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正月からやる気の出る話!?


からだには様々なストレスに対処するため、興奮とやる気を高める機能があります。この反応に関わるホルモンが、副腎髄質(副腎の内側)から分泌されるアドレナリンです。
同じ副腎の皮質(副腎の表側)から出るホルモンで、かの有名なステロイドというホルモンもあり、炎症を抑える働きなどで医薬品として使われていますが、これも簡単に言うと興奮、やる気などの部分に関連する作用もあるので、アドレナリンと同様にドーピング禁止薬の1つとなっています。
今回はこの副腎髄質ホルモン「アドレナリン」についてお話します。
アドレナリンは世界で最初に発見されたホルモンで、1900年に日本人の化学者である高峰譲吉と助手の上中敬三が、米国の研究所で結晶化に成功しました。高峰らはこの物質を、副腎(adrenal)から分泌されるとして、アドレナリン(adrenaline)と命名しました。米国のエイベルは自分たちが先に発見したエピネフリンという物質が、高峰たちの言うアドレナリンと同じものと主張し、高峰らはエイベルの実験方法を盗んだとされ、アドレナリンという名称はしばらくの間、表舞台には出てこなかったそうです。しかし、後日、上中の記録からアドレナリンを結晶化させたのは、高峰たちがエイベルの実験室を訪問した日より前であることと、エイベルの方法ではアドレナリンを結晶化できないことが確認され、高峰らが第一発見者であることが立証されました。その結果、日本薬局方(薬の基準書)でも2006年4月からエピネフリンの名称で記載されていたアドレナリンが正式な名称として変更されたのです。
それでは、そのアドレナリンの作用についてですが、人間には自律神経というものがあるのはご存じですか?自律神経には活力を高める交感神経と体を休める副交感神経の2つがあります。
アドレナリンはこの交感神経が興奮時に分泌されるホルモンで、血液により栄養や酸素を体にたくさん送るために、心拍数を増加させたり、血圧・血糖値を上昇させたり、気管支を拡張するなどの作用があります。つまり体が興奮し、意識が覚醒してやる気が高まるためのホルモンなのです。
「アドレナリン全開」などと映画やテレビなどの宣伝でも使っていますが、このホルモンの作用からきたものです。
ちなみに、医薬品としては喘息発作時の気管支拡張、手術時の出血予防や止血、心停止時の心刺激、麻酔の作用の延長などで現在も多岐に使用されています。
2008年12月29日(月) No.333 (原口先生(薬剤師)のコラム)

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