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アルコール飲料の摂取により、乳がんのリスクが増加する可能性


前回は喫煙に関して述べましたので、今回のテーマはお酒(アルコール飲料)としましょう。
時々(頻繁ではありません!)行く居酒屋の店主が、「最近の若者は酒を飲まなくなった(ので、客足が減ってしまった)」とぼやきます。確かに私の後輩医師も、若い人ほどお酒を飲まないなと心の中で頷きながら聞いていました。やけ酒は良くないし、無理強いはもちろん良くない。でも浴びるほども飲まなければ、また楽しく飲めれば、私は『酒は善』と常日頃考えていますが。何か?
本題の乳がんに関して、2007年の厚労省研究班の検討結果では、少なくとも国内の研究結果からは物を言うにもデータが不十分とされましたが、海外での同様の検討では「閾値は同定されなかったが用量反応関係は明瞭」と報告されました。つまり、「どの程度摂取すればリスクが高くなるのかというそのラインははっきりしないが、多く摂取している人ほど乳がん発病リスクは高い」というのです。今ひとつ釈然としないのですがそうなのだそうです。しかし実際のところ、機会あるごとにひたすらお酒だけ飲む人っているでしょうか?
私の家内もそうですが、PTAの会合や職場の会食などと称して、時々飲み会に参加しています。飲む人はとにかく飲むし、飲まない人はまったく飲まない。それでも盛り上がる。そんな会だそうです。それはいいとして、そのような場では喫煙する女性も少なくないそうです。つまり何が言いたいかというと、『酒は善』とする私としては、このような場面では、食べ物もつい過量に取りがちになるのと同様、喫煙機会も増えるため、アルコール単独と言うよりは、むしろこれらが相乗効果をもたらしているのではと感じるわけです。
医療従事者として飲酒を推奨することには気が引けますし、科学的根拠が示しているので否定もしませんが、『アルコール飲料の摂取により、乳がんのリスクが増加することはほぼ確実である。』つまりは、「程々にしておきましょう」ということです。飲み会の回数も。まるで、家内がしょっちゅう飲み歩いているかのような書き方だったかもしれませんが、彼女の名誉のためにもこれだけは言っておきます。「けっしてそんなことありません。むしろ僕の方が乳がんになりやすいのではないか!?」
2009年12月29日(火) No.395 (芝木先生(外科)のコラム)

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