タイトル

女性と漢方(44)〜小建中湯が効く親子?〜


『小建中湯(ショウケンチュウトウ)』は以前の号でも紹介した漢方薬ですが、昔からよく子供に使われていた薬です。食が細く、しょっちゅうお腹が痛いと云っては、学校や幼稚園に行く前にぐずるような子によく効きます。子供に効く場合は飲み始めると数日で食欲が出て、ぐずぐずいわなくなるから不思議です。
この薬は甘くて漢方薬の中では飲みやすいので、よく親が子供を連れてきて「漢方薬で治したい」(時には無理難題もありますが)という場合に、まず飲んでもらわなければ話になりませんから『小建中湯』を処方することがあります。こういう処方の仕方は不本意なのですが、意に反してよく効いてしまう症例が多いですね。
『小建中湯』を飲んでもらっているお母さんが「アレルギー性鼻炎で耳鼻科に通院中。とにかくお腹が痛がるし、食べない。おねしょが治らない。風邪もひきやすい。」という8歳のお子さんを連れてきました。以前、風邪を引きやすい子に最初に出した漢方薬がなかなか効かなくて、『小建中湯』を出して有効だった症例をふと思い出しました。


この親子は共に「食が細い、お腹をこわしやすい」という共通点があったので、まさしくこの漢方薬がよく効くタイプでした。数ヶ月たって「お子さんのアレルギー性鼻炎の具合はいかがですか?」と何気なく聞くと、「食欲がでてきて最近よく食べるようになってから症状もいいんですよ」との事。ふつうはアレルギー性鼻炎を『小建中湯』で治そうという先生はあまりいないとは思いますが、やはり「食べる」ということの重要性なのでしょうね。それ以来、この薬で「風邪が引かなくなった」とか「生理痛がよくなった」とか「口内炎がよくなった」など様々な効果を実感します。
二年もたつとこの親子も自分のペースを獲得したようで、勝手に症状にあわせて分量も調節して飲んでいるようで、今では私は薬を処方するだけです(苦笑)。

2008年04月30日(水) No.300 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(43)〜2月の中旬になると動悸がする?〜


『31歳Kさん。2月の中旬に「今頃の季節になるときまって動悸がします」と当院来院。
札幌で仕事をしていましたが、仕事のストレスから軽いうつになり、半年前から北見に戻ってきたようです。病気になって以来、疲れやすく気力もなく、食欲不振・胃もたれ・便秘があり、とかく家にこもりがちだと…2年くらい前から2月中旬になると、夜の動悸・顔や手足の軽いほてり・不眠などの症状が起こってくるとの事。』
紀元節というのをご存知でしょうか?これは建国記念日と名を変えて2月11日で、神武天皇が即位した旧暦の1月1日で、1年の内一番寒い頃となります。Kさんの症状は、この紀元節の頃から出現したと考えることができますね。北海道はこの時期はまだまだ寒い時期ではありますが、確実に冬至から徐々に日照時間は長くなりつつある時期です。日光があふれ出ようとする季節が春とすれば、2月中旬は春の息吹が潜んでいる時期ともとれますね。
東洋医学では、陰(イン)・陽(ヨウ)という考え方があり、季節に対応させると冬・夏になります。この陰・陽の変わり目は病気が悪化しやすいことは古来から知られていますし、現代でも花粉症など例にとるとお分かりのように該当する点があるのは事実でしょう。
とすれば、Kさんの症状は身体が春の気配を無意識に感じたからだという一つの見方もできます。

事実、東洋医学では、動悸・不眠・ほてりなどは、身体が熱をもったために起こることが多いという考え方があります。
「熱のためですかね」というと「私は冷え性です。それに今は一番寒いときでしょう」と反論してきたKさんに処方したのは『桂枝加竜骨牡蠣湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)』でした。その結果、動悸は鎮まり、眠りもよくなり、うつ的な気分も快方に向かいました。この薬は『桂枝湯(ケイシトウ)』に化石の粉末である「竜骨」とカキの殻である「牡蠣」を加えたものです。
『桂枝湯』は冷え性で虚弱な人の初期の感冒によく使用されますが、身体を温めて全体的に元気にする作用があります。「竜骨」「牡蠣」は共に気持ちを鎮め、上昇した熱を冷まして降ろす作用があります。つまり、『桂枝加竜骨牡蠣湯』は身体の虚弱な冷え性の人向けの精神安定剤的な働きをしているのです。身体は冷えているが軽度の熱もあるという状態は、寒い季節にありながら、その中に春の日差しを含んでいる2月中旬に似ているわけですね。
2008年04月03日(木) No.295 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(42)〜不定愁訴?実は疲労の蓄積?〜


『48歳Iさん。約5年前から疲れが取れず、いつもだるい。疲れるとイライラしたり、動悸がしたりするし、カゼをひくと治りにくい。最近は頑固な便秘になり、市販の下剤を飲まないと何日も出ない状態。神経科を受診し..
続きを読む
2008年03月06日(木) No.290 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(41)〜水太りタイプの女性の膝関節痛〜


『58歳Hさん。半年前から膝の痛みで歩行困難となり、数ヶ月で症状が悪化。整形外科では変形性膝関節症の診断で注射を定期的に施行しているとの事です。特に立ち上がるときと階段を降りるときが辛く、鎮痛剤で何とか痛みは和らいでいるものの腫れはひかないようです。当院に漢方も試してみたいとの理由で来院されました。』
Hさんは、色白でもち肌、ぽっちゃりとしたいわゆる「水太り」体型の方でした。ご本人曰く、「水を飲んだだけでもすぐ太りやすく、最近は身体も重く感じて疲れやすいです。」漢方医学的には、「水太り」は重要なキーワードになります。このようなタイプの方は「多汗」の症状も多くみられます。


『防己黄耆湯(ボウイオウギトウ)』はHさんのような方のためにあるような薬でして、まずこちらを処方しました。ただ、膝関節の熱感も訴えるので、熱をさばく意味で『越婢加朮湯(エッピカジュツブトウ)』も少量足して飲んでもらうことにしました。飲み始めて一ヶ月後には膝の痛みと腫れは確かに良くなっていました。鎮痛剤をあまり飲まなくなった点がその効果のようです。その後は長時間の歩行などでは症状が悪化するときもあるとの事ですが、比較的調子は良く、汗もあまりかかなくなった点も喜んでいました。
調子が良いと積極性もでてくるものです。本人はその後は食事などにも気をつけて体重を5キロ減らすのに成功しました。当然ながら膝関節の負担も減りますね。
今も半年以上経ちますが、『防己黄耆湯』はときどき飲んでもらっています。このように『防己黄耆湯』がよく効く方には長期に飲んでもらうことにより、膝関節痛がかなりラクになる場合が多いですね。ただし、『越婢加朮湯』は「麻黄(マオウ)」が含まれているので、胃腸の弱い方や高齢者、心臓・腎臓疾患のある方に注意して使用しなければなりません。Hさんには少量で使用しましたが、『防己黄耆湯』とはとても相性のよい薬でして、うまく使うと熱感をもつ腫れには大変有効です。
2008年02月06日(水) No.286 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(40)〜更年期障害と漢方薬(1)〜


『46歳Gさん。最近、熱くなったり、寒くなったりと体温調節がうまくいかない感じがする。頭もボーッとするし、職場の友人からは「ちょっと早いけど、更年期の症状なんじゃないの?」と云われ、ショックをうけて(笑)当院に来院。』


自覚症状は「胃が弱く、のぼせて、頭痛、立ちくらみがある。手足の冷えは特にひどい。疲れやすい、生理痛も強い。よく、青アザができる…」と多彩でした。Gさんには、以前にも紹介したことがありますが、『当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)』をまず処方いたしました。飲み始めて比較的早くに効果がみられ、「あまり疲れやすくなくなり、身体が軽く動くようになった」との事でした。生理痛も出血量が減り、以前よりも楽になって大変喜んでいらっしゃいました。ただ、「まだ、頭がボーッとするのと、毎日1、2回は急に体温が上がったのかと思うくらいに身体が熱くなって汗が吹き出ます。」が悩みのようでした。
これはいわゆる典型的な「冷えのぼせ」の症状です。そこで「突然カーッと熱くなって、汗だらけになる」という言葉をキーワードに『五積散(ゴシャクサン)』を追加処方したところ、実にうまく効いてしまいました。一ヶ月後は調子がいいので、「のぼせを感じたらのむように」と指導しましたが、本人は真面目に休み無くのんでいたようでした。
あるとき、Gさんは「一日三回はのめなくて、お昼を忘れて二回になることが多いのですが、調子はいいです。この前の生理もラクでしたし、三回のまなくてもいいのでしょうか?」との事。
回数を減らして大丈夫ならばそれでいいに決まっているのに、患者さんはよくこういう質問をされます。どうも「医者でもないのに自分勝手に判断するな」と怒られた経験がある人はおそるおそる報告する方が多いですね。
私は患者に「あなたの身体が一番正直に答えてくれるので、調整してのんで下さい。」というようにしています。のむのを忘れるのは体調がよくなった証拠ですから。
2008年01月02日(水) No.281 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(39)〜冷え性と漢方薬(1)〜


『23歳Fさん。やせ型の色白な方で、これからの季節は特に手足が冷たく、寒いとお腹まで痛くなり、指先なんかは氷みたいになるとの事。以前は当帰芍薬散を処方されましたがあまり改善されなかったようです。どういう漢方薬が良いのかご相談に来院されました。』
Fさんが処方された『当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)』は「婦人の聖薬」という別名があるくらいに有名な漢方薬です。たしかにこの方は色白で古人のいう「芍薬美人」タイプで、いかにも『当帰芍薬散』が効きそうな印象を受けました。でも、以前飲んでイマイチだったとの事。


そこで手足の冷えに有効な生薬の「附子(ブシ)」が含まれる生薬で、水をさばく利水剤も含む『真武湯(シンブトウ)』を飲んでもらうことにしました。2週間後は「少し、前よりは暖かい感じはします。」との返事でしたので、「附子」の粉末をさらに加えて飲んでもらい、冷えてお腹が痛くなったら『大建中湯(ダイケンチュウトウ)』を追加して飲んでもらうことにしました。
一ヶ月後、「身体はだいぶ温かくなり、以前にような我慢の出来ない冷えは無くなりました。お腹はほとんど痛くなかったんですけど、前に外に居る時間が長くて、冷えてお腹が痛くなったので、云われたとおり『大建中湯』を飲みましたが、すぐに良くなりましたよ。即効性があるんですね。」との事。
『大建中湯』は、以前も紹介しましたが、イレウス(腸閉塞)対策で有名になった薬なのですが、元々は「お腹の痛みを温めて治す」薬です。つまり「冷えたときの腹痛」が使用するときのキーワードなのです。
若い女性の頑固な冷えは、強力な温薬(オンヤク)の代表選手である「附子」などで一度温めてあげないと、なかなか改善しないようです。つまり、身体が自らを温めることを忘れてしまった状態なのでしょうね。また、現代人の冷えは「水」も関わることが多く、お水の取りすぎも要注意なのです。
2007年11月30日(金) No.276 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(38)〜アトピー性皮膚炎を漢方薬で治す(3)〜


『29歳Uさん。アトピー性皮膚炎で皮膚科の受診歴ある方で、汗をふきふき診察室に入ってきました。体重?キロの肥満体で今年の夏は暑くて大変だったとの事。季節の変わり目にアトピー?が悪化するのか時々激しく痒くなり、皮膚症状も出やすいようです。ここ数年ステロイド軟膏のお世話にはなっていないものの何か漢方薬で体質改善?ができるのかとの相談で来院。』
とはいえ、皮膚のトラブル以外はとても楽天的な方で快活な印象を受けました。体質改善まではいかなくとも、Uさんは体型的にはいわゆる固太りタイプでしたので『防風通聖散(ボウフウツウショウサン)』を服用してもらいました。また、時々出現する皮膚症状に対しては、ジクジクをとる『消風散(ショウフウサン)』、熱を冷ます『黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)』を合わせて処方しました。(前々号でも紹介済み)
2週間後には、皮膚症状が4日に一度位となり、2ヶ月後には月に2〜3回ほどに軽快。6ヶ月の服用で、熱がりや汗も減り、身体も軽くなった感じなするとの事でした。体重は3キロ減のようです。


東洋医学では、肥満は余分な水分や血が停滞した状態と考えます。これらの停滞が病気をもたらし、身体の表面に現れ、さらに熱をもった結果として、皮膚症状が出現したのがUさんなのでしょうね。ですから、その治療はこれらの体内の停滞を取り除き、熱を冷ませばよいことのなります。Uさんの場合に特に大切なことは、肥満の解消です。
『防風通聖散』の名前の意味ですが、「防風」は生薬名で、風を防ぎ、痒みを消す働きがあります。「聖」とは耳からまっすぐに通るのが元の意味で、そこから、ものわかりが良い、さらに優れた人(聖人)という意味にもなりました。つまり、「通聖」とは体内に詰まったものを除去して、通りを良くし、その結果、身体が優れた状態になるという意味なのです。
ここで、一言注意を。『防風通聖散』は、熱がりの肥満体質の体調改善が目的であり、決して痩せるための薬ではありません。服用で体重が2〜3キロほど減量することもありますが、減量はあくまでも食事・運動療法等が大切ですので・・・
2007年11月06日(火) No.271 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(37)〜アトピー性皮膚炎を漢方薬で治す(2)〜


『32歳Tさん。幼少からのアトピー性皮膚炎で、さまざまな治療を重ねて症状は一進一退を繰り返しています。現在はリバウンドの急性期の症状である「全身が真っ赤でまぶたや湿疹部にむくみがあったり、汁がにじみ出してジクジクしている」わけではなく、少し落ち着いて、くすんだ赤みを伴ったカサカサの時期に入ってきているようです。漢方薬に興味?があり、試してみたいとの事で来院。』
Tさんのような「赤くてカサカサ」といった亜急性期の皮膚に対しては、基本薬としては『三物黄ごん湯(サンモツオウゴントウ)』を使うことが多いです。この薬には、「赤みをとる作用」「痒み止め作用」「体に潤いを与える作用」を持つ三種類の生薬を含んでいます。しかし、Tさんは顔中心に赤くてカサカサしている状態でしたので、『辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)』を処方してみました。この薬は鼻炎や副鼻腔炎の薬としては有名な漢方薬ですが、実は鼻の通りを良くする働きのほかに、清熱作用と皮膚に栄養を与えて水分を補うという作用ももっているのです。さらには、これらの効果を上半身(とくに首から上)に運ぶ作用のある生薬が配合されているので、顔中心のカサカサに効果があるのです。


さらにこの方はむくみも出やすいタイプ(実はぽっちゃりしています)なので、『防己黄耆湯(ボウイオウギトウ)』も併用しました。これは大変有効でして、Tさんからは喜ばれました。皮膚症状の改善だけでなく、下肢のむくみも取れたようです。
アトピー性皮膚炎の場合は、「むくみ」にも注目して、基本になる薬にプラスしてあげることは漢方医学的にはとても重要なことなのです。
2007年10月04日(木) No.267 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(36)アトピー性皮膚炎を漢方薬で治す(1)


『28歳Sさん。2歳からアトピー性皮膚炎で26年間悩まされてきた女性で、いくつもの皮膚科を渡り歩き、いろいろな民間療法も試してみましたが、満足のいく結果は得られなかったようです。学生時代は比較的よかったのですが、働き始めてここ数年間は悪化して、体中が痒くて眠れないとの事。』


Sさんの皮膚は以前はジクジクしていつも顔にはかさぶたができていて、ステロイド軟膏を使うようになってから治まるようになったものの、今度はカサカサになってしまいました。つまり、元々はジクジクしてかさぶたが出来やすく、皮膚が赤く熱感をもつタイプのようでした。ステロイド軟膏を使っていると本来の皮膚の状態がわからなくなってしまうので、このように使う前の状態を聞くのは漢方薬を選ぶときにはとても大事な情報になります。
Sさんには、ジクジクをとるために『消風散(ショウフウサン)』、熱を冷ますために『黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)』を合わせて処方しました。この薬を飲んで2週間で何となくジクジク感は無くなってきたものの効果がはっきり出てきたのは約2ヶ月後でした。Sさん曰く「先月からステロイド軟膏を止めているんです。最近は表面に自分の皮膚ができてきた感じがします。
お風呂にはいるとまだ真っ赤になりますけど、ポロポロと皮がむけることが無くなって、痒み止めも使わなくてすんでいます。」との事。
保湿のために使っていたワセリン軟膏は半年で不要になり、夏場に汗で少し痒みが出たものの、十ヶ月で目の周りに軽い色素沈着を残すだけに改善しました。仕上げには体力を補う『補中益気湯(ホチュウエッキトウ)』という薬に変えて、半年後にはすべての薬を中止しました。
「ジクジクタイプ」と「カサカサタイプ」では、漢方薬の処方も変わります。Sさんは前者のタイプで湿気の多い夏場には悪化することが多いようです。今のところSさんは来院してないですが、今年の夏はうまくしのげたのでしょうか?
2007年09月06日(木) No.262 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(35)〜身体に熱がこもる〜


『32歳Rさん。がっちりとした体型のスポーツウーマンという印象の女性で、仕事から帰ってくると、頭痛に悩まされる。元来健康で、疲労感もないし、病気はほとんどしませんとの事です。脳神経外科でも異常は認められず、友人に漢方薬でも試してみてはと紹介されて当院来院。』
頭痛の時に、吐き気・めまいなどがあるか、イライラするか、といった質問を東洋医学では重要なのですが、Rさんは全く無くて期待?を裏切られました(笑)。ここでくじけては漢方を扱っている医者とはいえませんので、「頭痛の時に頭や身体は冷えますか?ほてりますか?」と『寒熱(カンネツ)』(詳細は以前の号参照)に関する質問をしてみました。すると「頭痛がひどくてわかりません」と素っ気無い返事でした。「温まるとひどくなるとか、逆に温かい食べ物が好むとか?」と聞くと、「のどが渇き、冷たい水をよく飲みます。風呂に入るとひどいです。」との事。


やっと手がかりが見えてきました。Rさんはどうも熱証タイプ、つまり身体が熱をもった状態の頭痛のようです。この熱は体温計で測れる熱ではありません。ただし、これだけでは状態が明確ではありませんので、どのような状態で起きるのか、あるいは悪化するのかを聞いてみました。「お仕事は?」「ゴルフのキャディーです。」日中に日当たりのいい場所で仕事をして帰宅しても熱が身体にこもって、頭痛の引き金になる、つまり軽い熱中症様による頭痛が本態だったのです。しかもRさんは、この仕事について間もないとの事でした。
この方には『白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)』を服用してもらい、翌日からは頭痛が軽くなり、2週間後の来院時には完全に軽快していました。この漢方薬は、身体の熱を冷ます作用があり、熱中症(日射病)や小児の高熱などによく使用されます。夏の暑い季節に外での行動が多い方は、身体と気候のバランスに注意された方がいいですね。ちなみにゴルフ好きの友人には当日『白虎加人参湯』を携帯させて、スコアをあげるのに一役買っています(笑)。
2007年08月02日(木) No.258 (山内先生(産婦人科)のコラム)

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 【9】 【10】 【11】 【12】 【13】 【14】【15】 【16】 【17】 【18】