タイトル

女性と漢方(177)〜蕁麻疹(じんましん)と漢方薬〜


 蕁麻疹は、ありふれた疾患でありながらその病態には未知の部分も多く、症状の現れ方や治療の内容にも大きな違いがあります。一般には皮膚マスト細胞から放出されるヒスタミンなどの活性物質が組織に作用して知覚神..
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2019年05月29日(水) No.904 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(176)〜不眠と漢方薬〜


「睡眠薬を止めたいので、漢方薬を服用したい」と来院する患者さんは多いです。結論から申しますと、なかなか難しいです。その理由は漢方薬の睡眠作用は西洋薬よりも弱いからです。睡眠は自然な生理活動であり、東洋..
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2019年04月24日(水) No.899 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(175)〜ストレスと漢方薬〜


『39歳Sさん。数か月前から動悸が気になる。仕事中に話をしようとすると動悸のためにうまく話ができず、手のひらにものすごい汗をかいてしまうことがあったとの事。漢方薬を試したいために来院。』
 Sさんは西..
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2019年03月27日(水) No.894 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(174)〜冷えからくる下痢と漢方薬〜


 『38歳Sさん。半年前から下痢が止まらなくなり、近医で消化管の精査をしたが異常を認めず、いろいろ薬を試したがよくならない。朝方には臭いのない下痢をよくする。元々冷え症があり、疲れたりストレスが溜まると..
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2019年02月27日(水) No.888 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(173)〜過換気症候群と漢方薬〜


 心理的要因が関与して過換気発作を生じ、それに伴って様々な身体・精神症状を呈する症候群を「過換気症候群」といいます。精神疾患に合併することも多く、特にパニック障害との合併は多いといわれています。このような症状は高校生以上の年齢に多く発症し、女性に多く、10歳代後半から20歳代に最も多くみられます。最近では、小学生にも発症することもあるといわれています。
 呼吸困難感は、空気がうまく吸い込めない感じとして表現されることも少なくありません。過換気が始まると、それに引き続いて動悸・胸痛・胸苦しさなどが出現する場合や、あるいはめまい感・頭痛・非現実感(自分が体験していることが現実とは思えない感覚)が出現して、時には意識障害を起こす場合もあります。


 治療は過換気を引き起こす可能性がある呼吸器や循環器あるいは中枢神経系や内分泌系の疾患がないことを確認することが基本です。以前は紙袋に鼻と口をかぶせて呼吸させるペーパーバック法が行われていましたが、低酸素血症により致死的になり得る症例があることから、現在はこの治療法は推奨されていません。現在では、心理的に安定させるように病状を説明し、ゆっくりとした呼吸を促すことが優先され、改善しない場合は精神安定剤の内服か注射が行われます。発作のない時期には、心理カウンセリングや抗不安薬が処方されることがありますが、薬物依存症に対する注意も必要です。
 漢方治療では、「過換気症候群」が心理的要因、特に精神的なストレスが関与していることから、精神安定作用をもつ漢方薬を用います。『抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)』がまず処方することが多いのですが、不安や落着きがない場合は『甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)』もよい適応です。特に小・中学生にはお勧めです。また、精神疾患が目立つ場合には『柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)』『柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリョウコツボレイトウ)』なども使います。特に気分の落ち込みが辛い場合にはこれらに『香蘇散(コウソサン)』という気を持ち上げる漢方薬を併用したりもします。
2019年01月30日(水) No.882 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(172)〜漢方薬を使うときの問診ポイント〜


 漢方診療では舌を診たり(望診)、脈やお腹を触ったり(切診)、患者さんの声のはりや大きさを聞く(聞診)以外に西洋医学と同様に患者さんに直接問う(問診)という診察過程がありますが、特徴は「医師が積極的に聞か..
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2018年12月26日(水) No.876 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(171)〜感染性胃腸炎と漢方薬〜


 嘔吐と下痢あるいはそのいずれかを訴えて救急外来を受診する機会も増えてきました。その多くは軽症の感染性胃腸炎で、ウイルス性胃腸炎が最も多くを占めます。ウイルス性胃腸炎や消化不良、水分の摂取過剰による下痢や嘔吐の場合には抗生剤は使用しませんが、中等度以上の脱水に必要に応じて輸液を行います。
 漢方治療で下痢や嘔吐に最も使用されているのは幾度となく紹介している『五苓散(ゴレイサン)』です。喉の渇きを訴える患者さんには特に有効です。当院は小児科も併設しており、乳幼児には『五苓散』を水に溶かして肛門から直腸の中に注入したり、坐剤にして使用したりしています。『五苓散』は特に冬場の症状に有効です。効きが悪い場合や発症して数日経過して症状が改善しない場合には『五苓散』に『小柴胡湯(ショウサイコトウ)』を加えた『柴苓湯(サイレイトウ)』を用いたりします。
 重症の脱水になると、口渇もなくなり、水様下痢とともに手足が冷えてくる場合があります。このような場合には輸液と同時に『真武湯(シンブトウ)』を服用させると効果的です。同様の症状で嘔気・嘔吐もひどい場合には『人参湯(ニンジントウ)』を併用したりもします。いずれにせよ、体力が消耗しきっているときこそ、輸液だけでなく、漢方薬の併用はかなり有効と実感しています。


 最近、漢方薬の講演会でウイルス性胃腸炎に『桂枝人参湯(ケイシニンジントウ)』がかなりの即効性があるとのお話がありました。使用法は1回目は2包で、以後1時間ごとに治るまで1包ずつ内服を続けるという手法です。ノロウイルスの場合ですと、100個以下のウイルス数で感染し、あっという間に感染が拡大してしまう状況ですので、それを抑え込むための服用の継続なのでしょう。その講演会の先生曰く、患者が途中で眠ってしまえば、効果は出ている(?)との事でした。
 私自身も『五苓散』と『桂枝人参湯』の併用は好んでよく使います。特に嘔気が強いときは「人参」が含まれた漢方薬を選択すると良い感じはします。
2018年11月28日(水) No.870 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(169)〜漢方薬解説シリーズ「排膿散及湯」〜


 今回は『排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)』という漢方薬についてお話します。この漢方薬は『桂枝湯(ケイシトウ)』の「桂枝」を「桔梗(キキョウ)」「枳実(キジツ)」に代えたような内容で発散力が強められ、さらに「芍薬(シャクヤク)」が加わって膿を強力に排出する構成になっています。なお、「桔梗(キキョウ)」「甘草(カンゾウ)」にはこの二剤で『桔梗湯(キキョウトウ)』という咽頭が腫れて痛むときによく用いる漢方薬の構成になっており、炎症を抑える作用も有しています。


 私自身は個人的にはとても好きな漢方薬の一つで、とくに皮膚疾患に用いていますが、『葛根湯(カッコントウ)』との併用で「乳腺炎」に使用したり、口腔内・鼻腔内の化膿性疾患にも使用します。副鼻腔炎では『葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)』が有効でない場合に用いて有効であったケースもあります。婦人科的には「外陰炎」(とくにバルトリン腺膿瘍)で患部は腫れて化膿している場合は抗生剤単独よりも治りが早い印象でよく使用します。
 先日の漢方研究会では、がん治療後の後遺症であるリンパ浮腫患者の蜂窩織炎(ホウカシキエン)や、骨盤腔内の膿瘍にも抗生剤単独よりも有効であるとの報告がありました。
『排膿散及湯』は単独でも十分有効なことが少なくないのですが、とくに発赤が強い場合には『黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)』を併せて使用したりもします。また、腫れが強いときには『猪苓湯(チョレイトウ)』を併用してうまくいくことが多いようです。
 また、化膿性疾患の再発防止効果もあるので、しょっちゅう外陰炎を繰り返す方には、治癒してもしばらく飲み続けてもらうと、再発しにくくなったり、再発しても軽症ですんだりします。
 現代医学では、抗生剤という良いお薬がありますが、抗生剤の乱用、耐性化が問題になている最中、漢方医学的に『排膿散及湯』の役割は有用かと思われます。
2018年10月31日(水) No.865 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(169)〜漢方薬解説シリーズ「排膿散及湯」〜


 今回は『排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)』という漢方薬についてお話します。この漢方薬は『桂枝湯(ケイシトウ)』の「桂枝」を「桔梗(キキョウ)」「枳実(キジツ)」に代えたような内容で発散力が強められ、さらに「芍薬(シャクヤク)」が加わって膿を強力に排出する構成になっています。なお、「桔梗(キキョウ)」「甘草(カンゾウ)」にはこの二剤で『桔梗湯(キキョウトウ)』という咽頭が腫れて痛むときによく用いる漢方薬の構成になっており、炎症を抑える作用も有しています。


 私自身は個人的にはとても好きな漢方薬の一つで、とくに皮膚疾患に用いていますが、『葛根湯(カッコントウ)』との併用で「乳腺炎」に使用したり、口腔内・鼻腔内の化膿性疾患にも使用します。副鼻腔炎では『葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)』が有効でない場合に用いて有効であったケースもあります。婦人科的には「外陰炎」(とくにバルトリン腺膿瘍)で患部は腫れて化膿している場合は抗生剤単独よりも治りが早い印象でよく使用します。
 先日の漢方研究会では、がん治療後の後遺症であるリンパ浮腫患者の蜂窩織炎(ホウカシキエン)や、骨盤腔内の膿瘍にも抗生剤単独よりも有効であるとの報告がありました。
『排膿散及湯』は単独でも十分有効なことが少なくないのですが、とくに発赤が強い場合には『黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)』を併せて使用したりもします。また、腫れが強いときには『猪苓湯(チョレイトウ)』を併用してうまくいくことが多いようです。
 また、化膿性疾患の再発防止効果もあるので、しょっちゅう外陰炎を繰り返す方には、治癒してもしばらく飲み続けてもらうと、再発しにくくなったり、再発しても軽症ですんだりします。
 現代医学では、抗生剤という良いお薬がありますが、抗生剤の乱用、耐性化が問題になている最中、漢方医学的に『排膿散及湯』の役割は有用かと思われます。
2018年09月26日(水) No.859 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(168)〜漢方薬解説シリーズ「白虎加人参湯」〜


 今回は『白虎加人参湯(ビャッコカニンジントウ)』という漢方薬についてお話します。古典によれば、何らかの病気にかかった後に発汗したがまだ治らず、体の芯に熱をもって、しかも口渇がひどいような場合に用いられ..
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2018年08月29日(水) No.854 (山内先生(産婦人科)のコラム)

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