タイトル

女性と漢方(182) 〜生薬解説シリーズ 大黄(ダイオウ)・芒硝(ボウショウ)〜


 今回は漢方薬を構成している生薬のうち、「大黄」「芒硝」についてお話いたします。「大黄」は代表的な瀉下(シャゲ)剤(過剰なものを捨てる方剤)で、いわゆる下剤として多用されます。しかしながら、下剤として..
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2019年10月30日(水) No.929 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(181) 〜生薬解説シリーズ 半夏(ハンゲ)〜


 今回は漢方薬を構成している生薬のうち、「半夏(ハンゲ)」についてお話いたします。「半夏」は嘔気や嘔吐によく使われる生薬ですが、「生姜(ショウキョウ)」(いわゆるショウガです)と組み合わせるとその作用..
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2019年09月25日(水) No.924 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(180) 〜漢方薬解説シリーズ 五苓散〜


 今回は『五苓散(ゴレイサン)』についてお話します。『五苓散』は何回も登場している漢方薬ですが、生薬の構成は「蒼朮(ソウジュツ)」「茯苓(ブクリョウ)」「沢瀉(タクシャ)」「猪苓(チョレイ)」「桂皮(..
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2019年08月28日(水) No.919 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(179) 〜パニック障害(奔豚気)と漢方薬〜


 『16歳高校2年生の女子Sさん。部活動を終えてから急に胸がドキドキして息苦しくなる。夜間救急外来にて心電図も異常なく、他院にて甲状腺機能も正常といわれ、漢方薬を試したいとの事で来院。』
 部活について詳しく聞くと大会の重圧がストレスになってSさんを苦しめていたようでした。そこで緊張とストレスを取るために『桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)』と『甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)』を飲んでもらいました。投与後2週間で部活後の呼吸困難はなくなり、呼吸苦は学校行事に数回のみでした。その後、『甘麦大棗湯』は甘くて飲みやすく、練習前に頓用すると調子がよいとのことでしたので『甘麦大棗湯』のみの処方にしました。


 このようないわゆるパニック発作は漢方医学の先人たちは「奔豚気(ホントンキ)」という名前でほぼ同じ病態をとらえていました。患者さんに症状を訊ねると、一様に「おへそのあたりからドキドキが駆け上がってきて、喉を通り過ぎ、最後に顔がカーッと熱くなる」と言います。これは、通常は上から下へ流れるべき「気」が瞬間的に逆流すること(気逆)によって起こるとされています。(子豚が身体の中を走り回っているイメージからこの名前がつけられたようです。)
 「奔豚気」は恐怖や驚きなどストレスが加わって起こります。Sさんにとってはキャプテンとしてチームを率いることがストレスだったようです。なぜ、練習中ではなく練習後に症状が出るのか最初は理解できませんでしたが、最近の研究で胃ゾンデより空気を注入することで「奔豚気」を誘発することが示唆された文献をみて思いつきました。おそらく水分を十分に取れないような激しい練習後の急な水分補充で胃が拡張されることで「奔豚気」のスイッチが入ったのではないでしょうか。
 「奔豚気」の治療には本来は『苓桂甘棗湯(リョウケイカンソウトウ)』という漢方薬があるのですが、エキス製剤にはないので、『苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)』に『桂枝加竜骨牡蛎湯』や『甘麦大棗湯』などを加えた処方がよく使われます。他に『人参湯』や『呉茱萸湯(ゴシュウトウ)』を加えたり、『柴胡加竜骨牡蛎湯』や『桂枝人参湯』なども使われます。
2019年07月31日(水) No.914 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(178)〜「熱証」とは〜


 漢方では熱の概念を「発熱」と「熱証」(「証」とは身体の状態)に分けて考えます。
 例えば、「発熱」があっても感染症の初期で悪寒などがあれば、「熱証」ではなく「寒証」と判断して、むしろ温めて体温を上..
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2019年06月26日(水) No.909 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(177)〜蕁麻疹(じんましん)と漢方薬〜


 蕁麻疹は、ありふれた疾患でありながらその病態には未知の部分も多く、症状の現れ方や治療の内容にも大きな違いがあります。一般には皮膚マスト細胞から放出されるヒスタミンなどの活性物質が組織に作用して知覚神..
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2019年05月29日(水) No.904 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(176)〜不眠と漢方薬〜


「睡眠薬を止めたいので、漢方薬を服用したい」と来院する患者さんは多いです。結論から申しますと、なかなか難しいです。その理由は漢方薬の睡眠作用は西洋薬よりも弱いからです。睡眠は自然な生理活動であり、東洋..
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2019年04月24日(水) No.899 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(175)〜ストレスと漢方薬〜


『39歳Sさん。数か月前から動悸が気になる。仕事中に話をしようとすると動悸のためにうまく話ができず、手のひらにものすごい汗をかいてしまうことがあったとの事。漢方薬を試したいために来院。』
 Sさんは西..
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2019年03月27日(水) No.894 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(174)〜冷えからくる下痢と漢方薬〜


 『38歳Sさん。半年前から下痢が止まらなくなり、近医で消化管の精査をしたが異常を認めず、いろいろ薬を試したがよくならない。朝方には臭いのない下痢をよくする。元々冷え症があり、疲れたりストレスが溜まると..
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2019年02月27日(水) No.888 (山内先生(産婦人科)のコラム)

女性と漢方(173)〜過換気症候群と漢方薬〜


 心理的要因が関与して過換気発作を生じ、それに伴って様々な身体・精神症状を呈する症候群を「過換気症候群」といいます。精神疾患に合併することも多く、特にパニック障害との合併は多いといわれています。このような症状は高校生以上の年齢に多く発症し、女性に多く、10歳代後半から20歳代に最も多くみられます。最近では、小学生にも発症することもあるといわれています。
 呼吸困難感は、空気がうまく吸い込めない感じとして表現されることも少なくありません。過換気が始まると、それに引き続いて動悸・胸痛・胸苦しさなどが出現する場合や、あるいはめまい感・頭痛・非現実感(自分が体験していることが現実とは思えない感覚)が出現して、時には意識障害を起こす場合もあります。


 治療は過換気を引き起こす可能性がある呼吸器や循環器あるいは中枢神経系や内分泌系の疾患がないことを確認することが基本です。以前は紙袋に鼻と口をかぶせて呼吸させるペーパーバック法が行われていましたが、低酸素血症により致死的になり得る症例があることから、現在はこの治療法は推奨されていません。現在では、心理的に安定させるように病状を説明し、ゆっくりとした呼吸を促すことが優先され、改善しない場合は精神安定剤の内服か注射が行われます。発作のない時期には、心理カウンセリングや抗不安薬が処方されることがありますが、薬物依存症に対する注意も必要です。
 漢方治療では、「過換気症候群」が心理的要因、特に精神的なストレスが関与していることから、精神安定作用をもつ漢方薬を用います。『抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)』がまず処方することが多いのですが、不安や落着きがない場合は『甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)』もよい適応です。特に小・中学生にはお勧めです。また、精神疾患が目立つ場合には『柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)』『柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリョウコツボレイトウ)』なども使います。特に気分の落ち込みが辛い場合にはこれらに『香蘇散(コウソサン)』という気を持ち上げる漢方薬を併用したりもします。
2019年01月30日(水) No.882 (山内先生(産婦人科)のコラム)

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