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日本の医療と他国との比較〜日本の医療費は…?医療環境は…?パート2


医療行為以外での医療サービスが現在は求められています。特に「時間をかけての診療」と「納得のいく説明」が重要です。しかし、両方とも時間がかかります。患者さんの話に耳を傾けて聞き、相手が納得するまで説明す..
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2005年01月10日(月) No.113 (高橋先生(内科)のコラム)

日本の医療と他国との比較?日本の医療は…?医療環境は…?


最近『日本の医療に未来はあるか?』(鈴木厚・ちくま新書)を読みました。現在の日本の医療の問題点を的確に指摘し、解決策を提示しています。一読をお勧めします。
今回は、この本から2?3皆さんが知らないこ..
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2004年12月10日(金) No.107 (高橋先生(内科)のコラム)

カゼの季節…かぜ薬より予防が第一!


寒い日が多くなりカゼの患者さんが多くなってきました。カゼは病名というより、共通の症状を持つ上気道(鼻・のど)の炎症の総称です。原因はウィルスですが、一つではなく、いろいろなウィルスがカゼ症状を起こします。インフルエンザやはしか、風疹、水疱瘡等は通常一つのウィルスが原因ですから、予防・治療の対策が立てやすく、予防注射なども行われています。
現在のところ、カゼそのもの(ウィルス)に効く薬はありません。カゼ症状に対する対症療法だけです。西洋医学では総合感冒薬(いわゆるカゼ薬)としては4つしか保険適応が認められていません。すべて鎮痛、解熱薬に抗ヒスタミン薬、カフェイン、鎮咳去痰薬、ビタミン剤などを配合した薬です。つまりカゼ症状…鼻汁、咽頭痛、咳、痰、発熱、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛、時には腹痛、下痢、嘔吐…に対する治療が行われているわけです。

カゼは原因のウィルスや罹った人の体質によって様々な症状になります。熱や鼻水、咳、痰等の症状があったり、なかったり、またその症状も日々変わり、あらわれる症状の順序もその度異なることがよくあります。本来症状に合わせた薬を飲まなければいけませんが、西洋薬では総合感冒剤として、どんなカゼでも同じ薬を投与する事になります。漢方薬でも早い変化には対応できませんが、薬の種類は豊富で、私がカゼに処方する薬は20種程度あり、それを組み合わせて使いますから50?60の治療手段があることになります。
しかし、以前にも書いたように、カゼには休養、栄養、水分補給が大切で、薬は二次的なものです。そして、何よりカゼをひかないことが重要で充分な睡眠で休養をとり食事に注意し、寒さを避け、うがい手洗いの励行で予防することが大事です。
2004年11月10日(水) No.100 (高橋先生(内科)のコラム)

患者さま


私は「何々さま」と呼びかけた記憶がありません。もちろん手紙や年賀状での宛先は「様」を使います。
母は「山田おじさま」「大田おばさま」と言っていましたが、「山田さま」「大田さま」とはあまり聞いたことがありません。父は「さま」は用いませんでした。
小津の映画で、原節子が「山田のおじさま」とか「良子おばさま」といった使い方をしています。
親戚や父母の友人等の個人的関係があっての「さま」で尊敬や親しみが背景にあります。
ホテルやレストランで「高橋さま、室の用意ができました」とか「高橋さま、お待たせしました。お席へ案内いたします」とか、行きつけの店での「さま」の呼びかけなどは母や原節子の「さま」とは違います。三波春男の「お客様は神さまです」の「さま」です。
サービスと満足を提供し、お金を払ってもらうということで最も重要な事は「また、来て下さい」です。

さて、最近医療機関でも「さま」を付けて呼ぼうという「患者さま運動」があります。私は別に反対はしませんが、何となくしっくりこない感じがします。
確かにお金のやり取りはありますが、本質的なものではなく患者さんは10000円も払ったから早く治してくれとか、500円しか払わなかったから治らなかった等とは思わないでしょう。医療機関での支払いはレストランや買い物とは違います。
病院での支払いの時「高橋さまありがとうございました。また、どうぞ」などと、私は言われたくありませんが、皆さんはどうですか?
2004年10月10日(日) No.93 (高橋先生(内科)のコラム)

糖尿病のお話…第3話/早期発見・早期治療その2


糖尿病について誤った知識や気になる事を追加しておきます。
1.普通甘い物をいくら食べても糖尿病にはなりません。しかし、糖尿病の人は甘いものは基本的に禁です。また甘いものを食べ過ぎると肥満になりますから糖尿病になり易くはなります。
2.これを摂取すれば、血糖値が下がるとか糖尿病が治ると題した本が多数出版されていますが、ほとんどウソです。特に著者に医学博士とだけ書いてある場合は医者でない場合があります。医学博士は医者でなくともなれるからです。

最近は宣伝も上手になって、血圧が気になる人とか、血糖値が気になる人には何々をどうぞという宣伝が多く、血圧を下げるとか、血糖値を下げる食べ物とは宣伝しません。そんな食べ物は存在しないからです。惑わされてはいけません。
3.糖尿病は患者が主導権を持って治療する病気です。自己管理が他の病気より要求されます。食事や運動の量、薬の服用についても医師は患者にアドバイスし、相談にのりますが最終的判断は自分でしなければなりません。ですから、病気について良く理解することが大切です。
以上糖尿病は予防、早期発見が可能な病気であり、発病してもきちんと治療し、正しく自己管理すれば正常人となんら変わらない生活を送れます。
数ヶ月に一度の検査だけで済んでいる患者さんも多くいます。放置し合併症を起こす前に検査を受けましょう。そして正しく管理できているか定期的に検査されることをおすすめします。
また機会があれば糖尿病について書こうと思います。
2004年09月10日(金) No.87 (高橋先生(内科)のコラム)

糖尿病のお話…第2話/早期発見・早期治療


病気は第一に予防、第二に早期発見、早期治療です。一部先月号と重複しますが、糖尿病の予防、早期発見、早期治療についてお話します。
糖尿病は初期には症状がほとんどありませんから、定期的に検査をするしかありません。しかし、糖尿病になり易い人、なり難い人の判定が誰でもできます。
糖尿病の人が血縁者にいる人は特に要注意で50%位発病しているように感じます。肥満、運動不足が加われば危険度はより高くなります。年齢も大きく関与していて40歳以上と以下では大きな差があります。

まとめますと、糖尿病の遺伝のありそうな人は、40歳になったら年1回、それに加え肥満、運動不足がある場合は年に2〜3回の検査が必要です。もちろん、検査の結果によって回数は変化していきます。たとえば、糖尿病と診断されれば、今後検査は必要なくなります。
さて、この検査ですが、ブドウ糖負荷試験と言い、朝食をせずに、ブドウ糖を75グラム飲んで、30分毎に血糖、尿糖、インシュリンを測定します。
判定はブドウ糖服用前(空腹時)と2時間後の血糖の値で行います。正常と判定された場合危険度の高い人は年1回、低い人なら3〜4年に1回の検査で充分です。糖尿病と診断されればこの検査は今後必要なく、他の検査をしながら治療開始となります。境界域と判定された場合(正常でも糖尿病でもない状態)程度によって年2〜3回の糖負荷試験をした方が良いでしょう。さらに積極的に軽い糖尿病と考えて食事、運動療法を開始すべきかもしれません。糖尿病になり合併症を発症すると経済的、時間的、肉体的にも生活全般に大きな悪影響を及ぼして、糖尿病との戦いが生活の全てになる場合もあります。このような状態を避ける為にも検査をして予防、早期発見に努めなければなりません。
2004年08月10日(火) No.82 (高橋先生(内科)のコラム)

糖尿病のお話…第1話


最近糖尿病は新しい国民病と言われ、1000万人以上の患者と数百万の糖尿病予備軍が存在していると考えられています。
戦後食事内容が変わりぜいたくになり、また運動不足や肥満が増えたのが大きく影響していると思います。簡単に言うと糖尿病は血液中の糖分が異常に増加して体に色々な害を及ぼす病気です。原因は多くありますが、大部分の糖尿病は遺伝と食事、運動、肥満が大きく関与する生活習慣病です。糖尿病になると全身の血管に病変が起こります。

大血管の障害としては、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、足の動脈閉塞。小血管の障害では
1.自律神経障害(低血圧、便秘、下痢、排尿障害やインポテンツなど)や末梢神経障害(四肢のシビレ、冷え、痛み)
2.目の網膜障害(視力低下、失明)
3.腎臓の障害(最終的には人工透析や腎移植が必要になる)等の有名な合併症があります。
糖尿病の特徴として、初期には自覚症がない、合併症を起こすと現状維持がせいぜいで元の健康な状態にはなかなか戻らない。ですから、早期発見、早期治療が大切です。
糖尿病を早期発見する為には、
1.親族に糖尿病のいる人は、30歳〜40歳では、2年に1回、40歳
以降は1年に1回の糖負荷テストを行い、糖尿病、境界域(糖尿病と正常の間)、正常の診断をする。(このテストは採血、採尿をするだけで通常2時間程度で終了します。)また、肥満があり軽い口渇、倦怠感、下肢のシビレなどを時々自覚したら、すぐに検査しましょう。
2.かぜや下痢等体調の悪い時、尿糖をみる。かぜなどで受診し尿検査で糖尿病が発見されることがしばしばあります。
3.検診はいつも空腹で行いますが、たまには食後に採血してみましょう。糖尿病の初期では空腹時の血糖は正常です。しかし食後には高血糖になります。
心当たりのある方は早めに受診することをお薦めします。
次回はもう少し詳しく糖尿病についてお話しましょう。
2004年07月10日(土) No.76 (高橋先生(内科)のコラム)

医療ミスの起こらないシステムが大切


最近病院や医者、看護師の不手際がよく報道されています。
大部分は取り違いが原因です。
「Aさんと思って手術したらBさんだった。」「正常な臓器を取って異常な方を残した。」「点滴を違う患者に打った。」「点滴の内容が間違っていた。」ごく最近では、「抗ガン剤を10倍量投与して死亡事故に至った。」

以前はこの様な報道はあまりなかったと思います。
事故が少なかったのか、報道がされなかったのかはわかりませんが、医療技術、医療機器は格段に進歩しましたが、このような事故は人間のミスですから、昔からこの程度はあったと考える方が自然です。この、取り違えあるいはミスをなくすか減らさなければなりませんが、人間はミスをする動物ですから、なかなか困難です。
今後は起こさないよう注意します、起こしませんと言ってはまた起こします。
今までのように個人の責任だけが問われ、解雇されたり、刑事罰に処せられても事故、ミスの数はなかなか減りません。取り違えの起こらないようなシステムが必要です。
二重三重のチェック体制、間違えやすい薬の名前の変更、薬の包装の工夫など、いろいろ考えられますが、一番重要な事は医療現場が忙し過ぎることです。医者も看護師も数が少なすぎます。人数ばかりいてもという声もあるかもしれませんが、人が増えれば一人当たりの勤務時間は減り、間違いなくミスは減らせます。
アメリカでは医療に日本の何倍もの人材と費用をかけています。今まであまり費用の事は問題にされず、個人の責任に押し付けてしまいがちでしたが、皆でこの事を考えもっと議論しなければならないでしょう。
2004年06月10日(木) No.70 (高橋先生(内科)のコラム)

正しい情報と正しい判断…その2


その1…「前回の血液検査の結果です。異常はなかったですよ。」「でも先生、コレステロールと中性脂肪に異常マークがついています。」「そうですね。コレステロールの240mg/dlは少し高めですが前回は210、前..
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2004年05月10日(月) No.63 (高橋先生(内科)のコラム)

正しい情報と正しい判断


『今朝は血圧が高いですね、薬飲みましたか』
『いえ、飲んでいません』
『どうして?忘れましたか』
『いえ、知り合いが飲まない方が良いよと…』
または、『おかしいな、血液データがちっとも良くならない、薬効かないかな』
『先生、実は飲んでいないんです』
『何故ですか』
『みのもんたのテレビであの薬はみだりに飲んではダメだと言っていました』
また、『血糖コントロールがめちゃくちゃになっちゃいましたね、
インシュリンきちんと打っていますか』
『実はインシュリン続けて打つのは体に悪いと聞いて止めていました』

全部私の診察室での会話です。問題は種々ありますが、大体次の三つにまとめられます。
第一に医者(私の事です)が患者さんに対して薬の意味、注射の意味をきちんと説明していなかった、あるいは患者さんが解るように説明しなかった事。
第二は患者さんが治療の意味、薬の働きをよく理解していなかった、自分が選んだ医者より友人やテレビを信用した事、つまり医者と患者の信頼関係が弱かった事。
第三は知識も無く、責任も取れないのに自分の経験や聞きかじりで人にアドバイスをする事。薬によっては大事に至る可能性があります。
又テレビは病気や健康について解りやすく説明してくれて、良いところがたくさんありますが、往々にして断定的で前提や例外を無視します。
たとえば、Aという薬はBという病気に効果がある、あるいはないと断定します。ところが、実際は大部分の治療法、薬、注射はある人、ある場合には効果があり、
他の人、または同じ人でも、時期が異なった場合は効果も違う事が多いのです。
病気は人や時期によって様々で薬の効きも変化します。
病気と病人と医者の関係は毎回異なり、同じような事はあっても同じではありません。
皆さんも、これからの事柄をよく理解した上で今後の参考にして下さい。
2004年04月10日(土) No.56 (高橋先生(内科)のコラム)

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