タイトル

第18話/子供をもつお母さんに知ってもらいたい泌尿器の病気


5・「男の子が陰嚢の痛みを訴えた時」
男の子が陰嚢の痛みを訴えた時は、手術を必要とするような重大な病気が原因のことがありますので、早めに泌尿器科を受診することを勧めます。
さて、陰嚢の痛みの病気は、「急性陰嚢症」と呼ばれています。その代表的なものは、精索捻転症、精巣炎、精巣上体炎です。いずれも、治療が必要です。

精索というのは血管と精管の束みたいなもので、精巣はこの精索によってつり下げられた状態になっています。この精索が捻れると精巣への血液の流れが止まりますので、激痛が起こります。多くは、中高校生の子供の片方の精巣にだけに起こります。診断は以前は難しかったのですが、現在では血液を測るドップラー超音波装置を用いて簡単に診断ができます。この病気の重大な点は、時間がたつと精巣が壊死してしまい、将来子供を作る生殖機能が障害されることです。そのため、症状の出現から4〜5時間以内に手術するのが理想的です。しかし、24時間を過ぎると、精巣を摘出せざるをえなくなります。
似たような病気に「精巣垂捻転症」があります。精巣垂は、精巣の表面に付着している米粒大の突起物で、これが捻れる病気です。うっ血して大きくなった精巣垂が陰嚢の皮膚を通して、青く点状に見えるのが特徴です。痛みは精索捻転症に比べてはるかに軽く、消炎剤や抗生剤の服用でほとんどが治癒します。
その他に、雑菌やウイルスで起こる「精巣上体炎」や「精巣炎」があります。これらは、陰嚢の痛みばかりでなく、通常陰嚢の腫れと発熱の症状が合併します。稀な病気には、スポーツなどによる外傷が原因である「精巣破裂」や血管の中に血の塊が詰まる「精巣梗塞」などもあります。
というわけで、お子さんが陰嚢の痛みを訴えたら、ためらわずに泌尿器科に連絡してみてください。
2005年02月10日(木) No.119 (古屋先生(泌尿器科)のコラム〜ドクトル・フルヤの知って得する泌尿器科講座〜)

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