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女性のデリケートゾーンの悩み


以前、テレビで女性外陰部のかゆみをとるぬり薬のコマーシャルを見て、アレっと思いました。確か、「女性のデリケートゾーンのかゆみが、もう自分で治せるんです。」と言っていたと思います。女性の恥ずかしい部分を診察されるのですから、産婦人科は敷居が高いのは確かでしょう。受診しなくても自分でこっそり治せたら、と思う女性心理を巧みにくすぐったわけですが、だいぶ勇み足だったようです。産婦人科関係者からの抗議?が多かったらしく、最近のコマーシャルでは、月経時のかゆみや下着によるかぶれに効果ありという内容になっています。
つまり、外陰部のかゆみの原因はさまざまあって、このぬり薬ですっかり良くなる場合もあれば、いくらぬっても良くならない、むしろかゆみがひどくなる場合もあるわけです。以下に、外陰部や膣がかゆくなる主な疾患について少し説明しましょう。


◆カンジダ症
カンジダはカビの一種です。腸内や膣に常在していると言ってもいい菌で、性交でうつされる(性感染症)こともあります。妊婦や糖尿病の患者、抗生物質を使ったときなどに増えて、症状が出ます。
外陰部のかゆみ、赤み、白く固まった感じのおりものなどです。おりものをそのまま顕微鏡で見て診断します。膣錠、ぬり薬、飲み薬などで多くの場合1〜2週間で治ります。糖尿病の方は治るまで時間がかかり、何回もかかりやすい傾向があります。
◆トリコモナス膣炎
トリコモナスは性感染症の一つで、パートナーも同時に治療しなければなりません。顕微鏡で見るとしっぽを盛んに動かして泳ぎまわっていて診断は容易です。かゆみの他は、黄色くてくさいおりものが特徴です。治療は膣錠も使いますが、飲み薬で特効薬があって1〜2日で治ります。
◆老人性膣炎、萎縮性膣炎
閉経後は卵巣から女性ホルモンが分泌されないため、膣が萎縮したり雑菌などにやられやすくなります。おりものが多くなったり、かゆいこともあります。治療は膣錠その他で女性ホルモンを補います。効果は十分ですが、治療をやめてしばらくたつと再び同じようになることも間々あります。
これらに加えて、またずれ、毛じらみ、外陰がんその他多くの疾患でかゆみが出現します。自己判断するより、まず専門医に相談することが大事だと思います。
2003年11月10日(月) No.27 (浅井先生(産婦人科)のコラム)

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