒(スイドク)」ですよ。二日酔いの時なんかは口渇くけど顔がむくんだりしますよね。
Dさんは、むくみも取れて喜んでいましたが、新たな悩みもできたと云われました。
「先生、顔のむくみがとれたのはいいんですけど、顔のしわが目立つようになっちゃいました。友人には『あんた、前はアンパンマンみたいだったからねえ』といわれたんですけど。」との事。
2005年10月10日(月) No.155 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方12〜病は「気」から?(その3)〜


今回も症例を紹介しながら解説します。
『18歳、Cさん、女性。大学入試の準備中。年末あたりから夜になると落ち着かず、勉強にも集中できない。本人も原因は入試に関する不安感であると自覚している。お母さんが心配して一緒に来院、生理も不順との事。』
前回お話した「気の異常」の3つのとらえ方(「不安」「あせり」「イライラ」)で考えると、この方のキーワードは『不安感』です。このような場合は、甘い生薬が漢方医的には効果的です。一般的に、甘いものは気持ちを安らぐ作用があります。甘いココアで子供が寝付くというのもこの作用によるのものですね。
Cさんには、酸棗仁湯[サンソウニントウ]を処方しましたが、甘くて飲みやすく1週間後には気分が落ち着いてきたと喜んで来院しました。「甘いものでごまかされるなんて、子供だましじゃあるまいし」と思われる方がいらっしゃるでしょう。現に私自身も最初はそう感じていましたから。

しかしながら、有効であるのは事実です。
酸棗仁湯[サンソウニントウ]は、基本的には不眠に対して使うことが多いのですが、睡眠薬とは違いますから、不安を取り除いた結果として眠れるようになるわけです。
つまり、眠れないから使うのではなく、不安に対して使う薬なんです。となると、イライラが原因の不眠の方に処方して効かない?当たり前です。不眠の原因を考えないと漢方薬は有効ではありません。ですから、患者さんのお話をよく聞く必要があるのですね。
個人的には、受験の合格発表の前や癌かもしれない検査結果の前などの不安が強いときには、この薬はまさにうってつけだと思っています。気の弱い私?も不安が強くて寝つきが悪そうなときはこの漢方薬を寝る前に2包飲んでみます。
2005年09月10日(土) No.151 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方11〜病は「気」から?(その2)〜


今回は「気うつ」(「うつ病」とは異なります!)のお話をしますが、単に「気うつ」しかない人は少なくて「気虚」や「気の上昇」(詳しくは前回参照)が入り混じっている人の方が多いものです。ですから、「気」の異..
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2005年08月10日(水) No.146 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方10〜病は「気」から?(その1)〜


「気」という言葉は日常生活でも、元気・電気・磁気・やる気…などよく使われますし、「病は気から」ということも聞いたことがありますね。初回に漢方医学では「気」という概念があることはお話しましたが、体にあっ..
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2005年07月10日(日) No.141 (山内先生(産婦人科)のコラム)

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